奥秩父・ヌク沢左俣
2012年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
メンバー:久留島、植田、西野、他1名
日程:2012年6月10日

ヌク沢は、6年ほど前、沢を始めて間もないときに一度訪れている。そのときは、途中で分岐をひとつ間違え、名物である「幻の大滝」に出会うことなく稜線に出てしまった。それ以来「間違えずに詰めて大滝を登りたい」とずっと思い続けてきた。6年越しの片思いが実るチャンスがようやく訪れた。

西沢渓谷入口5:40…近丸新道との合流点(入渓点)6:20…終了点10:40…戸渡尾根登山道11:00(11:20出発)…西沢渓谷入口13:30

前日、車で道の駅みとみまで入った。広く、きれいなトイレもあり、格好の前泊地だ。
翌朝4:30起床、西沢渓谷入口駐車場に移動し、スタート。快適な遊歩道をしばらく進み、看板に従い近丸新道に入る。急登をハイペースで歩き、近丸新道とヌク沢の合流点から入渓する。なぜか霧雨が降り出した。

いきなり堰堤が現れ、左岸を巻くようにして越える。かなり歩かれているらしく道らしきものはできているのだが、足場の悪い急な登りとトラバースが苦手でへこむ。少し進むとまた堰堤。こえてもこえてもまた堰堤。そのたびに急な登りとトラバースを繰り返し、だんだん体力を消耗していく。とはいえ水は適度に冷たく心地よく、見上げれば新緑が美しい。ときどきナメ床、ナメ滝がきれい。

前回間違えたらしい、奥の二俣は正しく右沢を進む。ナメ滝をいくつか越えてさらに進むうちに、大きな滝が目の前に現れた。ここでハーネスをつける。たぶんそれほど難しくない滝なのだろうが、異様にぬめるのでホールド・スタンスともに自信が持てず、終始おどおどしながらの登攀となった(登るのに時間がかかってしまい、待たせた皆様すみませぬ)。3ピッチ登ったところで左岸を高巻き。再び沢に出て、ナメ滝をひとつ越えるとほどなく終了。ここから登れと言わんばかりにピンク色のテープが右岸の木についていた。

苔むした樹林帯をひたすら詰め上がり、戸渡尾根に出る。その後はひたすら登山道を急ぎ足で下り、下山。徳ちゃん新道を下ったが、シャクナゲやミツバツツジの花が見ごろを迎えてきれいだった。下山後は「ほったらかし温泉」に足を伸ばし、眺めのよい露天風呂を満喫して帰途についた。