不動滝F2を登る先行パーティ
川原湯温泉に入って土合に移動、谷川岳ロープウェー駅駐車場に車を停め、車中泊
10日:天気快晴〜雪〜晴れ、気温は早朝測ったとき-10℃。
3時起床、4時ロープウェー駅発
5時30分 一ノ倉沢出合
7時30分 左方ルンゼ取り付き
7時45分 登攀開始
13時30分 尾根に上がる
17時30分〜18時 一ノ倉沢出合
19時30分 ロープウェー駅、下山
予定通り4時に出発。多少残るトレースを辿り、満天の星の中一ノ倉出合に着く。一ノ倉沢を登るうち徐々に明るくなり、一の沢を登る。左方ルンゼはばっちり凍っていた(下の写真)。
登攀準備をして登ろうかという時、ルンゼから濁流のようなチリ雪崩が流れ出た。大村さんからリードで登る。最初のF1は5mくらいで、後は歩く感じで斜面が急になる手前で切る。スクリューでビレイ点を作ったが、すぐ左の岩にハーケンのビレイ点があった。2ピッチ目、F2と思われる傾斜のそれほどない氷壁を登る(下の写真)。
60mいっぱいでスクリューで切る。3ピッチ目、よくわからなかったが、F3,F4を越える。50mくらい。4ピッチ目:歩いてF5の喉と呼ばれる細いルンゼ手前まで。5ピッチ目:F5(喉)を越えて、上の雪壁を進んで、潅木でビレイ。(写真はF5を越える大村さん)
6ピッチ目:雪壁を進む。後半傾斜がきつくなり、左の方が行きやすそうに見えたが、なんとなく雪崩そうな嫌な感じがして、右側の急になった雪壁を登る(下の写真)。細い潅木で支点を取って、下がスカスカの雪を頑張って登る。
7ピッチ目:あと5mくらいで尾根に出るところだったが、大村さんが登れそうにないということで、私がトップを代わって乗っ越す。さらに30m位進んで潅木でビレイ。
この時点で1時半を過ぎていて、このまま中間稜〜東尾根を越えて谷川岳まで抜けるのは相当遅くなりそうだと考え、敗退を決める。また、後でわかったが、その時いた場所は中間稜の1本左の尾根だった。左方ルンゼを懸垂しようかとも考えたが、最初の支点が見つからないので、最初ちょっとトラバースして中間稜側に下りる。途中雪が降る中、懸垂4ピッチで広いルンゼに下りた。かなり藪が濃くて苦労したが、幸いロープはうまく回収できた。途中、懸垂して回収できなかったと思われる残置ロープが凍りついていた。ルンゼからは、時折尻セードを交えて下る。
一ノ倉出合でギヤを片付けていると、避難小屋にずっと泊まっているというおじさんが来て、こんな雪崩やすい日によく登ったなとか、雪崩の危険性が高いから引き返したパーティもいたとか、いろいろ話をしていった。最後ヘロヘロになって、ロープウェー駅に7時半にたどり着いた。帰りも星空だった。15時間半行動疲れた。