赤岳主稜、中山尾根
2015年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
メンバー阪辻、中山
期間: 平成28年3月19〜21日

【記録】
3/19(土)
11:10美濃戸口到着11:30美濃戸口出発12:30美濃戸山荘15:30行者小屋
今日は行者小屋までだからと、ゆっくり登る。テントを設営し夕食をとり、19時半には就寝。

3/20(日)
3:30起床5:30出発6:30赤岳主稜取付到着7:20登攀開始8:55中間の岩場10:00上部岩壁基部12:00終了点(装備片づけ・休憩)13:00赤岳山頂13:30地蔵尾根分岐14:10行者小屋到着
赤岳主稜
5時半に行者小屋を出発。晴天無風。主稜の取り付きにはすでに5〜6人、2〜3パーティいる。取付で準備をしていると後続がぞくぞくとやってくる。さすが人気のルート。1ピッチ目、阪辻リードでチョックストーンを越える。2ピッチ目中山がリード。5〜6mほど登り岩陰で姿が見えなくなると、「ここでピッチ切っていいですか」と声がする。状況がわからないから「任すよ」と言うと、「ビレイ解除」の声。いやに早いな。フォローで登るとすぐに中山の姿が見えた。「いやに早いな」という気持ちが顔に現われていたらしく、中山から「機嫌悪い?」と聞かれる。3ピッチ目阪辻リード、岩雪ミックスの階段状の斜面を登るがビレイポイントが見当たらず、岩角でピッチを切る。4ピッチ目、中山が前ピッチの短さを挽回するようにぐんぐんロープを伸ばしていく。上部岩壁が見えてきた。5ピッチ目、阪辻リード。岩壁基部で先行パーティがビレイしていたのが見えた。あそこまで行けば上部の核心を中山に任せられると思いロープを伸ばすが、残り10mほどで「ロープいっぱい」のコール。残念。仕方なく3メートルほどトラバースし灌木で支点を作りビレイ。6ピッチ目中山リードで岩壁基部へ。基部に着くと、気の良さそうおじさんが登り口にしゃがみ込んで何やら準備をしている。「そこに座られると邪魔なのですが」と、どいてもらい7ピッチ目阪辻リードで上部の岩場を登る。クライミングっぽくて楽しいピッチ。8ピッチ中山リード、ここも快適な岩登り。9ピッチ阪辻リードで稜線に到着。「記念だし、せっかくだから」と、ギア類一式をジャラジャラつけたまま赤岳頂上までに登り記念撮影。地蔵尾根を下山し、行者小屋に到着。2人ともバリエーション経験ほぼゼロで入会し1年足らずで挑戦した初見の赤岳主稜を、無事登れてよかったよ。缶ビールで乾杯。来シーズンもまた来て、担当ピッチを替えて登りたい。

3/21(月)
3:00起床5:00出発6:10中山尾根取付手前で準備6:45下部岩壁基部・登攀開始9:08上部岩壁基部11:15終了点から登山道へのトラバース終了(装備片づけ・休憩)11:30下山開始12:30行者小屋到着(撤収)13:40行者小屋出発16:10美濃戸口到着
中山尾根
互いに2回目だったが、記憶があやふやな中山尾根。朝テントの外は霧で気温が低く、風もある。取り付きに着いても状況は変わらない。幸い先行も後続もいないようなので、マイペースで登れそうだ。1ピッチ目、以前牛山さんは右から回り込んで登っていたが、下の足場が外傾していかにも悪そうで、ハンガーボルトはビレイポイントから直上気味に2個打ってある。2人で相談し、1ピン目をとったら右に行こうと方針を決め阪辻リードで取り付く。1ピン目をとるが、ほとんど身動きとれないくらい難しい。おかしい。冷や汗をかきながら右にトラバースし、ようやくビレイ点に。あれ、こんなに難しかった?中山尾根。下から、フォローで登る中山の「ここ、難しいですよ!」と怒気を含んだ声が聞こえる。やっぱりちゃんと右から回り込むべきだった、ごめんよ。2ピッチ目、登り始めが悪い草付を、怒り気味の中山がリード。この上でロープを解いて雪稜を登り、上部岩壁取り付きへ。「抜け口がややハングした凹角ってここだよね」「2ピッチ目じゃない?」などと話し、2ピッチ目と思われるハングは阪辻がやることにし、上部岩壁1ピッチ目を中山がリード。凹角状の岩場を調子よく登っていくが、4メートルほど上がると「ここでピッチ切っていいですか」と言う。どうやら2ピッチ目ではなくこの凹角が核心だったようだ。目の前で見ても思い出せない2人って。傾斜のきつい凹角上部を阪辻がリードで抜ける。以前もリードしたけど、そのときよりも難しく感じたのはなぜ? 3ピッチ目(本来の上部2ピッチ目)、中山が草付の雪稜をリードでぐいぐい登っていく。ロープが伸びていく様子を見ていて、ビレイしている方も楽しい気持ちになる。4ピッチ目、阪辻がリードで階段状の岩場を左側から巻き終了点に到着。フォローの中山と合流し、「いやいや難しかったね」と話しながら登攀終了。行動食をとっていると少しずつガスが晴れ、昨日登った赤岳が見えてきた。地蔵尾根を下り行者小屋へ。テントを撤収し下山し、16時20分美濃戸口到着。八ヶ岳山荘にて生ビールで乾杯。次こそは、もっとすっきり登りたい。