クワウンナイ川
2008年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
場 所:クワウンナイ川
日 時:8月20日〜25日
メンバ:下田隆三 鈴木太郎

日程詳細
20日(曇り)
旭川駅〜天人峡温泉〜クワウンナイ川出合C1
太朗と旭川駅のバスターミナルで待ち合わせ。天人峡温泉行きのバスは16時までないので、旭岳温泉行きのバスに乗り旭岳温泉から天人峡温泉まで歩くことにする。 バスの中でドイツ人が話しかけてくる。何やらエアリアが欲しいようだ。だが、私は英語が全く分からないので、デトロイト育ちの太朗が対応する。普通に会話をしており、初めて太郎が頼もしく見えた。 バスを降りると空気が冷たく北海道に来たことを実感する。 旭岳温泉から天人峡温泉まではコースタイムだと2時間弱であったが、途中ただの登山道なのに道に迷ってしまい、工事の作業道に迷い込んでしまう。しばらく行って気づいたが戻るのもめんどくさいのでそのまま進むと、槍ヶ岳を彷彿とさせる50mくらいの梯子が出てきてビビる。ここが今回の沢の核心だった。 天人峡温泉の登山口とは逆側に下ってしまったようで、引き返していくと太朗が待っていた。 それでも天人峡温泉には3時ころついてしまったので、クワウンナイに少し入ることにする。1時間くらい遡行したところでC1とした。 夜焚火をしていると霧雨が降ってきた。

21日(曇りのち晴れ)
クワウンナイ川出合C1〜カウン沢出合C2
 朝から曇っていてテンションがいまいちだ。沢の支度をしていると、40代くらいの夫婦が遡っていった。 出発して3時間ほど歩いていくと雲の間から晴れ間が見えてきて天気が回復してきた。晴れてきたおかげで沢もとてもきれいだ。 その後2時間ほど歩くとカウン沢出合いについた。今日はテン場まで長い河原歩きだった。 テン場からすぐ下のところで釣りざおを出すとすぐに1匹目がかかった。その後も立て続けに岩魚が釣れるが、小さいものは逃がしてあげた。  夜は岩魚を焚火で焼いてチキンカレーを作った。最高の夜だった。

22日(晴れのち曇り)
カウン沢出合C2〜三川台C3
 朝から快晴。今日はクワウンナイのハイライト滝ノ瀬13丁だ。  1時間ほど歩くと魚止めの滝についた。この滝を越えるといよいよナメが始まる。これでもかというほどナメが続いており、二人で奇声をあげながら遡る。他に人はいないのでナメを二人占めだ。北海道の沢は本当に素晴らしい。  ナメが終わると沢は源頭の様相となってくる。沢の水がなくなると草原のようなところに出た。その後明瞭な踏み跡をたどっていくと1時間ほどで縦走路に出た。藪こぎが全くなく最高のツメだった。  ここからはひたすら登山道。本来であればトムラウシのキャンプ場に泊まりたかったが、次の日の行程がきつくなるので三川台まで行くことにした。  三川台は何もないテン場だったが、笹や枯れ木を集めて焚火をした。

23日(晴れのち曇り)
三川台C3〜美瑛富士避難小屋C4
 今日も朝から快晴だ。と思ったらだんだん雲が出てきて歩き始めて1時間ほどでガスってしまった。 ロックガーデン付近で太朗がうんこをする。太朗が「わしうんこすると晴れるんですよ」というと、ほんとに晴れてきた。もっと早くしろよ。 そして双子池キャンプ場に着くころにはほとんど雲がなくなっていた。  双子池キャンプ場からはオプタテシケ山の登りだ。ここの登りは死ぬほどきつかった。ようやくピークかと思ったら偽ピークで、その先に本当のピークがあった。  オプタテシケ山から美瑛富士避難小屋まではほぼ下り道。途中何人か軽装備の登山者に会ったが、皆オプタテシケ山のピークハンターなのだろうか。おそるべしオプタテシケ山。  美瑛富士避難小屋に到着して小屋で休もうと思ったが。小屋に何人か人がいたため止める。テントを張ってまったりする。ラジオからは北京オリンピック野球日本代表がメダルを逃したニュースが流れていた。

  24日(曇り)
美瑛富士避難小屋C4〜十勝岳〜白銀荘登山口
 今日は最終日。10時半の中富良野行バスに乗るため朝4時に出る。  美瑛岳の登りにさしかかったあたりに日の出の時間を迎えた。曇ってはいたがその雲の間から太陽が出てくる姿はかえって幻想的できれいだった。  美瑛岳に登ると太朗がまたうんこ。風が強いせいかふいた後のペーパーが風に舞って飛んでいっている。汚いぞ。  美瑛岳を登ったあたりから十勝岳が見え始める。これまでとは違って火山の中を歩いているようだ。草とか緑が全くない。  十勝岳からは下山パワー全開。途中団体のツアーに遭遇する。なんか見たことがある人がいると思ったら、なんと母親とその友達であった。とは言ってみたものの、実は前から来ることは知っていた。だが、まさか本当に会うとは思わなかった。  その後、わずか1時間半ほどで下山してしまった。  下山後は、バスが来るまで無料の露天風呂に入ってまったり。  北海道は本当に最高だった。