甲斐駒ケ岳黄蓮谷右俣
2003年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
2003年12月20日〜22日
メンバー 牛山、下坂

19日 八王子駅23時過ぎ 下坂カーで出発 2時頃竹宇駒ケ岳神社駐車場着車中泊

寒気が入り、中央道を走っていると大月のあたりで雪が降っていた。名古屋方面は チェーン規制が出ていた。駒ケ岳神社付近はうっすらと雪が積もっていて、スタッド レスを履いていない、我らが下坂さんのハリヤーはオールシーズンタイヤでしのぐ。

20日 天気曇り、午後吹雪、気温寒い
6時45分 駐車場発
12時45分 5合目小屋
14時30分 千丈の滝
 16時   二俣の下C1

駐車場には車は7〜8台しかなかった。たぶんその中では一番に歩き出す。しかし、 途中すごい早い5人パーティーに抜かれたり、他にも抜かれた。5合目小屋まで 6時間もかかってしまった。そこで、以前抜戸で会った木下パーティに会う。 稜線を上がる5人パーティと別れ、黄蓮谷に下る。5合目小屋の裏から延びる道を 進み、時々出てくる赤テープを頼りに下っていくと、木下パーティーと合流し、 いっしょに道を探しながら下る。1時間半で千丈の滝に着く。滝は少しシャンデリア 状に氷がついている程度で、全然凍っていない。できるだけ上に行こうということで、 沢を上がる。すぐに坊主の滝が現れる。1段目は一応ロープを出して登る。 やや、水混じりでしゃりしゃりの氷だった。完全には凍っていない。その上の滝は 簡単そうだったので、ノーロープで登った。ややラッセルがある程度の雪だが、 先行パーティーのおかげでトレースはばっちり。時間を見て、平らなところに 適当にテントを張る。

21日 天気快晴、風はそこそこ、寒いが20日よりは暖かい
  6時45分 C1発
 10時   奥の滝
 11時30分 奥の滝上部
 13時   稜線
 14時50分 七丈小屋 泊

朝やや寝坊したが、7時前明るくなった頃に天場を出発。トレースをたどって登る。 いくつか短い滝をノーロープで登りつつ進むと、木下パーティーに追いつく。 二俣までなかなか着かないなと思いつつ登り、さらに先行の5人パーティーの トレースに出ると、ラッセルがなくなり楽になる。その後、実は二俣はずっと 前に過ぎていたことがわかって、安心。木下パーティーと前後しつつ登っていくと、 インゼルを過ぎ、奥の滝が見えたところで、先行の5人パーティーが奥の滝を登って いるのが見えた。最初の岸壁にへばりつくようにかかっている20mくらいの滝は 右側を巻いて、2段目から登る。この2段目の滝は先行パーティはロープを出して いたが、それほど斜度もないのでノーロープで牛山から登る。しかし、途中から 脚が疲れてきて、ちょっと怖かった。つづいて上り始めた下坂さんも、やっぱり ロープをつければよかったと後悔しつつもなんとか登る。さらにその上の3段目の 滝はバーティカル部分もあり、ロープをつける。先行の5人パーティーのラスト二人が 登るすぐ後ろから取り付く。しかし、先行の最後の二人がなかなか登れないでいるので 右側から追い抜く。ここのちょっとだけバーティカルになっているところは、本当は たいしたことないところなのだろうが、結構怖かった。そこを越えたら滝は終了。 あとは、ひたすらひざ上ラッセルをされたトレースをたどり、さらに左の尾根筋の ハイマツ帯を登っていたら、左側に一般道を登る登山者が見え、登山道に合流した。 そこから、30分くらいで駒ケ岳の山頂を踏んでから下山に移る。明るいうちに 七丈の小屋に着く。小屋はストーブが効いて、暖かく、別天地。 ビールや泡盛を購入して飲んだり、長く滞在して氷を登りに来ている広川さん パーティになべをご馳走になったりしながら、小屋番のおじさんや広川さんに 氷の話を聞きつつ幸せに就寝。

22日 天気快晴、21日よりも暖かい
  7時55分 七丈小屋初
  8時30分 5合目小屋
 11時15分 竹宇駒ケ岳神社

小屋番のおじさんには、「本当に下山するんですか」と、このまま他に登らずに 下りるのはもったいないという感じで見送られながら、しかし甲斐駒の状況を何も 知らずに計画してきたため、あっさり下山する。登りは時間がかかったものの、 下りは3時間20分で駐車場に着いた。天気も良く暖かだった。
しかし、最後に問題が発生した。なんと、ルームランプがつけっぱなしで、車の バッテリーが上がっていて、エンジンがかからない!整備屋さんを呼んでエンジンを かけてもらい、ようやく神社を後にした。韮崎でバッテリー購入。八王子15時頃着。

感想
黄蓮谷の状況は、今年は暖かかった時期が長く、寒くなってからまだそれほど日数が 経っていなかったためか、氷の発達状況はまだ少し小さかったと思われる。 (初めてなので、良くわからないが)。しかし、雪は19日〜20日にかけて多少降ったため それなりに積もっていて、奥千丈の滝などは、どこにあったのか気づかないほどだった。 しかし、とても強い先行パーティーがいてくれたため、われわれはほとんどラッセル しないですんだ。(どうもありがとうございました。) また、河床の氷も未発達だった ようで、ところどころ先行パーティーが踏み抜いたあとがあり、穴から水流が見えていた。 今回アイスクライミングを楽しめるほどの滝は、坊主の滝と奥の滝の2ヵ所だけで、 あとは短くて傾斜の緩い滝しかなかった。
今回人物の固有名詞が2人出てきますが、問題があったら消したいと思います。 広川さんはとてもいい方で、帰ってきて早速本を買ってしまったくらいです、 ということを付け加えておきます。
(記 牛山)

奥千丈の滝付近の木下パーティー

奥千丈の滝のどこかを登る牛山(上)と下坂(下)(木下氏撮影)

奥の滝手前を登る下坂さん

奥の滝全景 最下部1段目は巻いた。中間部2段目はノーロープで恐々抜ける。 3段目は中間部に短い垂直部分があった。どこかに先行パーティが写っているはず。

奥の滝2段目を登る(木下氏撮影)

八ヶ岳方面。

奥の滝より上のラッセルされたトレースを登る(木下氏撮影)

下坂さんのページの記録