錫杖岳 左方カンテ、3ルンゼ
2009年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
日程:2009年12月26〜30日

メンバー:米田、牛山

25日 JR三郷駅23時待ち合わせ、牛山車で出発、3時半槍見温泉駐車場 車中泊

26日 曇り。6時に起きるはずが8時起床。
  9時出発。
  12時クリヤの岩舎。
テントを張り、左方カンテ取りつきまでトレースをつけるとともに、偵察。テントに戻る。
登り始めは雪は少なかったが、沢を渡るところでスノーシュー/わかんを付けた。クリヤの岩舎まで、笠経由で槍に行くと言う春日井山岳会の3人パーティと前後して進んだ。

27日 晴れ 4時起き、
  5時20分発、
  左方カンテ取りつき6時、
  7時登攀開始、
  17時20分7ピッチ目を終えたところで登攀終了、
  2ピッチ懸垂下降し、6ピッチ目の取りつきでビバーク。20時。
一昨年と同じ左側のルンゼから登る。奇数ピッチ米田、偶数ピッチ牛山。2ピッチ目までは前回経験済みなので、スムーズに進む。1ピッチ目の抜け口はうまくピックを引っかけてかぶり気味の岩を越える。2ピッチ目、回り込んでルンゼに入り、岩の隙間を抜ける。3ピッチ目、ピナクルの上に立ち、上の壁を人工で抜ける。4ピッチ目、凍った凹角を残置シュリンゲも使ってダブルアックスで越える。ピンが少ない。5ピッチ目、左のフェースを人工で越えるが、傾斜が寝ている部分はピンがなくてとても怖い。上部はブッシュ帯。6ピッチ目、凹角に入りチムニー登りで進むとピンが出てくる。上部は乾いた壁をフリーで。しかし、最後の3mくらいの壁がどう見ても登れないので、左にトラバースして立木で切る。7ピッチ目、悪い壁を越えて本来のビレイ点の枯れ木を越える。やさしくなるのかと思ったら、まだ悪い壁が出てくる。そして、シュリンゲがたくさんかかったビレイ点で終了。7ピッチ目はヘッデンを付けて登った。
そこから懸垂したが、牛山がはまったり、6ピッチ目のとりつきに下りた時にザイル末端が岩の溝に入り込んで取れなくなってしまい、米田が果敢に取り外しに行く。下から回り込んでようやく外すことができた。雪面を均してツェルトを張る。
この日は終始天気が良く、昼間は木の枝から雪や水が落ちてきて濡れるほどだった。

28日 雪 6時40分起き、
  8時発、
  3ピッチ懸垂下降し取りつきに下りる、9時20分。
  テントに戻る、11時。
朝起きると、一転して吹雪になっていた。すみやかに下る。途中、次に登る予定だった1ルンゼを見に行くが、氷の発達が悪く登れそうにないので、3ルンゼに変更する。   

29日 晴れ 4時起き、
  5時20分発、
  3ルンゼ取りつき、
  7時登攀開始、
  5ピッチでコルに到着登攀終了、14時10分。
  3ピッチ懸垂下降し取りつき15時、テントに戻る。
どういうわけか、この日も晴れた。雲ひとつない快晴。同じく奇数ピッチ米田、偶数ピッチ牛山。
F1は埋まっていたようだ。F3はピンが少なく、バランスで登る部分でランナウトして怖かった。F4は洞窟状に入り込んで、氷を登って外に抜ける。F5は右のかぶり気味の岩を登り、左にトラバースして抜けたが、バイルが決まらず恐怖だった。F6は左の壁を人工で登る。そして、ルンゼの雪の斜面をひたすら登ってコルに出ると、絶景の槍・穂高が見えた。ここから3ピッチ懸垂で取りつきに戻る。   

30日 曇り 6時起き、
  7時半発、
  8時50分槍見温泉 下山
一昨年来たときには大雪で下山にはまり、何時間もかかったが、今回は1時間半かからずに着いてしまった。トレースばっちりでした。   

使用した道具の中では、今回トライカムが大活躍だった。さらに、アイスフック×2、アイススクリュー×1、ロックス、下降用にハーケンも使用した。
一昨年敗退したルートであったが、無事登ることができた。満足と言いたいところだが、まだちゃんとフリーで登れていないし、懸垂ではまるなど、反省点も多数あった。フッキングの技術についてもまだまだ課題が多い。さらには、29日に注文の多い料理店と3ルンゼを日帰りで継続登攀したパーティに出会い、実力の違いを見せつけられた。もっとうまくなってきれいに登れるようになりたいものだ。(記:牛山)


27日、左方カンテ3ピッチ目終了点より


左方カンテ4ピッチ目の凹角


左方カンテ5ピッチ目 フェースを登る


左方カンテ6ピッチ目開始点から


28日、左方カンテ5ピッチ目を懸垂下降


29日、3ルンゼ取りつき


取りつきより焼岳方面


F5?から


F5を越えたところ?


F6のフェース


終了点のコル


終了点のコルより、3ルンゼ


終了点のコルに着いたら絶景が!!