八ヶ岳天狗尾根
2011年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
メンバー:CL 植田雄亮、田仲穣二、錦織良、小野寺斉(記)
日程:2011年2月4〜5日

寒波襲来のこの時期、珍しく穏やかな日々であった。八ヶ岳ということで強風を警戒し、東面ということでラッセルに時間を割かれると思ったが、杞憂であった。天気は快晴、春の陽だまりと思われるほど尾根上は風もなく、暖かであった。尾根は特に難所もなく、また抜け出てからの稜線も比較的穏やかなもの。閉口したのはキレットへの下りのガレ場、そして10余時間に及ぶ2日目の行動であった。以下、行動記録である。

2/4(土)
7:00 例によりJR八王子駅北口郵便局前集合、錦織の車が渋滞でやや遅れたが、それでも7:30に八王子発、美しの森駐車場に着いたのは10:00前であった。 車を下りると冷たい空気に冷たい風、ブルブル震えながら出発準備し、10:00発で林道を、途中汗をかきながら歩き出合小屋に着いたのは1230。

本来の計画はそのまま尾根に取り付き、2100/2200m付近まで行き、そこにテントを張ることであったが、急遽出合小屋ベースに計画変更した。小屋の高さは約1900mくらいか? 早速、尾根取り付きまで偵察し雪の状態、踏み跡の状態を確かめる。先行パーティが既におり、ラッセルされていた。その日は、小屋内にテントを張り、翌日の準備、宴会となる。18:00には就寝した。夕食は田仲君特製のダルカレーであった。

2/5(日)
2:00 起床、朝食はインスタントパスタ。お湯を入れて出来上がりである。これも田仲君のアイデア、しかし評判は???。 テントをたたみ、3:45にヘッドランプを点けて出発となる。身につけているのは登攀具、食糧などで荷を軽くしている。スピーディに行きたい、ということである。途中小野寺のランプがチカチカしたが、ポケットの替電池ですぐ元に戻る。夜が白々と明け始める。清里の夜景がきれいだ。5:00には2100m台地(幕営可能)を過ぎ、6:00に2200m付近(去年のテン場)に到着する。植田は昨年もここに来ており、失敗談を話してくれる。そのせいか時間にシビアで11:00に大天狗に取り付けなかったら戻りましょうとのこと。旭岳の白いヒダも朝日を浴びてかっこいい。

カニの爪手前で2人パーティと遭遇する。ラッセルの先行パーティだ。テントをたたんでいる。7:00にカニの爪手前のテラスでハーネス、アイゼンの装着を行う。7:30出発、爪を左から巻き、少し行くと残置ロープが張ってある。念のためロープ出し、右のルンゼ登る、トップは植田、ラストは田仲で、小野寺と錦織はフィックスしたロープをユマーリングで快適に登る。

大天狗手前

大天狗の登り

さらに歩を進めて、ちょっとした岩を巻き、夏道沿いに行き、9:50大天狗取り付きに着く。ルートは右肩から右上、ここも先ほどと同じ要領でロープにて突破する。さほど難しくはない。10:30には大天狗を全員通過し、11:00に稜線に着く。赤岳には行かず、すぐに下り始める。いやなガレ場を下り、12:15キレット小屋の上(台風で道破壊の看板あり)、12:40ツルネ北峰(集合写真)、13:00ツルネ東稜(東綾と書いた道標もある)を下降開始、15:10小屋着。さすがに下りはかったるく、空腹感に苛まされたが、すぐにパッキングし15:30出発、17:50に美し森駐車場全員下山、既に周りは暗くなっていた。帰りの平たんな林道は特に長く感じられた。
以上。
大天狗を過ぎて稜線へ

ツルネ北峰にて

キレット側から見た天狗尾根