尾瀬沼 尾瀬ヶ原
2016年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
メンバー錦織良
期間: 平成29年2月17〜19日

記録
 昭和の記録で2006年5月に田中君が燧ヶ岳経由で尾瀬ヶ原を縦断している。私も白い雪原を歩いてみたいとの思いがあり今回の山行となった。足固めは、先輩OBから頂いた長めのスキーに後輩から頂いたシールを加工してグルーも新たに塗布した手作りシール。完走できるか不安はあったが何とか歩き通すことができた。

H29.2.17
自宅を4:00出発、尾瀬戸倉6:30着、6:50大清水へ向けて歩き始める。大清水までは除雪されていて運動靴で歩き、大清水から除雪はされていないがスノーモービルの跡がありスキーに履き替えて歩く。一ノ瀬以降もスキーのトレースがありこれを辿って十二曲りの急登を登る。このトレースはどうも登山者ではなく電柱メンテナンスの作業員のものと思われた。良かった天気はこのころから雨になり急登を登り終えてしばらく歩くとシールに雪が付着し、とても歩くことができなくなり16:30頃テントを張る。

H29.2.18
 6:30昨日の雨は夜には雪となり、凍ったスキーから氷を削り取りシールを張りなおす。テントを撤収し三平峠を目指して歩くも左に寄り過ぎシールを外して300mほど滑り降りてしまった。GPSで間違いを確認して登りかえす。2時間ほどロスしてしまう。三平峠は樹林の中で全く視界は無い。しばらく下って白く覆われた尾瀬沼が見え湖畔へ降り立った。夏道が少しは分かると思っていたが雪は2mほどもあり全く分からない。しばらくは樹林の中のアップダウンを苦労して歩くが、いやになり水線と思しき際を歩くことにする。小沼湿原からやっと雪原の上を歩けるようになり見晴らしも良くなってくる。とはいえスキーを履いても20cmは沈みズボ足ではひざ上まで沈む。沼尻川の渡河を心配したがすっかり雪に埋まり難なく渡ることができた。樹林の中を歩き今日中に見晴らしの近くまで歩きたかったが16:30ダンゴヤ沢の手前でギブアップ。テントを張る。持ってきた酒は昨晩すべて飲んでしまい夕食を食べて早々に寝る。

H29.2.19
 静かな夜はこまかい降雪のせい。1時間寝坊して6:30出発。段小屋坂は目印とGPSで難なく通過。イヨドマリ沢からは平らな疎林の中をGPS便りに歩いてやっと見晴へ到着。尾瀬ヶ原へ突入する。時折吹き渡る風と雪、視界は何とか目標物をとらえられる程度。目標物を目指してひたすら歩が全く近づいてこない。竜宮小屋を過ぎてからは多少視界が良くなり薄日もさすようになる。牛首の顕著な山の形を目指してラッセルを続ける。途中の川は難なく雪の上を通過するが上ノ大堀川を渡るのに苦労した。橋は鉄骨2本が渡されているのみで橋が撤去されている。スキーを脱ぎ鉄骨に四つん這いなって何とか渡河できた。14:30頃やっと山ノ鼻到着。これから登りになるので今日中には帰れないかなと思ったがスキーのトレースを発見し助かった。これも一昨日同様電柱メンテナンスの作業員のものと思われる。ひたすらトレースを辿り鳩待峠16:50到着。シールをはずして尾瀬戸倉へ滑り降りる。途中ヘッドランプを点け真っ暗なゲートに到着し何とかその日のうちに帰り着くことができた。
(錦織:記)

尾瀬沼

沼尻

尾瀬ヶ原

尾瀬ヶ原