谷川岳山域 阿能川岳 記録
2011年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
メンバー:CL 横山浩二、SL 田中康寛、野口みほ子、澤田章、小野寺斉 (記)
日程:2012年2月18〜19日
阿能川岳は谷川岳本峰のほぼ南、万太郎山の南東に位置し、谷川温泉にほど近い1611.3mの山である。東に阿能川、西に小出俣沢、北に谷川本谷とこの付近の分水嶺になっている。沢登りの記録もあるが、近くの赤谷川と比べると地味な存在かも知れない。積雪期の記録もあり、道に近く、傾斜もスノーシューには適しており、この時期1泊2日程度には手ごろとも言える。 1/25000の地形図は水上になる。

天気予報では18,19日は北陸、関西含めて寒気が入り大雪、関東は晴れとのことだった。
確かに国境稜線のこちらとあちらでは、特に道路の、降雪量が違っていた。
横山と小野寺は前夜発で夜に澤田さんの湯沢にあるマンションに宿泊、田中と野口は当日の朝早く上野を発ち、水上駅に8時13分に到着した。迎えの3人と共に登り口の仏岩パークに、2台の車に分乗して向かう。このパークは阿能川瀬入沢に沿った道沿いで、仏岩トンネルの東側入口にある。上部に仏様に見える岩があることが名の由来になっているらしい。

18日
仏岩パークには我々の車のみ。寒い中準備をして最初からスノーシューを履き9:20過ぎに出発する。夏は2,30分の道のりを、それほど差がなく40分ほどで登り赤谷越えに到着する。ルートはそこから右になる。左に行けば、仏岩、吾妻耶山になる所だ。
時折、ガスの間から陽が射しそうになるがすぐに隠れてしまう。
仏岩パークにて

赤谷越えにて

少し休んで出発、尾根伝いに1073mの地点を過ぎてヨシガ沢山(1117m)通過が11:20である。視界不良のため、一時道を外すが、すぐにまい戻る。

ヨシガ沢山

小雪の舞う中、楽しげに

やや下っては登り、鉄塔の下で休憩する。この時はちょうど昼くらいであった。鉄塔地点の高さは1130m程度。
この後、約1時間程度歩き、近くに適当と思われる雪庇があり、雪洞を掘ることにする。
雪庇は進行方向右側、つまり阿能川側に出ている。鍋クウシ山(1314m)のずっと手前であり、高さ的には1200m弱か?
掘っていたら、途中から雪が固くなり、さらに続けると土が出てきた。この辺り、何処まで行ってもあまり変わらないと判断し、半雪洞にすることにし、ツェルト2枚を被せ、5人のスペースを作る。

雪洞作り

これは朝の写真

内部

15:30頃に中に入る。広々として思ったほど寒くなく快適に過ごすことが出来た。例により宴会となり、四方山話に花が咲く。夕食は横山がすべて自宅で準備し、鍋に入れるだけにしてきてくれたすき焼きであり、団欒を盛り上げた。
20時就寝となる。

19日
5時起床、前夜は星がよく見え、快晴の兆し。確かに昨日に比べるとよく晴れてくれて、視界も良好。朝食は生うどんである。やはり生は美味しい。先に下りる澤田さんを見送り、荷を軽くして、踏み跡がない道をスノーシューで快適に行く。視界が良いせいか心地よい。
出発は7:30。皆、楽しんで歩いていた。大体1時間程度ごとに休憩する。鍋クウシ山(1314m)、天子山(1399m)を過ぎ、黒檜の茂る、本来は岩峰帯であろう悪場に入る。当然雪が付いているが一か所だけロープを出す。ほとんど数メートルの下りであった。

雪洞を出てすぐのところ、はしゃぐ横山

快適な尾根を楽しむ田中と野口

先頭のラッセル

僕の前に道はない

バックもよい

登る途中、ここの右の下りでロープを出す

遠くに見えるは浅間山か

結局、10:30、三岩山(1568m)の手前を最高到達点とする。高度は1500m弱。

引き返した地点、バックが三岩山方面

休憩後、戻り始める。下りは早い。泊った地点に11:30に到着、ココアを飲み、澤田さんから戴いたリンゴを食べて、のんびりと12:15に出発する。
赤谷越えにてスノーシューを外し、13:10に出発したら15分ほどで車の位置に着いてしまった。澤田さんは既に到着していた。
その後、仏岩温泉鈴森の湯につかり、16:に澤田、田中、野口の組と横山、小野寺の組が別々の車に分乗して出発、小野寺は20:過ぎに帰宅した。
以上

(今回は往復で自宅に横山運転手の送り迎えを受けた。いつもはしませんよ、と言っていたが感謝感謝感謝)