雨ヶ立〜布引山
2018年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
メンバーNN(記録), NK
期間:2019年3月2日〜3日

岳人2010年3月号「上越の春山登山を楽しむ」特集で掲載されていたルート。上越国境稜線の大烏帽子山から東南の方向に伸びる尾根。登山道のない、残雪期限定で楽しめる山ということでずっと登りたいと思っていた。2014年3月末、2016年4月初めに訪れているが、いずれも取り付きで敗退している。今回は時期を1カ月早めて山行を企画した。


3月2日 晴れ
宝川温泉9:20…板幽沢出合付近11:30…1400m幕営地14:45
 8:17着の電車で水上駅に集合。駅の待合室で身支度を整え、タクシーで宝川温泉へ。温泉宿の建物のすぐ先から林道に雪があり、スノーシューを装着する。林道は適度に雪があり、スノーシューでもそれほど潜らない。ところどころで路面が出ていたり、雪が薄く踏み抜いたりする。
 板幽沢出合の少し手前の、登りやすそうな緩斜面から尾根に取り付く。すぐにスキーのトレースが見つかり、スキーのトレースを目安にしながら登っていく。はじめはうっそうとした杉林で、登っていくうちに見通しのよいブナの林になった。ざらめ雪で、踏み込むと少し潜る程度。歩きやすいなだらかな登り坂…のはずが、途中から西野が激烈にばてて遅れる。当初は1500m付近で幕営と考えていたが、1400m地点で行動終了。周りの山々の眺めもよいブナ林の中のテント場だった。

3月3日 曇り
1400m幕営地5:40…雨ヶ立6:30…布引山7:10…幕営地8:00→8:30出発…9:50板幽沢出合…11:20宝川温泉
4:00起床、5:20出発。気温はやや低く、雪もよく締まって歩きやすい。しばらく登ると二重山稜となり、さらに進むと森林限界を超え、風が強くなってくる。前日の歩きっぷりから考えて山頂まで2時間ぐらいかかるのではないかと思っていたが、荷物少なく足取りも軽く、あっけなく雨ヶ立の山頂に到着。たおやかに伸びる布引山への稜線、その先に上越国境稜線。すばらしい眺めが広がっていて感激する。
 布引山へはいったん鞍部に下り、緩やかに登り返していく。周りの景色を楽しみながら心地よい登り。布引山からは大烏帽子山に向かう稜線がきれいに眺められるが、今回は布引山を最終地点とし、引き返すことにする。  布引山のと雨ヶ立の鞍部からは、登り返さず斜面をトラバースしてテント場へ。テントを撤収し、一気に下山。気温がそれほど上がらず、雪も適度に締まったままになっていたので歩きやすかった。

三度目の正直。ようやく立てた雨ヶ立の頂。体力不足でかなりきつかったが、美しいブナの林、山々の眺め、だれもいない山の静けさを満喫でき、充実の山行となった。


登り始めは杉の樹林が続く


稜線のブナ林にテントを張る


雨ヶ立山頂へのなだらかな登り


雨ヶ立山頂。背後に見えているのが布引山