豆焼沢
2021年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
メンバーDS、YK
期間:2021年7月22日

山行タイム:出会いの丘(0:10)ワサビ沢出合(0:50)ホチの滝(1:15)トオの滝(1:05)豆焼大滝(1:10)両門の滝(1:05)登山道(0:20)雁坂小屋(2:05)出会いの丘

連休頭は元々錫杖に登りに行く予定だったが、7/18-19に登った北岳バットレスの疲労が抜けきっていないということで日帰り沢に転身。

7/21(木)

20:00、八王子集合
21:40、彩甲斐街道 出会いの丘
23:00、就寝

7/22(金)、晴れ時々曇り

4:30、起床
5:00、出会いの丘
慰霊碑のモニュメントがある横の柵を越えてワサビ沢との出合を目指し下る。確認はしていないが、ヘリポート脇の作業道を使ってトウの滝手前まで下流部を巻いて遡行時間短縮することもできるらしい。
5:10、ワサビ沢出合930m
豆焼沢入渓。1番最初に現れた6m滝は左壁から登る。
6:00、ホチの滝(2段25m)
真上に黄色い雁坂大橋が掛かる立派な滝。正面まで行って写真撮影を済ませたら少し戻って右岸のガレ場から巻く。踏跡明瞭、上部トラロープあり。15分程で沢に復帰。
ここからも5m前後の滝がいくつか出てくるが難しいところはない。残置スリングがかかる滝もあったが特に使う必要もなさそうだった。一箇所倒木を跨いで滝を登る場面があった。
7:15-7:25、トウの滝(2段10m)上
少し滑る左壁からあっさり登ってから今のがトウの滝だと気付く。下流部巻道は確認し損ねた。錆びついたワイヤーがあったあたりだろうか。
その先も登れる滝の連続で楽しい。多くは右壁から登った。3:1分岐を左に進み、暫く進むと豆焼大滝のお出ましだ。
8:30-8:40、豆焼大滝(4段50m)
白山書房「東京周辺の沢」の表紙で掲載されているこの沢の象徴的な滝。1段目は傾斜が緩く右壁から登れそうだが2段目が少し難しそう。眼鏡を忘れたので下からだとよく見えないが登るなら右壁からだろう。登る気満々でYKに直登を打診したが、巻きますの即答で終了。少し戻って右岸から巻く。今一つはっきりしない踏み跡だったが、2段目上に出てからの残り2段は直登できた。
9:35-9:50、スダレ状の1個手前の二俣(8×15m)
ビバーク適地。薪もある。その先はプチ両門の滝みたいな二俣だった。
ここで休憩中にYKのソール剥がれに気付く。経年劣化とのこと。ガムテープで応急処置していたが長くはもたなかった。
10:05、両門の滝(スダレ状50m)
左俣からは2段15mのスダレ状、本流右俣は50mのスダレ状の滝が白い水飛沫をあげている。大滝も良かったがナメも最高である。ルート中のハイライトだろう。鼻歌まじりに写真を撮りながら水流を進む。
10:20、1700m二俣
最後まで本谷沿いを詰めてしまうと最後詰めがガレと倒木で歩きづらいとの情報なので途中で右岸の枝沢に進路を切り替え登山道を目指す。記録で見る詰めのルートでは無さそうだが特に問題はなかった。
11:10-11:15、登山道2050m
小屋のすぐ手前に水場あり。小屋の水場はお金がかかるとのことでここで下山用に補給した。
11:35-12:00、雁坂小屋1955m
沢では誰にも会わなかったが、小屋の方曰く、この日に豆焼沢から来たグループは3組目とのこと。どうやら2組共泊まりで入っていたようだ。
雁坂峠2082mがどんなものか気になり、YKを誘ったが断られたので1人で往復することにした。...しかし行って吃驚、何の変哲もない峠だった。ただこれで図らずも日本三大峠は全て踏破。看板によると雁坂峠は日本書紀に出てくる日本最古の峠といわれているらしく、歴史的には色々あるらしいが無知が祟り何も分からない。
雁坂小屋から下り始めてすぐのところに小屋のトイレがあるのだが、何故か登山道がトイレの中を突っ切っており結構臭い。こんな造りの登山道初めてだ。
14:00、豆焼橋
延々続く黒岩尾根を一息で下る。とても足に優しい登山道だがフェルトソールがザレや落ち葉でよく滑り登山道で何度か転びかけた。アプローチシューズを持ってくれば良かった。
14:05、出会いの丘
無事黒岩の精神修行を終え駐車場に帰還。小屋から8.2kmは長かった。
豆焼沢は奥秩父の癒しの名渓と言われるだけあって最後まで面白い沢だった。名の付く滝以外にも10m近い登れる滝が次々現れとても楽しい沢だ。個人的には奥秩父で1番良い沢として太鼓判を押したい。
早い時間は釣り師とトラブルが多いとの触れ込みだったが誰にも会うことなく遡行できた。
登攀具は装備して歩いたがロープは結局一度も使わず。50mロープも豆焼大滝を登るために持ってきたようなものなのに結局登らずじまいとなってしまったのは少し残念である。しかし前々から興味のあった豆焼沢を梅雨明け10日の晴天を有効活用して登ることができて良かった。ありがとうございました。



慰霊碑


最初の6m滝


ホチの滝


倒木から跨いで進む


トウの滝


登れる滝


豆焼大滝


ビバーク適地


プチ両門の滝


両門の滝


両門の滝のナメ


雁坂峠