剱岳 別山尾根
2023年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
メンバーAM、HY(記録)
日程:2023年9月15日(金)〜9月18日(日)


昭和山岳会に入会したばかりの8年前、大先輩方に北方稜線から剱岳へ連れて行っていただきました。今回は、有名な『カニのたてばい』と『カニのよこばい』を通ってみたく、先輩と一緒に別山尾根から剱岳を目指しました。

9月15日(金)
新宿都庁より23時発の毎日アルペン号バスにて室堂へ出発。シルバーウイーク直前でのバス予約だったが、AMさんが何とか席を確保して下さった。(なぜか私からは席の予約ができず)休憩所立ち寄りの為、2時間ごとの点灯でなかなか寝れず。

9月16日(土)
8:15 予定より1時間ほど遅れて室堂に到着。肩がぶつかりそうなぐらい登山客であふれかえっている。
8:30 準備し、出発。今夜の寝床である剱沢キャンプ場を目指す。

(曇り空。夕方より天候が崩れる可能があるとのこと。雷鳥さんには遭遇できず。)

(雷鳥沢キャンプ場までは緩やかな下りで、とても歩きやすかった。)
9:20 雷鳥沢キャンプ場到着。10分程休憩を取り、別山乗越へと向かう。

(雷鳥沢キャンプ場から別山乗越までの道のりが、急で怠け切っていた脚に応える)
11:35 AMさんをお待たせしながら、なんとか別山乗越に到着。霧が濃くなってきた。ここで15分休憩。

(別山乗越には地図に書かれていないが、お手洗いもあった。)

(別山乗越から剱沢キャンプ場に向かう。切れ間から青空が見えた。)
12:27 剱沢キャンプ場に到着。キャンプ場は広いが、平なところが意外と少なく、やや斜めな場所を整地して今日の寝床を確保する。

(テント受付場。帰りの日、7時ころになるとラジオ体操の音楽が流れていた。ちなみに、ここには売店がなく、ビールを買いたければ剱澤小屋まで往復10分かけて行くしかない。)

(キャンプ場受付での注意書き)
乾杯後、北方稜線の時にN先輩に作って頂いた鍋を参考にし、夕飯はシメジ鍋にした。久しぶりの登山で身体が疲れ切っていたので、この日は早く就寝。

9月17日 日曜日
5:00 早朝3時半に起床し、筋肉痛の身体に活を入れ出発。夜中の暴風雨が嘘のように快晴で、既に光の行列が見える。

(剣山荘の先からすぐに鎖場がでてくる。第1の鎖場は使わなくても登れる。)

(第2の鎖場。ここから徐々に鎖をつかむ頻度があがっていく。)
7:35 前剱に到着。山頂は広く、ここで15分ほど休憩。

(近いようで近くならない剱岳を横目に、落石に気を付け進んでいく。)

(5番目の鎖場。下は切れ落ち、私はここが怖かった。)

(7番目の鎖場を待つ行列ができていた。ここから9番目のカニのたてばいまで3時間待つ、と聞き、ひるむ私。実際には、たてばいのとりつきまで1時間50分だった。)

(念願のカニのたてばい。)
11:10 剱岳山頂へ到着。大混雑で、祠前での撮影にも10分ほど並ぶことに。ここれ30分ほど休憩し、下山開始。

(カニのよこばいでも行列ができていた。)
16:30 剱沢キャンプ場に到着。昨日は歩いて脚がパンパンになり、この日は鎖場で腕がパンパンになりました。この日も疲れ切り早々と就寝しました。900円払って買っていたビールが飲めず、宴会されている方へプレゼントすることに。

9月18日 月曜日
7:10 下山開始。霧がでていました。昨日剱岳に登れてよかった。

(別山乗越までの登り返しがきつかったが、そこから雷鳥沢キャンプ場までの下りの景色が良かった。)

(曇と霧だからか、雷鳥さんに会えた。沢山いて、全部で12羽ぐらいいてびっくり。)
11:50 途中火山ガスで目が痛くなりながらも、無事に室堂に到着。

(黒部ダムが観光放水されていた。)

(赤沢岳の西壁。ここを昔、昭和山岳会会員が冬季に登ったそう。すごい。)

<感想>
今回の剱岳・別山尾根での登山は、かねてより私が行ってみたい、という夢をAMさんが現実にして下さった山行でした。8年前に大先輩方と北方稜線からいったルートとはまた全く別ものでしたが、別山尾根でもガレている場所や浮石が多発している箇所があり、池ノ谷ガリーを思い出して通過しました。鎖場では『落ちたら終わり』と、高度感があるところばかりでしたが、今までの岩トレやバリエーションでの経験のおかげで、『高い』という恐怖に?み込まれることなく、比較的冷静に登れたと思います。ただ、やはり今回も体力の無さが課題として残りました。何度となくAMさんをお待たせしてしまい、反省です。帰路では、利用した黒部ダムの関電トンネルの歴史に興味が湧き、AMさんから教えて頂いた映画、『黒部の太陽』を帰宅後に観ました。そして、『来年は、映画にもでてきた下ノ廊下を歩いてみたい!』と、夢を叶えたばかりなのに、新たに夢ができた山行でした。今回も楽しい時間をありがとうございました!