泉水谷・小室川谷
2013年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
メンバー:CL 錦織、佐々木、西野(記録)
日程:2013年7月27〜28日

7月末の週末、笹穴沢に行く計画を立てていた。ところが、週末の谷川方面の天気予報は悪くなる一方。今年に入ってから計画をしては悪天候でつぶれていた小室川谷に転戦をすることにした。

7月27日(曇りのちゲリラ豪雨)
三条新橋ゲート9:30…小室川谷出合11:45…松尾沢出合14:00…中丿沢出合16:00(幕営)
 朝8:30に奥多摩駅集合。佐々木車で三条新橋ゲートまで向かう。ゲート前には10台以上停められる程度の駐車スペースがあり、かなりたくさん車が停まっていたが、大半が釣り師の車だったようだ。小室川谷出合までは舗装道路歩き。30分ほどで着くかと思いきや、全然着かない。1時間近く歩いたところでどうもおかしいと気づき、GPSで確認をしてみると、大黒茂谷出合近くまで来てしまっていた。来た道を戻り、「小室向」の道標から踏み跡をたどり出合へ向かう。道標は非常に明確だったが、あまりに快調にとばして歩き過ぎたらしい。
 はじめは単調な河原歩きだが、徐々に小滝が現れる。ところどころ残置ロープがつけられている。残置ロープのあるところはおおむね悪く、ロープを出して登った。松尾沢出合手前のS字峡は、右岸を巻いて懸垂で沢に下りた。4m滝が2つ落ちる石門の滝は、左壁に残置ロープが長く垂れ下がっている。ロープを出して登ったが、登りはじめが非常に悪く一同苦戦。なんとか登れてほっとする。その奥、小室の淵は一気に右岸を巻いた。小室の淵を通過するとほどなく中丿沢出合。少し先に進み、右岸に広いビバーク適地があり、ここで泊まることにした。
 行動終了し、ザックを置いたところで雨が振り出し、一瞬の間に土砂降りになった。ずぶぬれになりながらツェルトを張り、焚き火の準備。西野が持参した「なんちゃってタープ」が功を奏し、土砂降りの雨でもタープの下で雨を避けて焚き火で宴会ができた。土砂降りの雨は結局2時間ほど降っていた。

7月28日(曇り時々晴れ)
中丿沢出合7:00…蛇抜沢出合10:00…登山道13:30…福ちゃん荘14:30
 雨による増水が心配されたが、朝には平水になっていた。5時過ぎに起き、ゆっくり準備をして出発。この先も素敵な小滝やナメが連続して心地よい。滝は直登できるものもあり、巻く場合はわりと明瞭な巻き道がついている。ところどころでロープを出して登ったり、懸垂したり。ロープを使うほどではないが、コケがぬめって不安な滝もいくつかあった(個人の感想ですが…)。
 この沢のハイライトは4段40mのナメ滝。1、2段目は簡単に登り、3段目は左岸から巻く。4段目は左岸を登るが、滑って悪そうなのでロープを出した。残置スリングやロープが張られていたが頼りない。滝をいくつも登りつつ進み、蛇抜沢出合に到着。ここもビバーク適地。しかも薪になりそうな流木がとても多かった。ここでやや長めの休憩にし、ブランチで素麺を食べる。
 蛇抜沢出合から先は倒木が多くなり、水量も減る。それでも時折現れる苔むした小滝が、陽の光に映えてきれいで嬉しい。多段12mの滝などもあるが、難しいところはない。1900m付近、水流がなくなったところで、左岸に薄い踏み跡が現れた。沢を詰めていくこともできるが、どんどん倒木がうるさくなっていく感じだったので、踏み跡をたどっていくことにする。低い笹薮の茂る斜面をひたすら登っていくと、20分ほどで登山道に飛び出した。
 泉水谷林道を歩いて三条新橋ゲートまで戻る予定だったが、ここまででかなり時間を費やしていたので、唐松尾根を下り、福ちゃん荘からタクシーを利用することにした。幸い稜線で携帯がつながり、タクシーの手配ができた。黙々と1時間登山道を歩き、福ちゃん荘に到着したのだった。
 帰りは道の駅たばやまの日帰り温泉「のめこい湯」で一風呂。肌がすべすべになるいい温泉を満喫して、帰途についた。

はじめに現れる7m滝。残置ロープあり

S字峡はじめの滝は右岸から巻いて5m懸垂で下りた

胸まで浸かって淵を突破

石門の滝。残置ロープがあったがかなり悪かった

4段40mのナメ滝

蛇抜沢を過ぎると苔むした滝が綺麗

まもなく登山道