吾妻連峰・大滝沢
2012年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
メンバー:西野(記録)、錦織、佐々木夫妻、牛山、久留島、御手洗
日程:2012年8月4日

滑川温泉8:00…大滝沢出合8:10…滑川大滝9:00…登山道13:30(30分休憩)…滑川温泉15:00

「前夜発日帰りで行けて、本当に美しくて楽しい東北の沢」の話を、沢ヤの知人から聞いた。検索をしてみたら、本当にステキな沢のようで、暑い夏の日にぜひ訪れたいと思った。

前日夜に都内各所を出発し、JR奥羽本線峠駅に着いたのは2:30頃。トンネル状になったところに車を停め、軽く入山祝の宴をして就寝。翌日は7時過ぎに起床し、身支度を整えてから車で滑川温泉に向かう。宿に向かう路肩に何カ所か駐車スペースがあった。

滑川温泉から少し来た道を戻り、滑川橋を渡るとすぐに入渓。踏み跡もあり、さっくりと沢に入ることができる。少し歩くとすぐに2段15mの滝。下段は左側をへつって進み、上段は少しいやらしいスラブ。下段を登ったところに10人以上の団体がいたが、先に行かせてもらう。

ナメ、きれいな釜が連続する。ところどころでウォータースライダーを楽しんだり、釜を泳いだりする。天気がよく気温が高いので、水に濡れても快適だ。あまりにも明るく美しく、テンション上がりまくり。入渓から1時間ほどで、120mの滑川大滝に到着、大きく美しい滝に見とれてしまう。この滝は右岸に巻き道がある。傾斜はきついが明確な踏み跡があり、木々の枝や根などがしっかりしているので、非常に登りやすいしロープも不要。

その後もナメ、滝、釜が次々に現れ、まったく飽きることがない。へつったり、泳いだり、気持ちよ過ぎて笑ってしまう。途中、幅広の滝(ナイアガラの滝)でハーネスをつける。右側に巻き道があるが、あえて右側の水流を登る。牛山さんがトップで登り、後続を引き上げてくれた。丸太が置いてあって、一応登れた。不思議な形をしたヒョングリの滝は右岸に明瞭な巻き道があるが、久留島さんが中段から左壁をトラバースするように登った。中間支点がはじめのほうにひとつしかなく、さらに落ち口の岩がもろくてドキドキした。

楽しい滝と釜の連続から、大きな岩がゴロゴロと転がるゴーロ帯へ。終わりが近づいていてちょっと寂しくなってくる。奥の二俣を左に進み、しばらく歩くとあっけなく稜線に出た。沢と登山道が交差しており、詰め時間5秒以下。沢の水で沢靴などを洗い、軽く休憩し、あとはひたすら滑川温泉に向けて下山。廃線の跡があったり、朽ちたトロッコ?があったりして面白い。1時間半ほどで下山し、滑川温泉へ。なめらかで肌がすべすべになる硫黄泉だったが、内湯はとにかく熱く、少ししか入れなかったのは残念。男子チームは外の混浴露天風呂に入って(某氏は沢にも飛び込んだらしい)温泉を満喫したらしい。

このあと4時間かけて帰京するには、疲れているし渋滞もあるだろう…ということで、もう1泊することにした。米沢まで出て米沢牛などを味わい、広い公園の噴水脇で宴会、野宿。翌日は仕事に備えて早めに帰宅する者、まっすぐ帰途につく者、会津方面に観光に行く者など、それぞれに帰京した。

大滝沢は予想通り、いや予想以上に楽しい沢だった。景色の美しさ、水遊びの楽しさ、沢を楽しいと思うすべての要素が揃っている。今回は滝を登るのに2回ロープを出したが、どちらもしっかりした巻き道があり、出さずに済ませることもできただろう。敢えて文句を言うなら、短すぎることぐらい。アクセスに片道4時間以上という距離の長さを差し引いても、訪れたい滝だった。