25日(日) 晴れ
4時半起床、6時5分発。7時10分石尊稜取り付き、8時頃下部岩壁、12時稜線、14時赤岳鉱泉、
15時40分美濃戸山荘下の駐車場
前日自らのつけたトレースを上がり、朝1番に取り付く。リッジに上がったところで
アイゼン、ハーネスを付ける。下部岩壁取り付きには、ペツルボルトによるビレイ点が
2つあり、整備されていた。以前登った記憶では、まさにIII級程度で簡単な岩場という
印象だったが、この日雪がひととおり付いていて、見た目の難度がかなり上がっている。
最初右の方を登り始めるが、無理だったため一度下りて中央のフェースを登る。バランスで
立ちこみを多用して、5m上のピンにクリップするまでは緊迫、それ以後はピンも増えてきて、
安心して登れた。フェース上部の支点で一度切って、1ピッチ半で岩の部分は抜けた。
以後ロープは仕舞って、ひたすら登る。
霧氷や雪で化粧された木々の中のまっさらなスノーリッジに、自分の足跡をつけながら
登るのはとても気分がいい。また、地形も変化に富んでおり、ナイフリッジ、急斜面、台地
と飽きさせない。天気は徐々に青空が広がり、阿弥陀岳もよく見えてくる。
リッジを登りつめたどんづまりにハーケンが連打されているところが、上部岩壁の取り付き
だった。登りやすい凹角を上がると、リッジ上にニョキニョキ出ている岩角がホールドとして
使えて、精神的に楽になった。25m程度でリッジを抜け、ルンゼを上がった岩角でビレイ。
その後少し雪の締まったルンゼを上がってピッチを切る。そこからコンテに変えて、すぐに
稜線に出た。富士山がとてもきれい。風を避けて休憩。地蔵尾根までは、思ったより長い
稜線歩きが残っていて、所々雪が腐っていていやらしかった。地蔵尾根の下りあたりから、
疲労の色が濃くなり、だいぶ消耗して赤岳鉱泉に帰り着く。下田は、落したヘルメットを
探しに石尊稜の取り付きに向かう。頭のバンドが割れてしまったために、ザックから落ちて
しまったようだ。もうほとんど人のいなくなった赤岳鉱泉の天場を出て、最後のひと頑張りで
美濃戸山荘下の駐車場に着いた。疲れた!しかし、満足感の大きな山行だった。