仙ノ倉山北尾根
2016年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
メンバー阪辻、中山
期間: 2017年3月18〜20日

記録
18日
8:29土樽駅着
9:00土樽→9:20毛渡橋→11:30バッキガ平11:45→13:05小屋場ノ頭→14:10 幕営地(1450m付近)
8時30分土樽駅到着。待合室内で身支度を整える。風はあまりなく、暖かい。除雪された舗装道を歩き、仙ノ倉谷沿いの林道に入ると雪を踏むようになる。5〜6人歩いている感じの踏み跡があるが、仙ノ倉北尾根への先行パーティだろうか。ラッセルに感謝しながら歩いていると、2人パーティが後ろから追い越していく。早足の先輩と必死についていく後輩、という感じで気の毒だ。我々のパーティには早足の先輩はいないので、息が上がらないように気を付けながら歩く。郡大小屋を過ぎ、北尾根取り付きでワカンを履く。植林帯を過ぎると急登が始まる。ここでも先行者のトレースに助けられながらゆっくり登る。
途中で、必死について行っていた後輩氏に追いつく。小屋場ノ頭では、早足先輩氏にも追い付き、結果的に我々が先行することに。ウサギとカメではないが、ゆっくり登った方が効率的ということか。小屋場ノ頭を過ぎると、1627mピーク手前に5〜6人パーティが登っているのが見えた。ラッセルしてくれたのはあの人たちのようだ。1450mあたりで疎林帯となる。そろそろ幕営地を探そうと思っていると中山に話すと、これ以上うえに行くと吹きさらしになるからこの付近がよいのでは、と提案される。その案を採用し、平坦地を整地し幕営することに。終始天気がよくのんびりした1日目だった。

19日
4:30起床 / 6:40出発→8:20シッケイの頭→9:55仙ノ倉山→11:17平標山→12:00幕営地(平標山と松手山の間)
4時半起床。天気は曇りで、強風がテントを揺らしている。6時半すぎに行動開始。強風の中歩き始め、シッケイの頭を越えるころから視界が悪くなり、GPSを頼りに歩くことになる。視界は10mほどか。阪辻は常時GPSで確認し進路を確保し、中山にはすぐ後ろで地形全体に注意を払うように指示して登る。北尾根の核心部である急登では、ときおり体が横倒しになるくらいの風が吹き、顔を上げていると露出している目の周りや頬が激しく痛い。GPSを見ながら、画面上の地形と歩いている傾斜が一致していることを確認しながら、ひたすら急斜面を登る。
1時間ほどで急登が終わり平坦地になる。地形的には頂上が近いはずだが目印が何もない。こんもりとした雪の塊を崩すと、頂上の標識が現われた。強風にあおられながら、何だかわからないうちに北尾根を登り仙ノ倉山の頂上に着いてしまった。
平標山までも地形が平坦なのでGPSを頼りに歩く。振り返ると中山の姿がガスの白さに溶け込んでいる。離れるとお互いが目視できないので、なるべく離れないように気を付けながら平標山に到着。松手山への登山道を確認し歩き始めるが、山頂から15分ほどでGPSのバッテリーが落ちる(低温のせい?夕方テント内では電源が再び入った)。現在地は把握できているが、視界が悪く風も強いことから不用意に歩くと事故の元だなと思い、ここで行動終了とする。整地しテントを立て中に入るが、ただそれだけで大量の雪がテント内に吹き込む。荷物を整理しながらテント内の雪を集めて外に捨て、ガスストーブを点け濡れた衣類を乾かす。結城さんのアドバイス通り、燃料を余分に持ってきて正解だった。
就寝後、夜中も降雪が続く。風が強くて夜中に何度も目が覚める。雪が周囲に溜まっていき、テント内を圧迫していく。ときおり中山がテント内側からドスドスと蹴りを入れて雪を取り除こうと試みている。天気予報では月曜日は回復に向かうとのことだが、心配だなと思いながら寝る。

20日
3/20
5:00起床〜しばし停滞〜9:55出発→12:56苗場ふれあいの郷(路上に出る)→13:28元橋バス停
5時に起床するが風は依然止まず、むしろ昨日の昼間よりも強く感じるほど。昼には晴れるという予報だが、まったくその気配がない。明るくなってからゆっくり準備すれば、そのころには風も収まり視界もよくなってくるのではと思い、二度寝することに。
7時半ごろ起き出し、撤収を始める。外に出てテントを畳んでいると、松手山に続く稜線が視認できるようになってきた。歩き出すころには急速に晴れ始め、正面に苗場や神楽などの山並みが見えるようになった。新雪は50センチほどか、ラッセルがつらくなったのでワカンを履く。途中でスノーシューを履いた青年とすれ違う。平標山をめざすという彼の踏み跡を頼りにひたすら下山する。途中、トレースを見失うが基本的には順調で、別荘地内の林道に出る。ほどなくして元橋バス停に到着した。
バッドコンディションでの行動や生活技術など、学ぶものの多い山行ではあったが、仙ノ倉北尾根については何だかよくわからないまま終わってしまった。数年後にまた登ってもいいかなと思った。


小屋場ノ頭からの登り。幕営地は中央の台地上地形のあたり。


仙ノ倉北尾根核心部の急登。視界が悪く景色は何も見えない。


やっと見つけた頂上の道標。とにかく顔が痛い。


下山中に見えた平標山。昨日の荒天がウソのようだ。