2015年北海道パウダーツアー第2弾
2015年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
メンバー中島忠男、佐々木正人、佐々木満喜与、錦織 良、野田孝幸、高橋るり子、小柳穂澄(記録)
期間: 2015年12月18日〜22日


 北海道パウダーツアー第2弾は雪不足のなか、地元出身である野田さんの経験と情報を駆使し、最終日まで新雪を滑ることができました。
滑りのみならず食の楽しみもあり、関東在住の我々だけではとうてい味わえないツアーです。その上とてもリーズナブルなので、翌年1月の第3段まですでに予定されています。格安航空会社のバーゲンチケットを利用し、素晴らしいルートを滑り、1泊3千円にも満たない自炊宿で本州では味わえない海の幸を味わう充実の毎日なのです!
そのようななかで、山スキー歴の浅い私もシール登行の技術、ルート取り、GPSの使い方、様々な雪質の滑り方、道具の使い方等を日々実践し、夜は経験豊富なメンバーとのスキー談義もありで、楽しく経験を積ませてもらいました。

12月18日(千歳空港〜岩内の宿)
千歳空港に集合し、空港近くでレンタカーを1台借り(※1)、転勤直後大変ななかやり繰りして参加してくれた野田号と2台連なって出発です。事前に宅急便で送ってある荷物を受け取りに宅急便の集配センターへ立ち寄り、その後本日の宿となる岩内へ向かいます。途中で毎回楽しみにしている「味の一平」で味噌ラーメンを堪能し、「うおはん」(※2)で3日分の食料の買い出しです。
「うおはん」は千歳空港から札幌に向かう途中の恵庭市にあるスーパーですが、野田さんのお薦めだけあり、ただのスーパーではありません。道内の鮮魚の取り揃えが量、質ともに充実し、刺身から干物、鮭や蟹など値段も驚くほど安く、食料調達にぜひお薦めのお店です。宅急便コーナーもあり、お土産を買うにも空港や札幌で買うより絶対お得です。
17時過ぎに岩内の宿「コテージ アリスの里」(※3)にチェックイン。コテージのお風呂は掛け流しの温泉で3名は一緒に入れる広さ、調理道具の揃った台所で夕食の準備をし、お楽しみの夜の宴が始まります。夕食メニューは縞そい・黒そい・天然ぶりの刺身、特大ホッケの開きと野菜料理です。
また、錦織さんがGPSを買ったこともあり、野田さんから毎晩宴会前にGPSの取り扱いを教わっていました。会にGPS・ビーコンを紹介され導入にも尽力された中島さん、佐々木さんもタッチパネル式のGPSを使っているので教えてもらえる方はそろっています。何とか自分も使いこなせるようになりたいので、わからないところを教わろう!!

※1 クイックレンタカー(0123-40-0919)4駆で1日/2300円×4日で9200円と格安!
※2 うおはん (0123-33-7000 恵庭市住吉1-5-1) 食料調達にお薦めのスーパー
※3 コテージ アリスの里(080-1893-2461)平日1泊2376円 休日前3672円(各棟の露天風呂使用期間は3月から11月まで)

12月19日(岩内の宿〜チセヌプリ←雪不足と強風のため中止とし、ニセコもいわスキー場にて練習)
 6時に宿を出発です。途中のコンビニで朝食と行動食を調達します。
山スキーは雪道の運転技術も必要です。私自身も雪道のテクニックも身に付けなくてはと思いますが、道内の方はせっかちな人が多いのか7〜80キロで追い越しをかけてきます。つるつるテカテカの氷道でも40キロ以上で走っています。さすがに実践練習をと名乗りを上げるにはハードルが高すぎ?と引いてしまいます。いつも運転してくれる佐々木さん、野田さんに感謝です。
車はつるつるテカテカ道や峠を越えて現在は営業していないチセヌプリスキー場駐車場に8時に到着しました。雪不足であたり一面ブッシュが多く、上部に雪はあると思われますが風が強い様子です。ニセコ山頂では風速20メートルとのことでツアーは中止とし、近くのニセコもいわスキー場で練習することにしました。
 もいわスキー場に到着した時点で、ニセコの他のスキー場は強風でリフトが動いていないことを知り、もいわスキー場は強風に強いスキー場だと知りました。しかし1500メートルのクワッドリフトは稼働させず、900メートルと400メートルの遅いペアリフトと2本のみで4300円のリフト代を取る強気の経営には驚きました。
 高橋さんはこの機会にスキーの練習をと、ボードからスキーに乗り換え多くのメンバーから暖かい指導のプレゼントを受けていました。10年ぶりのスキーとは思えぬ足前とはいえ、高橋さんは沢山もらったアドバイスに少々頭は混乱していたようです。リフトが遅くとても寒かったけれど、シーズン初めの良い練習になりました。
 本日の夕食はカジカ鍋です。鍋壊しと言われている魚(かじか)は確かに美味でした。

