二ツ小屋隧道。煉瓦造りで美しい
はじめは烏川の下降。緩やかで歩きやすい。ブナなど広葉樹の森が心地よい。河原やナメ歩きをのんびりと楽しむうちに、滑谷沢出合に到着。うっすら雨が降り始めた。思っていたよりも早い降り始めだが、樹林の中なのでさほど気にならない。
緩やかで幅広の烏川
滑谷沢に入ると川幅も少し狭まり、水流も強くなるものの、たおやかな渓流をひたひたと歩く。ときどき小滝が出てくるものの、簡単に登れるか、わかりやすい巻道がある。標高650mの二俣を過ぎると、小滝や釜がちょこちょこと現れるようになる。とはいえロープを使うような箇所もなく淡々と進む。
奥の二俣には素敵な幕営適地があり、ここで行動終了。荷物を下ろし、タープを貼ったところで雨がひどくなってきた。それでもなんとか焚き火ができ、焚き火を囲んで楽しく宴会。担ぎ上げた酒を飲み、ベーコンやマシュマロを焼く。至福。
8月2日(雨のち曇り)
4時起床。焚き火を起こして朝食。夜中にひどく雨が降ったが、明け方には小雨になった。沢の水量もたいして変わっていなくてほっとする。
6時スタート。奥の二俣から左俣に進む。標高1000m付近で大谷地沢と分かれて南に進む。顕著な沢筋を詰め、水がなくなってしばらくすると灌木の藪に。最初は薄い藪だったが徐々に濃くなり、太くて強い蔓も混じるようになる。たおやかな地形なので山頂が分かりづらく、GPSの力を借りながらひたすら藪をこぐ。1時間ほどの藪漕ぎで栗子山の山頂に到着。三角点があるが、山頂の表示はない。前回訪れたときは山頂にたどり着けなかったので、山頂を踏めて地味にうれしい。
栗子山の山頂からは南に伸びる稜線をたどり、三本松沢左俣に向かうが、ここもまた藪が濃く、方向がわかりにくいのでGPSの力を借りながら進む。三本松沢左俣に入るのに2時間近く藪と奮闘し、魂が抜ける。
稜線の藪漕ぎの途中、一瞬草原に出た
三本松沢左俣は泥で焦茶色の沢水、下りはじめは急でところどころクライムダウンが厳しい滝も出てくる。全く癒されない。三本松沢中俣、右俣が合流し、少し進むと滑谷沢左俣と合流する。滑谷沢左俣の遡行を始めると、再び美しいナメが現れて嬉しい。名前のとおり、美しくて癒される。しかもうっすら晴れてきた。たおやかな沢を進み、大平橋が見えたところで右岸の踏み跡をたどって林道に出る。林道をひたすら歩き、東栗子トンネルの駐車場まで戻った。