錫杖岳 左方カンテ
2003年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)

2003年8月11日〜13日
メンバー 堀内、牛山

10日 14時頃 八王子駅で落ち合い、中央道をひた走る。松本のICI石井スポーツ で、食料とガスボンベを買い、ジャスコでその他の食料を買う。その後、安房峠を 越えて、槍見温泉登山口へ。途中コンビニとガソリンスタンドを探して大沢野まで 行ってしまい、槍見温泉に着いたのは夜10時をまわっていた。ヘリポート横の 無料駐車場で車中泊。

11日 夜半から雨で、15時頃ようやくやんだので、それから登り始める。 錫杖沢出会いでテントを張る。この天場はクリヤ沢左岸に2張り、右岸に2張りほど 張れるが、右岸のほうは翌日雨が降ったら、沢が増水して脱出できなくなりそう に見えた。

12日 朝からすごい雨で、午後になってようやくやむ。停滞。

13日 ようやく晴れる。壁はところどころ濡れていた。
4時過ぎ起床 5時過ぎテント発、錫杖沢沿いのふみ跡を登る。ところどころ沢に出るが、 透明ビニール紐の目印もたくさんあり、道はわかりやすい。途中から北沢沿いに登るが、 北沢はよくわからない。錫杖岩舎もよくわからなかった。 6時30分に前衛フェース壁の基部着、登ってきた道の左側の見晴らしのいいガレ場に出るが、 取り付きが良くわからない。左方カンテ取り付きは、登山道から右に行ったところだった。 ルンゼ状の溝が3つあるが、たぶん一番左のチムニー状だろうということで、そこから 濡れた岩を登り始める。7時30分。 1ピッチ目は、50mいっぱい伸ばしてしまい、ボルト2本で宙吊りになったまま切る。 その上は、IV級のはずだったが、3ピッチ目に入ってしまい、V級ピッチで 堀内さんがだまされたと文句を言う。ここは、ガバガバっと思い切り良く行けば フリーで行ける。そこからちょっと歩いてから、チムニーに入り、そのあとルート 図のとおり、左のフェースを直上するところがあって、さらに1ピッチが終わると、 いよいよ核心のV+級ピッチだ。最初のクラックというかチムニーに入るところは、 まず木に登ってぐらぐら動くチョックストーンをホールドにして、最初の段を越える。 怖いので、キャメロット#0.75を決めてランニングをとる。その後は、オフウィズス をずり上がる。ここも怖くて、ハーケンもいまいち信用できず、キャメロット#1,#2を 使用。A0で登った。これを越えて幅の狭いフェースを登ると、ちょっとしたのっこし (ダイクというのか)があるが、ホールドが右側にしかなく、近いホールドは甘い。 身長がないと難しそう。これを越えて、見晴らしの良いテラスに着く。この上の 最後のピッチは濡れていたが、堀内さんがA0を交えて最初の壁を越える。それより 上は、階段上の草付きを越えると50mいっぱいで尾根に出た。11時30分。 しばらく休んで、下り始める。7ピッチ目の終了点で5人の年配の方々のパーティーが 登っているところだったので、しばらく待つ。さらに懸垂5ピッチで取り付きに付く。 13時半。テントまで下り、テントをたたんで登山道を下り、駐車場16時半着。 帰りは、お盆のせいか道は混んでいた。松本の浅間温泉に入り、OBの中島さんの家で ご馳走になりました。

感想
3日登る予定だったが、雨のため1本のみで終わった。 13日は壁の状態を見てルートを決めたが、左方カンテで正解だったようだ。北沢フェース は登るにつれて上から水が滴っているのが見えた。初めての場所だったし、下から見たん ではなかなかルートがわからなかったが、登るにつれてわかりやすいルートだということが わかった。岩はしっかりしていたし、ハーケンもそこそこしっかりしているように見えた。 短時間で登れるしいいルートだと思いました。アブミは持っていったが使用せず。 なお、日本の岩場(下)を参考にしたが、新しい青い本の方が、だいぶ情報が新しくなっていた。 (記 牛山)

下から見た錫杖左方カンテ

下部を登る堀内

最終ピッチを登る堀内