谷川岳一ノ倉沢烏帽子奥壁変形チムニー、南稜
2012年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
メンバー:牛山、植田(変形チムニー)、西野、御手洗(南稜)
日程:2012年6月30日

29日夜土合駅に入る。混んでいたが、ホームに出て寝ようと思ったら改札口が封鎖されていた。30日は午後5時でロープウェイ駅より先がマイカー規制となるため、一の倉出合まで車で入れる最後の日。天気も良さそうなので、混むだろうと予想して、早立ちすることにした。
30日朝4時土合駅発、一の倉出合に車で移動。

(変形チムニーパーティー)
4:30一の倉沢出合…5:30中央稜取付…5:55変形チムニー登攀開始…終了点11:00…12:00南稜終了点…12:15南稜テラス…14:40一の倉沢出合

4時半に4人で出合から歩き始める。雪渓は多め。テールリッジ下部岸壁を越えるところまでは一緒に行動。西野パーティーより少し早めに取り付きに着いて準備。取り付きは分かりにくかったが、ビレイ点があって、上が階段状になっているところから取り付く。
奇数ピッチ牛山、偶数ピッチ植田。1ピッチ目、2ピッチ目、簡単な岩場だがピンがほとんどない。3ピッチ目、傾斜が落ちて変形チムニーが見えるが、これを違うクラックだと勘違いして、すぐ下にビレイ点が二つもあったのに途中まで変形チムニーを登ってしまった。しかもロープが足りず途中でピッチを切る。4ピッチ目、続きを植田が登る。変形チムニーは濡れていた。一生乾くことがないのではないか(植田君談)。 変形チムニーを越えた後右にトラバースするところを間違えて上に登ってしまう。5ピッチ目、右に10m程トラバースして本来のルードに戻る。中央カンテを登る3人パーティーが登るのを待つ。6ピッチ目、クラックを越えてフェース。7ピッチ目、脆いフェース。8ピッチ目、核心ピッチ。最初のV級のフェースは植田がついスリングを掴んでしまい、悔しがる。その上のクラック横のフェースも難しい。4畳半テラスまで。テラスはもう1畳くらいしかない(植田君談)。9ピッチ目、凹角から草混じり50m。10ピッチ目、さらに伸ばして終了点へ。しかし、植田が行き過ぎて10mくらい上まで行っていたので下りてもらった。11時、5時間、まあまあかな。
西野パーティーを追いかけて南稜側に懸垂下降。最初の下降は空中懸垂。笹薮を歩いて南稜終了点へ。ここで無線交信。西野パーティーは既に南稜テラスとのこと。誰もいない6ルンゼをどんどん下り、1時間15分で南稜テラスに着いた。しばし休んで1時間くらいで一の倉出合に下り、西野御手洗と再開。

(南稜パーティー)
4:30一の倉沢出合…4:50テールリッジ取付…5:50南稜テラス(6:20スタート)…終了点9:00(10:20出発)…12:00南稜テラス(12:30出発)…14:00一の倉沢出合

変形チムニーを登る牛山・植田組と別れ、南稜テラスに向かう。中央稜取付から烏帽子スラブを進む。道が分かりづらく、ルートファインディングに少し手間取るがなんとか南稜テラスに到着。先行2パーティーに続いて登り始める。
今回、偶数ピッチは西野、奇数ピッチは御手洗がリードで登った。1ピッチ目のチムニーには、核心部分にきれいなお助けスリングがつけられていた。最終7ピッチの垂壁、いつも濡れている核心部分は今回しっかり乾いていて、フリーで越えることができた。天気に恵まれ、気持ちよい登攀だった。
下山は6ルンゼを経由して来た道を戻る形で懸垂で下りた。全部で4ピッチの懸垂、下りる方向で少し戸惑うこともあったが、なんとかふたりで協力しながら南稜テラスまで下ることができた。デポした靴などを回収し、ゆっくりと下山。
今回は無線の練習もしようと決めていたので、一応偶数時の0分に交信を試みた。10時と12時は交信成功。お互いの位置を確認できたのでよかった。