編笠〜権現岳
2013年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
メンバーCL尼子、錦織、小川【記録】
日程:2014年3月21〜22日

新人の小川の雪山訓練を兼ねての山行。終始、ベテランの先輩方が小川の前後でフォローするという状況で進んだ。

3月20日
八王子北口郵便局近くに午後9時30分に集合。錦織車で小淵沢駅へ向かう。午後11時30分頃小淵沢駅到着。駅員に駅待合室内で寝てもよいとのお墨付きをいただき、ストーブの近くに陣取り、宴会開始。午前0時30分ころ就寝。宴会最中、別のグループも待合室に訪れ、我々の宴会に冷たいまなざしを送りつつ、早々に就寝していた(「なんだこいつらは」と思われていたかもしれない・・・が、楽しければno problem。このグループは翌日午前5時に起床し、熟睡する我々を尻目に旅立っていった。)。

3月21日(曇り時々晴れ。山頂吹雪)
観音平口に向かうゲート口7:25…展望台9:14…押手川11:03…編笠山山頂15:00…青年小屋15:30(幕営)
 6:00起床。各自駅舎のベンチで朝食をとり、身支度や荷分けをして、7:00前にタクシーで登山口に向かう。
 ゲートから富士見平方面へ登山口からところどころ凍った道路を進む。無雪期であれば観音平までタクシーで行けるが、今時期は無理。歩道の登りは面倒くさい。途中、ショートカットして富士見平まで林(?)の中をひたすら登り、ここで小休止。小川はここで重いザックの背負い方を指導された。力技だけではだめらしいが、どうもコツがつかめない。
富士見平から展望台まではところどころにトレースもあり、これを順調に進み、押手川到着。
押手川から編笠山山頂へ向かうか、青年小屋へ向かって右側へトラバースするか協議のうえ、青年小屋へのトラバースを選択。時間も早かったため、上手くいけば青年小屋の先まで今日中に行けるかもしれないとの思惑があったらしい。が・・・この選択が裏目に出てしまうことをこの時点では誰も予想できなかった。
小休止のあと、青年小屋へ向けて出発。うっすらトレースがあり、これを進めばすぐに青年小屋に着くと踏んで、トレースをなぞって進んだ。途中、雪深く、ところどころ踏み抜きながらワカンで進む。それなりの急斜面。ワカンに慣れない小川は、急斜面ではジタバタジタバタ。見かねた錦織さんが先に道を作ってくださった。1時間くらい進んだ頃、どうも様子が変だということになった。いつの間にか踏み抜く回数が増え、木の上を歩いている部分が多くなってきた。トラバース道であればそろそろ小屋が見えてもよい頃だ。青年小屋の標高は2400m。が、すでにそれを超えている。ここへきて、道を間違えていることに気付く。さて、青年小屋の方角である右へ大きく切れるか、それとも編笠山山頂へ行って青年小屋への道を確認するか。青年小屋方面の右側はヤブで、深雪の中、進むのに難儀しそうなのは一目瞭然だった。それよりは道が開けている(ように見える)山頂に進むことにした。木の枝に積もった雪の上をヤブ漕ぎしながら、何度も踏み抜きながら登っていく。途中、ヤブを抜けたが、かなりの急斜面。山頂に近づくにつれ、風も雪も強くなっていった。一同ヘロヘロになりながら15:00、なんとか山頂へ到着。この時には視界10メートルほど。とりあえず山頂で写真を撮り、青年小屋へ向かおうとしたが、吹雪のため、向かうべき方向がわからない。無雪期であればしっかりとした登山道があるのだが、大雪と視界不遼のせいで、それを探すのに苦労した。青年小屋までの途中で幕営をすることも考えたが、小屋まで行こうということになり、先に進んだ。一時ガスが抜け、青年小屋が視界に入り一安心。15:30、青年小屋到着。外気温マイナス10度以下。テントを設営し、宴会開始。楽しいお話に酒も進み、就寝21:00.

3月22日(晴れ)
幕営地7:30…キボシ通過後、権現小屋9:50…三ツ頭11:30…前三ツ頭12:20(12:40出発)…天女山…登山口14:57
6:00起床。5:00に起床のはずが、前日の疲れと宴会の余韻(?)で一時間の寝坊。前日の状況から、権現岳に向かうか、来た道を引き返すか検討したが、とりあえず、のろし場まで行き、山の状況見ようということになった。 7:30幕営地出発。前日の吹雪が嘘のように空はピーカン、風もなかった。雪の状態も思ったほど悪くなく、予想に反し、のろし場まで順調に進む。ここまできたら、当初予定のとおり権現岳を目指すことにする。少し行くと、(小川にとって)今回の最大の核心部キボシ。初めての雪の積った岩稜歩き&急斜面。ロープは出さず、前に尼子さん、真ん中小川、後ろに錦織さんの順で進む。アイゼンの爪だけでバランスをとることの難しさを実感した。途中、小川のアイゼンが外れるというアクシデントもあったが、なんとかキボシ通過。権現小屋から振り返ると、編笠山、キボシと、今回の山行で通過してきた道が美しかった。天女山方面から登ってくる登山者の多さに驚きつつ、気温の高さに疲弊しつつも、順調に歩を進めた。三ツ頭では360度(?)の展望。南アルプス、北アルプスの山々もはっきりと確認できた。
前三ツ頭通過時には、予定山行のほとんどを無事終了できたことを祝うかのように、富士山がしっかりと姿を現し、見守ってくれていた。
14:57登山口到着。タクシーで小淵沢駅へ。ここでちょっとした事件が起こっていた。小淵沢駅に停めていた錦織車に警告を告げる赤い張り紙が。どうやら、送迎車しか停めてはいけなかったらしい。次から気をつけます。気を取り直して、スパティオ小淵沢で汗を流し、食事をとり、一路八王子へ。


編み笠岳山頂


ギボシへの登り


権現山頂