南八甲田 奥入瀬水系 黄瀬川
2020年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
メンバーDS、NK、ST、SM、NN(記録)、他1名(S君)
期間:2020年8月10日〜11日

夏休み、東北の沢へ。
黄瀬川は、連続するナメや淵が楽しめる八甲田山の沢。もと会員のS君おすすめの素敵な沢を訪れた。ガイドブックによれば「キレイなナメ、淵、滝がこれでもかと続き、静寂の黄瀬沼につきあげる素晴らしい沢」という。

8月10日(曇り時々晴れ)
黄瀬駐車場7:00…松見の滝上(入渓点)10:20…長根沢出合14:30

前夜に道の駅おいらせに集合し、軽く入山祝い。広くて快適な道の駅だった。

5:00頃に道の駅を出発。2台の車のうち1台を下山地の猿倉温泉に置き、黄瀬川林道入口からスタート。2時間半ほどで松見の滝入口へ。滝入口の少し手前で沢装備となり、枝沢を下降して松見の滝上で入渓。曇り空でときどき青空が広がる。アブはいるが思ったより多くない。

快適な林道歩き

河原歩きから始まってほどなく、淵やナメが連続する。登れる小滝、青みがかった水が美しい淵。へつりも楽しい。どの淵もやや深く、ところどころで腰あたりまで水に浸かるが、気温が高いので寒くない。

河原をどんどん進む。水量が多めかも

深い釜を持った4m滝。微妙に足がつかないへつりで右壁に取り付く

長根沢出合で行動終了。高台の快適な広場に寝床をしつらえ、水辺で焚き火宴会を楽しんだ。

8月11日(曇りのち雨)
長根沢出合6:40…黄瀬松島9:30…黄瀬沼13:00…地獄峠15:00…猿倉温泉18:20

4時起床、朝食をとり、ゆっくり仕度をして6:40出発。
ここからも小滝や淵、ゴルジュが連続。足のつかない淵をへつって取り付く滝があったり、ところどころでロープを出しながら進む。ときどき晴れ間も見え、水面がキラキラ光って美しい。途中で現れる巨大な柱状摂理の岩壁が見事。

深い釜を持った4m滝。微妙に悪い

エメラルドグリーンのゴルジュが美しい

柱状摂理の岩壁

自然の景観でありながら岩と緑、水の景観が日本庭園のように見えなくもない黄瀬松島で一息。その先も美しいナメ滝やゴルジュ、淵、次々に現れる。

黄瀬松島。この先に美しいナメ滝が続いていた

ゴルジュを抜け、1000m付近の二俣で黄瀬沼への枝沢へ。ほどなく薮が密集してくるが、水流は最後まで多かった。薮をかきわけて進んでいくと黄瀬沼に到着。広々とした草原と沼の景色が美しい。湿原の花も咲いていた。

黄瀬沼。ガスガスだったが美しい湿原

黄瀬沼から地獄峠への道は、一応「登山道」となっているが、整備されておらず、笹と灌木が生い茂っている。明確な踏み跡があり、随所にピンクのテープがつけられ、ところどころで笹が束ねて縛ってあるので、通常のやぶこぎに比べればずっとラク。とはいえそれなりに距離が長く消耗する。

地獄峠からは薮が刈り払いされて明確な登山道…ではあるが、ぬかるみも多く、沢靴で歩いて正解。長い行程にヨレヨレしながらなんとか歩き、ゴールの猿倉温泉登山口に到着した。

この日は酸ヶ湯キャンプ場に移動して幕営の予定だったが、時間もだいぶ遅く、猿倉温泉の登山口にもよいスペースがあったので、こちらで幕営することにした。DSとNNは翌日も日帰り沢、他メンバーは遠距離移動で帰京となるので、ちょっとだけ宴会をして、あっという間に就寝。

天気に恵まれ、メンバーにも恵まれ、美しく、規模の大きい東北の沢を満喫することができた。前評判どおり、小滝や淵、ゴルジュ、ナメ、沢のさまざまな良さが詰まった、すばらしい沢だった。山行を企画してくれたS君には感謝しかない。なかなか訪れる機会がない東北の沢、今後も機会を見つけて楽しみたいと思う。