北アルプス後立山連峰
2012年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
ルート:白馬大雪渓〜白馬山荘〜天狗岳〜キレット〜唐松岳〜五竜岳〜八峰キレット〜鹿島槍ヶ岳〜冷池〜爺が岳〜種池山荘〜岩小屋沢岳〜スバリ岳〜針ノ木岳〜扇沢
メンバー:錦織
日程:2012年7月21日〜25日

記録
一昨年、中島さんと白馬から北へ向かって栂海新道を歩いたが、今年は白馬から南へ稜線上を歩いてみることにした。鹿島槍ヶ岳付近は何度か雪のある時期に歩いているが、唐松〜五竜付近は全く歩いたことがなく今回初めて歩いてみた。

H24.7.21
白馬=猿倉8:00〜白馬大雪渓〜白馬山荘14:00
JRムーンライト信州号の指定は予約完売で手に入らず、夜行バスで白馬に到着。さらにバスで猿倉へ。猿倉では最近の傾向であろうかガイド登山と思しきパーティが目についた。山行計画を提出すると、3日目の唐松から冷池までが時間が掛かるので、状況によって前日の行動を五竜まで伸ばすことを進められる。天気は良くも悪くもないが稜線上は雲の中。初日で荷が重いが雪渓上は歩きやすく快調に飛ばす。雪渓の終了点から雨が降り出した。山荘までの最後の詰めがつらく、やっとの思いでたどり着き早々にテントを張って一人入山祝。テント場には30張ほどのテントが立ち、雨は4時過ぎにはあがった。

H24.7.22
白馬山荘5:00〜天狗山荘8:30〜キレット10;30〜唐松山荘14:00
夜行の疲れと入山祝のしすぎで前日何時ごろ寝たのか夕食を食べたのか記憶がない。早々に支度をして歩き始める。天気はくもり。立山・剣は雲の中、寒いくらいで雨具を着て歩く。杓子岳・鑓ヶ岳はガスの中。昭和山岳会の二年会員の冬合宿に小野寺さんたちと祖母谷温泉から中背尾根をあがり、鑓ヶ岳から白馬岳へ登ったことを思い出す。天狗の頭を越え、不帰嶮はガスの中を登って下るだけで面白みがない。唐松岳山荘へ到着。五竜山荘まで足を伸ばそうかと考えるが時間もかかっており、今日はここまでにしてキャンプ場の手続きをする。

H24.7.23
唐松山荘5:00〜五竜8:40〜八峰キレット12:50〜吊尾根14:50〜鹿島槍ヶ岳15:30〜冷池山荘17:20
雲海上に朝日が昇るのを見られた。昨日よりは回復しているようだが立山方面は夏山のスッキリした天気には遠い。唐松岳からきれいに見えていた五竜岳も登るにしたがってガスに遮られ、五竜からのG4・G5もガスの切れ間に少し見えるだけで迫力がない。ハシゴやクサリを上り下りしキレット小屋に着いたのは13時近くになっており、冷池山荘までの長い時間が思いやられる。重い腰を揚げ、急なハシゴとクサリを鹿島槍ヶ岳へ向かって登ること2時間半さらに冷池へ2時間もかかってしまった。バテバテでキャンプ場に到着。水とビールを求めて冷池山荘へ向かうが結構距離があり疲れた体にこたえる。先週の沢登りで、12時間超の行動はもうしない!と思っていたのだが・・

H24.7.24
冷池山荘5:45〜種池山荘8:00〜新越山荘10:30〜スバリ岳15:10〜針ノ木小屋17:20
天気は、歩き始めはガスの中であったが爺が岳を下るころからだいぶ回復し、立山・剣も見え、遠く槍ヶ岳も見えるようになってきた。大部分の登山者は種池山荘から柏原新道を下り扇沢へ下ってゆくようだ。岩小屋沢岳の山頂はまたもガスにまかれて見えない。熊出没の話が出ており、ルート上にも熊のものと思しきフンを発見。出会わないことを祈りつつ歩く。稜線上の東側は暑いが、西側の黒部側から涼しい風が吹き上げてきて助かる。赤沢岳の下りはルートが倒壊してザレていていやな処だ。スバリ岳までも上り下りが全般的に急な上にザレていて疲れる。今を去ること40年ほど前、新人会員のころ冬合宿の十字峡横断が直前で中止になり、重い機材をかついで鹿島槍ヶ岳から蓮華岳を縦走し扇沢に降りたことを思い出す。当時は20代前半で体力もあったが、よく歩けたなア〜と感慨深い。長い縦走の最後の登り針ノ木岳を登ると時間は16時を過ぎてしまった。針ノ木峠の小屋には1時間ほどで到着。テントを張り、ビールで打ち上げ。夕食も面倒になり行動食を夕飯代わりにして暮れゆく槍ヶ岳を望みながら最後のウイスキーで締めくくりをする。

H24.7.25
針ノ木小屋6:20〜扇沢9:50
ゆっくり起きて針ノ木小屋を後にする。しばらくは丸太で整備されたルートを下り、以後は雪渓を快調に下る。狙って計画したわけではないが、白馬大雪渓を登って最後に針ノ木大雪渓を下ることになり、アルプス三大雪渓の内二つを繋ぐことになった。天気は良くなかったが、結果的にはジリジリ焼かれるより歩き易くてかえって良かった。大沢小屋を経由して見慣れた扇沢へ到着。出発直前のバスに乗り込み大町温泉郷へ向かった。
(錦織:記)