乾徳山旗立岩 中央稜&第一岩稜
2020年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
メンバーNN、DS
期間:2020年8月6日(木)

コースタイム:大平牧場先(1:40)懸垂支点(1:00)中央稜取付(1:10)中央稜終了点(0:05)第一岩稜取付(0:15)乾徳山(1:40)乾徳山登山口バス停

久しぶりに外岩へ行こうということでプチアルパイン系の乾徳山でマルチピッチルートを計画。蓋を開けてみればお手軽ながらも色々な要素が盛り込まれた気持ちの良いルートで十分楽しめた。

8/6(木)、晴れ
8:12、塩山駅集合
タクシーで大平牧場先まで(林道と登山道が合流する1390m付近)。牧場の駐車場より先のダートの林道まで入ってもらった。

9:00、乾徳山登山口

10:00-10:05、扇平

木が無くなると途端に直射日光で暑い。気温約32℃。
せっかくなので月見岩を後ろから登って記念撮影。
手洗岩はただ岩の窪みに水が溜まっているだけで手を洗う気にはなれない。

10:40-11:00、懸垂支点
扇平から登山道を登って一番最初に左側が開けたところから登山道を外れてアプローチ。展望台のようになっており小さなケルンもある。
懸垂支点の場所を確認して登攀具の身支度をし懸垂下降開始。
懸垂下降は50m2本で繋いで2回に分けて行った。
1回目(約25m)、狭いチムニーの間を通過して左壁の懸垂支点まで。記録によっては50m1回で下りれるところまで下りてクライムダウンしたという記載もあったが、浮石の多さと進行方向の屈曲により念のため切ることにした。
2回目(約50m)、浮石が非常に多い場所を慎重に下る。慎重に下っても落石するので先行パーティーがいる時は間隔を開けた方がいい。今回は周りに誰もいなかった。
懸垂で下りきった場所から右(北側)へトラバース。踏み跡は不明瞭なので様子を見ながら進む。時々目的の岩壁が木々の間から見えるのでそれを頼りに概ねの方向を決めて行くが、少し迷ったため時間がかかった。下り過ぎないように注意。最後は岩の詰まったルンゼを目指して登り取り付きへ。

12:00-12:10、中央稜取り付き
中央稜は全3P。第3ピナクルまであり、概ね各ピナクル毎に切った。奇数ピッチDS、偶数ピッチNNリード。
1P目(5.6、30m)、ルンゼから右のリッジに上がり小ハングを右に越えて続くリッジを第1ピナクルまで。一応ハング越えが核心ということになる。岩は選べば比較的安定していた。ビレイ用の終了点は特に無いのでカムと岩角で作った。簡単なのでどこでも登れる。ルート全体に言えることだが、途中の支点は信用ならないハーケンが多いので注意。
2P目(V、40m)、緩傾斜のリッジからフェース。目の前に聳え立つ岩峰、第2ピナクルまで。同じく終了点はないので岩角で支点構築。風が気持ち良い。展望も良いので随所で写真を撮り合う。
3P目(V、20m)、緩傾斜のリッジからフェース。第3ピナクルに終了点用のぺツルボルト2本が打ってあったが、通過してすぐ先の登山道までロープを伸ばし雨乞岩の看板の先の岩でビレイ。

13:20-13:30、中央稜終了点
山頂に向かって第一岩稜を登っているパーティーが見えていい感じ。
一旦ロープとクライミングシューズを片して登山道を少し進むとまた左側が開けた休憩スペースになっている。そこを突っ切ってトラバースして少し登って第一岩稜取り付きへ。

13:35-13:45、第一岩稜取り付き
4P目(V、40m)、ルートはかなり選べる。快適にロープを伸ばす。取り付きにはハーケンが2本、目印のように打ってあった。トポではこの下にも1P登れるルートがある記載だったが、取り付き付近は浮石も多くあまり登れそうには見えなかった。

14:00-14:40、乾徳山(2031m)
プチ継続登攀で無事乾徳山登頂。
夏空で晴れてはいるが遠くはモヤがかかっており残念ながら富士山までは見渡せない。
せっかくなので山頂から迂回路を下り鳳岩を登ってから下山開始した。

15:00、扇平
往路とはルートを変えて国師ヶ原から錦晶水経由で下山。
錦晶水は飲みやすい仕様になっていたが、銀晶水はただ登山道が水浸しになっているだけだった。

16:00、登山道入口(988m)
山頂からコースタイムの半分で行けば16:08のバスに間に合うかなと若干の希望を抱え休憩も取らず駆け下りてきたが、登山口から約1.7kmのバス停までの車道が思いの外長くタイムアップ。

16:20、乾徳山登山口バス停
トイレが少し離れたところにある。

16:51-17:23、市営バスで山梨市駅まで。(400円)

懸垂ポイントから。スカイラインが中央稜


懸垂1回目


懸垂2回目


中央稜取り付き


中央稜1P目


中央稜2P目


2P終了点より中央稜3P目


第一岩稜