武能岳西尾根
2015年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
メンバー(CL)西野(記録)、錦織、松邨
期間: 2016年2月20日(土)〜21日(日)

2月20日
土樽駅9:00…西尾根取付11:00…1450m付近15:30(幕営)
2月21日
幕営地6:00…稜線9:00…1730mピーク9:30…幕営地12:00(テント撤収:出発12:30)…西尾根取り付き14:30…土樽駅15:30

冬、薮が雪に埋もれた時期だけ登ることができる、上越の名ルートのひとつ。2013年3月に一度トライしたが、悪天候に阻まれ、1500m付近で撤退している。完登を目指し、再び尾根を目指した。

2月20日(曇りのち雨)
8:40頃、土樽駅集合。駅で身支度をし、出発する。気温は高め。道路に雪はなく、道路脇の雪の量も非常に少ない。除雪が終わった地点でわかんを履く。しばらくは沢沿いに、関越道を右手に見ながら、川の右岸を歩く。スノーシューを履けばそれほど潜らない。少し進み過ぎて、林道終点まで歩いてしまい、少し戻って西尾根に取り付く。西尾根の取り付きで沢が渡れるかちょっと心配だったが、水量の少ないところを選んで渡った。
取り付きから尾根に向かい、急登を詰める。ふかふかの雪で、積雪は少ないがよく潜る。尾根に出る直前、雪がなくなり、木登りを交えながらの登りがつらい。尾根に出ると、はじめはやややせた尾根、積雪が少なく、薮を踏み抜くところもあって歩きにくい。950mあたりまで登ると、広い尾根になり、傾斜が出てくる。ブナの樹林をラッセルを交替しながら登っていく。12時頃になると、うっすら霧雨が降り始めたが、すぐに雪になった。
前回テントを張った1200m付近を過ぎ、快適に標高を上げていく。1500m付近で幕営を…と思っていたが、行ってみると樹林が切れ、風もかなり強かった。結局来た道を戻り、1450m付近、樹林帯で少しスペースがとれそうなところを整地して幕営。
テントに入ってしばらくすると風が強くなり、雨もひどくなってきた。かなりの強風。明日は大丈夫だろうかと気にしつつ、21時頃就寝。

2月21日 風雪
夜中に降っていた雨はいつのまにか雪になり、テントを揺さぶり続けた風も明け方にはだいぶ収まってきた。4:30起床。風が強いのでテントはつぶして雪を上に乗せた状態にして出発した。すぐにアイゼンを履くことになりそうだったのと、積雪がそれほど多くなさそうだったので、ツボ足でスタート。
ブナの林を抜け、眺望がよくなってくるはずだが視界は50mぐらい。進む方向は見えるが周りの景色は全く見えない状態。1550mぐらい、雪が締まってきたところでアイゼンを着ける。しばらく進むと広い尾根からやせ尾根に変わる。ナイフリッジ状になっているところを、慎重にルートを考えながら進む。ところどころで膝ぐらいまで潜る。灌木の薮が出ている急斜面を登り切ると、あっけなく国境稜線に出た。武能岳西尾根、完登。
せっかくなので武能岳まで行ってみよう…と進み始めたが、視界はなく、ところどころ膝ぐらいまでもぐってしまう。しかも風が激烈に強くなってきた。武能岳山頂手前のピークまで来たところで引き返すことを決定。往路を戻る。
…が、視界がないため、西尾根の下り口で迷う。風が強いところはトレースが消えかけているところもあり、慎重にルートを探しながら進む。テン場に戻ってテントを撤収し、下山を開始するが、前夜からの風雪でトレースが消えているところも多く、広い尾根は下る方向を見極めるのに不安になる。潜る雪に体力を吸い取られながら下り続けて西尾根取付に到着。林道でもずぶずぶに潜る雪にさらに体力を吸い取られ、土樽駅に向かった。


車道から眺める武能岳西尾根方面


西尾根の取り付き


視界のない尾根を進む


武能岳手前のピーク