黄蓮谷右俣
2019年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
メンバーYK、DS(記録)
期間:2019年12月14日〜16日

山行タイム:
12/14、8:35駐車場?14:08七丈小屋
12/15、4:30七丈小屋?7:00二俣?14:30-15:30甲斐駒ヶ岳?16:00七丈小屋
12/16、6:35七丈小屋?9:55駐車場

黄蓮谷右俣は6年前に1度トライしたことがあるが、天候不良で取り付くこともなく五合目から敗退したので、今回はそのリベンジの意味も込めて今年の目標の1つとして挑戦した。

12/14、晴れ
6:30、八王子集合

8:35、駐車場着(標高780m)
尾白渓谷の観光なのか登山なのか、駐車場は満車であった。駒ヶ岳神社で安全祈願をして出発。
先週の八ヶ岳もそうであったが山は12月にも関わらずまだまだ晩秋の様相。落ち葉が敷き詰められた道を体力温存しながら概ね1時間刻みでゆっくり標高差1600mハイクアップ。久しぶりに黒戸尾根を登ったが日本三大急登は相変わらず長かった。

10:30、笹の平分岐

12:00、刃渡り
五合目小屋跡地にテント2張。五丈沢へはここから下降路をとる。
五合目を少し下ったコルの先は台風19号による崩壊箇所の通過。12月上旬には新たな梯子などが設置され修繕完了している。関係者の方々ありがとうございました。

13:30、六合目、六丈沢下降点。
明日はここから六丈沢を下降し黄蓮谷に取り付く。目印は「開力霊~」と彫られた石碑。

14:08、七丈小屋(標高2360m)
小屋手前付近から漸く雪がちらほら見え始めた。また所々凍結箇所もあったが避けて通れる程度なので問題なし。
小屋は2棟に分かれていて今回は第1の方に宿泊。暖房が効いており夕食はカレー食べ放題、装備も乾かせるし非常に快適な山小屋だった。サービスで頂いたりんごが嬉しかった。これに慣れたらテント泊山行に戻れなくなってしまいそうだ。

20:00、消灯、就寝
日暮れ頃から若干粉雪が舞っていた。また上部からは風の音が聞こえる。

12/15、晴れ
3:30、起床

4:30、七丈小屋発
30分ほど下り六合目に到着。
ここでアイゼン装着し、開力霊~の石碑から六丈沢へ標高差約500m下降スタート。
下降路は初見ではヘッドランプの明かりだけだとわかりづらい。YKは六丈沢を一度下ったことがあるということでついていく。最初は若干の踏み跡を辿りまっすぐ降りていくと次第に六丈沢左岸が岩壁になってルンゼ状の地形になってくる。岩壁の終端に差し掛かるあたりから沢幅が狭くなるのでそのあたりから左岸の支尾根へトラバースして支尾根を下ると程なくして沢床が見えてくる。今回は六丈沢に雪はなく下部は氷が剥き出しになっていたため結構緊張した。最後の降り口でのクライムダウンに若干の不安を感じたので念のため木で懸垂下降。下から見るともう少し左から降りれば歩いて坊主の滝上に下りられたようだ。

7:00、坊主の滝上の二俣直下(標高1880m)
二俣直下の滝はYKリードでロープを出す。右から巻くこともできる。準備をしていたら五丈沢からきた人や同ルートの後続パーティーが続々と集まってくる。この日は結局右俣に4パーティー取り付いていた。ロープを出したのはインゼル(ドイツ語で島、中洲を意味すると初めて知った)下の滝、奥千丈滝。それ以外はフリーで登った。
今回の黄蓮谷右俣は雪が少なく氷のナメと滝が剥き出しでずっと続き、ロープを出すほど難しいわけではないが落ちたら絶対に止まらないだろうなというところが多く、脹脛がパンパンになった。滝に関してはもう少し氷が発達していると安心して登れると思うので、もう1週くらい遅い方がより良い状態で登れた気がした。事実、奥の滝はまだ氷結が甘くかなり薄かったので登るのを諦め右から巻いた。
奥の滝から上はほぼ氷は終わりあとは体力勝負。ひたすら足に鞭打ちながら急斜面の雪面を登る。昨日のトレースが所々残っていたが昨晩の風雪の影響かだいぶ薄くなっていて、トップは膝下のラッセルが続き歩いては立ち止まりの繰り返しでジワジワ登った。山頂の神社があるピークに抜けた。

14:30-15:00、甲斐駒ヶ岳(標高2967m)山頂
無風快晴で360°の展望。パートナーと握手を交わし大休止。疲れたが順調に登れて大満足。念のため鍋やガス缶などビバーク装備を持ってきていたが杞憂に終わった。ただ、順調でこのタイムなので下降路のルートミスやラッセルなどで手こずるとその可能性は十分あったと思われる。谷の中には奥の滝付近の左岸に岩小屋があった。 登山道の下降はとても安心する。周辺の滝の様子を見ながら明るいうちに小屋を目指した。

16:00、七丈小屋
今日は素泊まりなので自炊でカレー。(昨日の晩も偶然カレー。ごめんなさい。)
夜は同日黄蓮谷を登った陽気な山小屋宿泊者と小屋主と談笑させてもらった。またどこか山で会うような気がする。

21:00、就寝

12/16、晴れ
5:30、起床

6:35、七丈小屋発
明るくなってからスタート。YKがなかなか休憩の気配を見せぬまま小走りで下っていくので、このまま下山地まで一息で行こうとしているのかと若干心配になったが、一度だけ休憩を挟んでくれた。その後も小走りで下山。

9:55、駐車場着
月曜平日とあって駐車場の車も数台しか残っていない。
尾白の湯で汗を流し境川SAで昼飯にサバ定食を食べ昼過ぎに帰京。甲斐駒ヶ岳は近くて良い山だった。また黄蓮谷右俣のように山頂に抜けるアルパインアイスはとても気持ち良い。今シーズンのアイスの目標は層雲峡の雲井の滝。更なるトレーニングを積んでいきたい。