十字峡から栃ノ木橋への林道。大半が雪に埋もれている
ジャコ平への登りでようやく雪が出てきた
丹後山避難小屋
5月3日 ガスと雪、昼過ぎから晴れ
夜中からずっと風が強かった。4時半起床。風は強く視界も悪い。だんだん天気がよくなるという予報だったので、7時出発。しかし、丹後山を過ぎてすぐの地点でホワイトアウト。ヤブや樹木などが見えない一面の雪原で視界は30m程度。先に進むのは難しいと判断し、小屋に戻る。
12時ぐらいまで待って天気が回復すれば行けるところまで進もうと考えたが、12時を過ぎても風は強く視界は悪い。多少雪も降っている。停滞を決めた。
昼過ぎに地元の登山者が1名、避難小屋に入ってこられた。このあたりの山域のお話をうかがい、明日歩く予定のルートのこともいろいろと教えていただけた。ありがたい。
丹後山山頂。何も見えない。
小屋の前から中ノ岳(右)、八海山(左)を望む
八海山の左手に夕日が沈んでいった
5月4日 晴れ
4時起床、5時40分出発。天気よく、歩き始めは風があったがほどなくおさまった。前日に立ち往生したところも視界が利けばすんなり歩ける。途中に利根川水源の碑を確認。2012年の夏に利根川本谷を遡行し、この碑の前で写真を撮ったことを思い出す。
大水上山に到着。360度の展望を満喫する。すぐそばに中ノ岳が大きい。平ヶ岳に続く稜線もくっきりと見えている。眼下には利根川の源流。遠くに至仏山も眺められる。すばらしい景色にため息をつく。
改めて進む方向の尾根を確認。ヤブは多いが雪をつなぎながら歩けるのではないかと判断し、先に進むことにする。最初は快適な雪の下り斜面、しかし、1680m付近でヤブの出ている小ピークの通過に難儀。雪面のトラバースを試みたもののつながっておらず、藪山を登り返して尾根に戻る。
改めてこの先の雪とヤブの状況、行程の長さを考え、進むのは難しいのではないかと判断。往路を戻ることにする。
快適に下ってきた雪面をじわじわ登っていく。つらい。大水上山から避難小屋までもなぜか長く感じた。しかしながら、2日前にガスで何も見えなかった西尾根登山道上部はすばらしい景色で、こんなところを歩いてきていたのかと感動する。疲れを感じながらも順調に下っていたが、西尾根登山口まであと数十mの地点で転倒、左掌を流血。すぐそばに沢があってよかった。
往路で難儀した三国川沿いの林道を再び慎重に進み、十字峡へ。長い林道を歩いて三国川ダム上へ向かった。
前日の朝とは大違いの丹後山山頂
利根川水源の碑
大水上山山頂。360度の展望
進む予定の尾根が一望。平ヶ岳が遠くに見えている
下山時、八合から中ノ岳が見えた。左手奥は八海山
豊富な雪を利用して、残雪の稜線が歩けるのではないかと考えていたが、今年は冬の降雪は多かったものの、4月に気温の高い日が続いて雪解けが早かったようだ。沢筋には雪が多く残り、日当たりのよい稜線は雪解けが進んでいた。
目的の縦走は達成できなかったが、展望地や山頂から眺める山々は本当に美しく、連なる稜線を歩いてみたいと思った。まずは夏山から歩いてみよう。この山域のことをもっと知りたいと思う。