会越室谷川駒倉沢遡行−駒形山稜線乗越-西の沢下降−室谷
2018年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
メンバーND、他1名(IDさん)
期間:2018年6月23日〜24日

 今回は、過去に記録のない室谷川駒倉沢と西の沢を結ぶルートに遡行及びクライムダウンで挑んだ。

22日
夜、川越ICから関越自動車道−磐越自動車道を乗り継ぎ津川ICで一般道に降りた。この日の目的地である阿賀町の大久蔵沢出合手前の林道へと向かう。途中最終コンビニのファミマで朝食等を買い、本日のテン場となる林道脇の駐車スペースに車を駐車し、IDさんが持参したポップテントであっという間に寝床を作り安着祝い。

23日
5時40に起床し、支度を整えていると我々の居る位置から30メートルほど下にある駐車スペースに車を乗り入れ、沢の支度を整えるパーティを発見。
我々も支度を整え朝食と取っていると男性3名、女性1名のパーティが我々の近くを通過し、彼らと挨拶を交わし、彼らに今日のルートを訊ねると我々と同じ駒倉沢とのこと。しかし、彼らは沢を詰め倉谷山の稜線を乗越、倉谷沢へと下降する計画だという。
その後、先行パーティと30分ほど時間を空け我々も7時25分出発し、大久蔵沢出合から入渓した。広い河原に澄んだ瀞が続く。深いところではエメラルドグリーンと言うより、若竹色に近い色の水がゆっくりと流れている。水はとても澄んでいた。7時55分駒倉沢出合に到着
ほどなくゴルジュ帯の入口付近で太い流木が岩をテコで持ち上げるかのように大きな岩に挟まりシンボルチックに立っていた。

いくつものゴルジュをヘツリながら先へ進むと沢の水が冷たくなってきた。更に空気もひんやり。この時期としては当然だろうがゴルジュ帯を雪渓がびっしりと埋め尽くしていた。その先に先行のパーティがロープを出して雪渓を登っているのが見えた。また、そのパーティの背後には、地図で確認していた三股の沢筋のスラブ帯が見える。下から見るとスラブが立っているように見えた。雪渓の途中で先行パーティと一緒になり、同じ場所で一本立てた。話をしていると東京のTMの風さんのパーティだった。

休憩もそここそにスラブ帯を進む。スラブ帯の右端に小枝ほどの草付が上まで繋がっていたので草付を利用しようと右端に寄って小枝をつかんだが草付は、泥に根を這わしていて足元のフリクションが全く効かない。草付を諦め慎重にスラブのわずかな凹凸に足をかけ進む。スラブ帯のテラスでTMさん達に追いつき一緒に休憩をした後、ここは先を行かせてもらい我々は先へと進む。9時18分、三股分岐点辺りに到達し、GPSで自分たちの現在位置を再度確認して、一番右側の沢を詰めていく。沢は直ぐに涸れ藪漕ぎになるが苦になるほど藪は濃くない。11時15分には尾根に出た。12時ちょうどに1005を踏んで13時7分西の沢へ下降開始
テン場予定地の700m付近は雪渓で埋まっており、この雪渓も不安定な状態なので更に下降することにした。670m付近に何とかテン場にできそうなスペースを見つけ木を切り倒し整地して16時2分、本日の行動を終了した。

薪を集め焚火タイムとなるのだが、IDさんは、沢飯で定番のイワナの塩焼きではなく肉系なのである。沢での非日常を楽しむため、ステーキ、ホルモン、ソーセージと沢では滅多に口にしない上物の肉系を持参していた。ご相伴にあずかる。「旨い!」この肉で夜は更けていった。

24日
6時に起床して焚火を起こし、しっかりと朝食をとる。なんといっても今回はクライムダウンの方が厳しいため、下降には7時間の時間を取っている。
0730テン場を出発し、0910の本流出合までの1時間40分間に25〜30mの滝を2本懸垂下降し、10m以下の懸垂下降を4本行いクライムダウンした。

その間、この沢は写真や文書では表現できないほど美しく、明るい素晴らしい沢の連続だった。是非、行ってもらいたい沢だ。
1245駒形沢出合で難しい懸垂下降が1回、そしてここからが、この美しい沢のクライマックスである函の泳ぎがある。函と言ってもゴルジュ帯の流れはほとんど無く瀞なので泳いでもなかなか進まない。

場所によっては渦を巻き逆流しているところもある。ここは荷物を背負い必死に泳がなければ岸にはつけない。

そんな瀞を我々は、どうしても泳がなければならないところだけを5回ほど泳ぎあとは、へつったり、高巻いたりした。なんとも素晴らしい沢だった。

1311駒倉沢出合
1333大久蔵沢出合
1345駐車場