阿弥陀岳北西稜
2007年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
期間:2008年月1月12日〜2008年1月14日

山域:八ヶ岳

メンバー:牛山、下田

12日:朝6時八王子駅集合、車で出発。途中から雨、美濃戸でも雨が降っている。美濃戸口から美濃戸山荘まで車で入ろうと思うが、道路が所々スケートリンクのような状態で、チェーンがないと下りが心配なので、途中に荷物をデポして美濃戸口まで戻る。そこから歩いて登る。雨の中濡れながら登り、南沢大滝の上あたりで雪に変わる。14時頃、阿弥陀北西稜の取り付きと思われるトレースの入り口でテントを張る。

13日:4時半起床、6時10分発。トレースをたどる。1回間違ったトレースに入ったため戻るが、それ以外はラッセルもほとんどなく順調に進み、8時に小ピーク着。気温が低くて風が強く、露出している顔などは今にも凍傷になりそう。(ジッパータグの温度計によると、-15度。)行動中唯一の写真を撮る。そこから、ロープをつけ3ピッチでボルトテラスまで。結果的にロープはいらなかったかも。スリングのかかったビレイ点あり。ここから核心部。1ピッチ目、トラバースから階段状の草付きフェースを登るが、すべて雪がかぶっていて、草付きフェースも岩の部分が多く、バイルが決まる場所を慎重に探しながら登れそうなところを少しずつ進む。ランニングはブッシュ1つとアイスフック1個。ダケカンバでビレー。2ピッチ目、凹状からリッジを15mとあるが、雪がかぶっていて傾斜もあるため岩の部分は登れそうになく、草付きを慎重にバイルを決めて上がる。このピッチ最も難しかった。かなりランナウトしたし、バイルが決まる箇所も限られている。また、風が吹くと、地吹雪が顔に巻き上がり、目のまわりに氷りつく。キャメロット0.5,0.4,アイスフック、ハーケン1などでランニングを取る。少し右上してしまい、キャメロットを決めて左に下がって垂壁下のビレイ点に着く。3ピッチ目、左側をトラバース気味に上がる。ほっとするピッチ。4ピッチ目、ガイドブックによると核心ピッチだが、凹角はまさにハーケン連打のため、それをたどれば問題ない。抜け口はアブミの最上段に乗って、ガバをつかんでえいやっと上がると終了点が見えた。牛山が抜けたのが2時。下田もなんとか上がってくる。阿弥陀岳ピーク3時。写真を撮って降りる。行者小屋4時前。テント4時半。

この日下田が両手指先に軽い凍傷を負い、翌日の登攀はやめにして下りることにする。

14日:8時発、10時美濃戸口着。温泉に入って帰る。

久しぶりにシビアな登攀だった。アイスフックとキャメロット、持って行って良かった。0.4、0.5番を持っていったが、もう少し小さいのもあれば役立ったと思う。2ピッチ目はハーケン1本しか見つからなかったが、ルートを外したからだろうか。上部4ピッチの各終了点は、ペツルボルトと太いスリングで整備されていた。下田の凍傷は、14日もまだしびれていたようだが、ほうっておけば直る程度の軽症で良かった。