谷川岳馬蹄形縦走
2021年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
メンバーNN
期間:2021年5月30日(日)〜31日(月)

来るべき夏の山行に向けて、しっかり歩き込みたいと考え、縦走登山の計画を立てた。一度歩いたことがある谷川馬蹄形縦走。以前歩いたのは入会する前、2010年の7月だった。

5月30日(日)晴れのち曇り一時雨
土合駅8:50…白毛門11:45…笠ヶ岳12:45…朝日岳14:00…白崩避難小屋16:10

久しぶりに土合駅の階段を登る。あいかわらず長い。
天気はとてもよい。登山口で、川の水を2Lくみ上げる。だいぶ重くなるが、事前の情報で「水場は雪渓に埋もれている」と聞いていたので、水が途中で補給できないことを想定して多めに水を担ぐことにした。
毎度のことながら急な登りにへこみつつ白毛門へ。樹林帯は涼しい。谷川岳の方面は雲に覆われていて、ときおり冷たい風が吹き付けてくる。白毛門の山頂に立つと、谷川岳方面は真っ白。しかも雲がどんどんこちらに向かってきているような。
白毛門から笠ヶ岳に向かう途中でガスに巻かれ、1時間ほど雨に降られる。だいぶ降ってきたので上だけ雨具を身につける。本来眺めがよいはずのルートは真っ白で何も見えない。ところどころに雪渓があり、ヒヤヒヤしながら通過する。休憩して歩き始める時、気温が低く手指が冷たい。足元や登山道脇の花が癒し。10年前に水を汲んだ朝日岳の水場はなくなっているらしく、看板も出ていなかった。
16時過ぎに避難小屋に到着。8人程度収容の小さな避難小屋。明かりが入る2階?に場所をとる。この日の宿泊者は私だけだった。担ぎ上げたビールを飲み、カレーを食べ、することもなく19:00に就寝。

5月31日(月)晴れ
白崩避難小屋5:00…七ツ小屋山6:00…蓬峠6:40…武能岳7:30…茂倉岳9:30…一ノ倉岳10:00…谷川岳(トマノ耳)11:20(11:40発)…谷川岳ロープウェイ山頂駅13:20

4:10起床。快晴。小屋を出て、こんなに素敵な場所だったのかと驚く。
5:00出発。すばらしい景色の中を歩く。目の前にこれから目指す山々が見渡せ、左手には歩いてきた白毛門から続く山々が眺められて感動する。晴れてはいるが早朝なのでそれほど暑くなく、順調に歩き続ける。
雪解けして間もないらしく、雪解け直後に咲く花があちこちで見られる。ショウジョウバカマ、イワカガミ、カタクリやシラネアオイの群落。シャクナゲはきれいなピンク色の花を咲かせている。景色や花の写真を撮り過ぎる。
登山道はほぼ雪がないが、ところどころで雪渓の脇を歩く。茂倉岳から一ノ倉岳に向かう途中で、やや長めの雪渓登り。緊張する。
一ノ倉岳から谷川岳へはいったん大きく下って登り返す。岩稜で歩きにくく、疲れもあって緊張する。左手からはクライマーの声がする。岩に小さく人影も見えた。
谷川岳山頂、トマノ耳で長めの休憩。歩いてきた道を振り返り、周りの山々の景色を堪能。山頂にいたベテランさんが、日白山の場所を教えてくれた。今度歩くときは二居俣の頭まで足を延ばしたらいい、とても気持ちがいい稜線だよと言っていた。いつか歩いてみよう。
計画では西黒尾根を下山することにしていたが、天候の急変が不安だった(前日は午後から雨ガス)のと、少し疲れも出ていたので安全策で天神尾根に下ることにした。肩の小屋からの雪渓の下りが激烈に怖かったが、あとはサクサクと下り、ロープウェイ山頂駅に到着。どっぷりと山に2日間向き合えて充実した山行だった。
● 山行メモ
・水場は、清水峠と、茂倉避難小屋周辺。登山地図に記載の水場は、雪渓に埋まっていたと思う(あるいは、雪渓を下らないと水場にたどり着けない?)。昔の登山地図に出ている朝日岳の水場は、現在ない模様(看板もなかった)。
・軽アイゼンがあればよかった。稜線にはほとんど雪がないのだが、数カ所雪渓を通過するところがあった。天神尾根上部の雪渓と、茂倉岳直下の雪渓は下りに使うと怖い。
・雪解け直後のせいか、登山道がぬかるんでいるところがあちこちにあった。下山後に替えの靴があるとベスト。
・日帰り入浴の情報は要確認。水上駅周辺の日帰り入浴可能な宿は、コロナ禍で日帰り入浴休止にしているところもある。

1日目

松ノ木ノ沢の頭から白毛門を望む。まだ天気はよかった


白毛門山頂。谷川岳方面はガス


清水峠へ向かう途中、少しだけ雪渓を通過

2日目

蓬峠付近から武能岳、茂倉岳方面を望む。笹薮がきれい


茂倉岳山頂手前。背後に歩いてきた山々が


一ノ倉岳山頂直下の雪渓の登り


谷川岳に登る途中、一ノ倉沢を見下ろす


ロープウエイ山頂駅に到着。おつかれさまでした