12月20日(岩内の宿〜羊蹄山喜茂別ルート)
 5時半に宿を出発し、途中のコンビニで朝食と行動食を調達します。7時半に登山道入口に到着しました。以前野田さんが路駐した際に道路管理事務所の巡回車に除雪の邪魔になることから、いたく叱られ車のナンバーまで控えられたそうです。
そのため我々6名は、すでに到着していた札幌からの男性1名とともに3台の車の駐車スペースをつくるため、みんなで除雪作業にとりかかりました。ここで高橋さん(リングネームはラッセルるり子)が本日風邪のため参戦していないことがいかに戦力減かを思い知る。1時間弱にわたる全員の奮闘で車は無事登山道側に納まりました。
駐車場を8時半出し、地点標高310メートルから350メートルまでは真っ直ぐに見通せる緩やかな登りです。500メートルあたりまではほぼ夏道を通り、つづれ織りの道も冬は直登です。先行する若手男性2名を我々6名は後を追う形ですが追いつきません。雪不足とはいえ、積雪は登山道入口で70センチはあり雨で氷化した層が30センチ付近にありますが、上部はもっと積雪が期待できるのではと楽しみになります。雪質は新雪とはいえ湿ってやや重い雪で、夏道に沿ってトレースは続きますが、途中右にはずれて沢から夏道への急騰に苦労しました。その後もほぼ夏道沿いに登っていきます。 
満喜与さんは、初日に道の駅で教えてもらった「カバノアナタケ」(白樺の木の穴に寄生するキノコで癌に利くと云われ高値で取引されるキノコで冬が採取の時期と聞きました)があったら嬉しいと白樺の木を見つけては気にしながら高度を上げていきます。私はシール登行にばかり気を取られ下ばかり見て歩いているのはもったいないと反省。午後1時40分、標高1290メートル付近で日没時間を考慮し、ここから滑降することにし、野田さん先行で、無線連絡で一人ずつの滑降を開始します。
今回はトランシーバーを4名が持っているため、ひとりずつの滑降が多いなか、ルートを降りすぎたりしても無線で連絡を取り合えるので安心です。喜茂別ルートは天気が良いと下界を見渡せ、森林限界あたりのひらけたバーンはとても気持ちの良い滑りができるルートです。慎重に木をさけて林間を抜け、登って来たトレースにあっという間に合流しました。最後の緩やかな下りは止まらないようにトレースに沿ってエッジをできるだけ雪にぶつけないように滑り、駐車場には15時40分に到着しました。
本日の夕食は前回も感動ものだった美味しい紅鮭と北海道の美味しい野菜たちです。

12月21日(岩内の宿〜札幌国際スキー場〜スキー場滑降&浅里岳コース下見)
朝から気温が高く雨でニセコ周辺は無理と判断し、一番積雪のある札幌キロロ周辺に行くことにします。本日帰郷組3名はスキー場で2時まで練習、残り組はスタートが遅くなったこともあり、明日の浅里岳コースの下見に行くことにする。
標高1099メートルまでキャビンで一気に上がる。ここで高橋さんは本日も体調が悪くお休みすることになり一人でゲレンデを戻りました。山頂駅から朝里岳までは標高1280メートルなので、あとはゆるやかな登りとなります。札幌キロロスキー場周辺が今のところ一番の積雪との情報どおり、すっかり雪景色です。樹木が氷に覆われとても綺麗な樹氷をながめながら登ります。標高1200メートルあたりですでに滑りを楽しんで登り返してきたパティーに出会う。朝里岳沢川の様子も聞いてみるが、沢はまだ埋まっていないだろうとのこと。この時期にこの雪不足で沢は渡れない状況のようです。通常朝里岳や白井岳からの滑降は最後にこの沢を渡りスキー場へ入りゴールとなるため、この沢が渡れないと大変なようです。山頂駅から約50分歩いた標高1220メートル付近の左(朝里岳沢川側)にとても良いバーンを見つけ1本滑ることにしました。標高1170メートルまで気持ちよく滑り、そのまま標高1120メートルの広場のようなところからトラバースして標高1110メートル地点で登って来たトレースに合流することができました。山頂キャビン駅に14時10分到着し、ゲレンデ経由で下ります。本日のバーンがあまりに気持ち良いのと、所要時間も確認できたので、明日はこのルートに決めました。
本日の宿はすすきの常宿ウィークリーマンション「ウィークリーさっぽろ」(※4)。ミニキッチンが付いたツインルームで一人1泊2680円。清掃がいきとどき、とても快適な宿です。
夕食は野田さんおなじみの焼鳥屋さんで、これまた安くて美味しい夕食で大満足でした。

※4 ウィークリーさっぽろ(011-511-2000)すすきのホテル街のど真ん中 1泊からOK

12月22日(札幌の宿〜札幌国際スキー場〜朝里岳手前標高1220メートル付近の斜面を滑降)
9時スタートで昨日と同じコースです。うっすらと残る昨日のトレースをたどり、標高1200メートル手前に良いバーンを見つけたのでまずは1本滑って楽しみました。その後昨日の最高到達点標高1220メートルまで登り、これが今回最後の1本と大事に滑ります。昨日と同様に滑り下りた地点からそのまま少し下り、広場をトラバースして登って来たトレースに合流し、山頂駅に13時7分に到着しました。ここ浅里岳付近の浅里岳川沢斜面の滑降は確実に時間内に戻れるため、半日しか時間のない時には良いルートです。ゲレンデ経由でレストハウスに14時に到着し、着替えと荷物をまとめ、ここから宅急便を出します。無事15時には駐車場を出発し、途中「花まる寿司」で最後のお楽しみ。くるくる寿司とはいえそこは北海道、一人1200円で大満足なのです。
野田さんに千歳空港まで送ってもらい、飛行機も今回は問題なく離陸し5日間のツアーは無事終わりました。みなさん楽しい5日間をありがとうございました。