多摩川水系 入川谷
2020年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
メンバーNN(記録)、TR、NK
期間:2020年8月23日(日)

古里駅8:30…林道終点(入渓点)9:20…布滝沢出合…10:30…速滝11:50…作業道13:40…鳩ノ巣駅15:30

入川谷は奥多摩、多摩川の支流。駅からアクセス可能でありながら、ゴルジュやいくつもの滝を有する本格的な渓谷だ。泊まり沢の予定を悪天候予報のため中止としたが、多少天気がもちそうな土曜日に日帰りの沢を企画した。

スタートはJR青梅線の古里駅から。青梅街道から入川沿いの道を進み、林道終点から入渓。歩き始めてすぐに現れるトバの倉骨のゴルジュには右壁をへつって通過。堰堤を6つほど、右岸から通過すると水が枯れた河原歩きになる。本当に大丈夫かなと不安になりつつ進むとほどなく再び水が現れた。

トバの倉骨を突破するTR

涸沢、本当に水がない

布滝がかかる布滝沢との出合いを過ぎ、作業道を超えるといくつも滝が現れるようになる。5mの外道滝、8mの銚子滝はいずれも右岸を巻く。トラロープがついていたり、ピンクのテープがところどころについていてほっとする。

外道滝5m、右岸から巻いた

銚子滝8m こちらも右岸から巻いた

しばらく進むと、奥多摩の名瀑の一つと言われる速滝が現れた。2段30m、なかなかの迫力。下段は残置ハーケンがあると本に書いてあったが、近くに寄ってみても登れる気配がない。定石どおり柳ガマ沢を少し進み、右岸の岩場に取り付いて巻く。明確な踏み跡がなく登りやすそうなところを進むが、ところどころにトラロープ(ボロボロ)がある。沢床に下りる直前のトラバースがなかなか悪かった。

速滝2段30m、下段は8m

速滝の高巻き、前半は岩場の登り

速滝を巻いたあとも5〜10m程度の小滝が続くが、大半はいい感じに登れるので楽しい。標高900mあたり、登れそうで登れない滝を右から巻いて少し進むと作業道に出た。歩きやすい作業道を川苔山方面に進み、20分ほどで登山道に出て鳩ノ巣駅へ下山した。

10mくらいのナメ滝、楽しく登れる

水量多く、たっぷり水を浴びて登った

前半は堰堤や涸れ沢で単調だが、後半は登れる滝が多く楽しめる。よい沢だった。

● 下山ルートについて
登山地図や地形図に掲載はないが、作業道がある。入川谷では、標高550mあたりと900mあたりで作業道を横切る。900m付近の作業道を西方向に進むと、川苔山から鳩ノ巣へ向かう登山道に出ることができる。東方面に進むと、布滝沢を横切り、入川谷の550m地点に出られるようだ。入川谷を遡行し下山する場合、車で来ている人は沢の下降を交えて入渓地点に戻る場合が多いようだ。電車利用の場合は登山道経由で鳩ノ巣へ下山が容易だと思う。