苗場山、サゴイ沢・熊の沢
2011年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
メンバー:久留島、長坂、植田、田仲
日程:2011年8月5〜9日

20歳の夏合宿は7月に剣の岩1週間、8月に北海道クワウンナイ川〜トムラウシ川上流定着〜富良野岳縦走2週間というものだった。トムラウシ川のベースには地獄谷という温泉があって、毎日午前中は沢に登り、午後は温泉に入るという生活が楽しく、またどこかでそのような山行がしたいと思っていた。8年前くらいからその対象として苗場は頭にあったが、合宿としてはややスケールが小さいことから実行に移すことはなかった。しかし、去年から会に新人がたくさん入り、新人のレベルアップに面白い山域として自分の中で、苗場が再浮上。僕以外、新人ばかり3人というのがやや不安だったが、ここならギリギリ行けるかなと思い決行した。

8月5日(金)晴

朝東京を出て、18切符とタクシーで赤湯林道ゲート。徒歩2時間で赤湯温泉山口館手前にテントを張り、温泉と焚き火と焼き肉で夜をすごす。

8月6日(土)曇り    サゴイ沢

5:30 テン場の目の前から沢に入る。5m滝を右から巻き、懸垂30m。
7:00 登山道の橋をくぐる。
7:30 五重の滝。右の岩を一段登るとトラロープがあり、簡単に巻けた。
8:30 8m滝。右のガレから巻く。久留島が先に登り、ロープ30mFix。思いっきり掴むとちぎれるか弱いブッシュと滑る足場で、ルート中1番悪かった。懸垂30m。
10:30 8m滝上。続くゴルジュの連瀑帯を左から巻き、懸垂10m。ここは簡単。
12:00 その上は明るく簡単な滝が続く。やがて、上部ゴルジュ帯に入るが、見た目よりも直登できる滝が多く楽しい。
15:00 1600m付近二俣。左へ。1時間ほど本流をつめ藪になった所で、左の登山道を目指す。背丈の倍の笹藪1時間半。
17:30 登山道。初心者2人が完全にバテてしまったのと、道を少し間違えたのとでコースタイムの倍かけて下山。赤倉山からの道は荒れていて、登山道というよりは廃道と思っていった方がいい。途中、生のフクロウが見れて感動した。
23:30 赤湯着。温泉入って極楽。

8月7日(日) 晴のち雨

休養日。朝風呂したり、洗濯したり、人生ゲームしたり。

8月8日(金) 晴     熊の沢

4:00 テン場発。今日は橋の所まで登山道を使い時間を稼ぐ。
4:30 入渓。
5:45 サゴイ沢、熊の沢の二俣。
6:30 2段15m滝。サゴイ沢との中間尾根まであがり、高巻く。踏み跡あり。
7:45 1300m。きれいなナメが続く。
9:00 30m大滝下。日がちょうど射して、気持ちいいので大休止。途中のテラスまでは傾斜もゆるく水流右の乾いた岩を快適なクライミング。テラスからはロープをだして、右のブッシュで支点を取りながら登る。傾斜は強いが、しっかりした木が多いので、不安はない。
10:40 50m大滝下。下の7m滝を巻いて、大滝手前で休もうと思っていたら、そのまま上に押し上げられ休むタイミングを失う。急な草つき30m左上(ロープ使用)で、藪に突入。垂直木登り20mで落ち口にぴったりでる。
13:00 50m大滝上。わずかに残るスノーブリッジを越えると、ビバーク適地が点在。稜線も見える眺めの良い所。
14:00 奥の二俣。右へ。水線をたどっていく。藪漕ぎはほんのわずかの距離だが、慣れていないパーティーなので時間がかかる。
17:00 1910m付近登山道。バテた2人は下山。元気な2人は苗場山山頂往復後下山。途中から大雨になる。
19:30 赤湯着。


8月9日(火) 晴      下山

感想   サゴイ沢、熊の沢ともにスケールの大きさ、沢の美しさという点では3流です。でも高巻きに踏み跡が皆無だったり、焚き火跡もほとんどなかったり、人くさくなくて自然がたくさんあるという点でこんなに東京から近いのに貴重な沢だと思います。沢なれたパーティーならどの沢も明るいうちに帰ってこれると思います。まだこの流域には何本かの沢があるので、温泉につかりながらのんびり自然に癒されたいと思うときにまた来たいと思います。
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