越沢バットレス
2018年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
メンバーNN、DS(記録)
期間:2019年4月20日

天候:晴れ

個人的には5年ぶりの越沢訪問。パートナー共に今シーズン初外岩。今年は剣、谷川、北岳、錫杖などなど、いくつか目標ルートがあるためロープワークの確認とクライミングの足慣らしを目的にアルパイン系の外岩へやってきた。

いつも通り8:07鳩ノ巣駅着の電車で集合。天気の良い土曜日ということもあり相変わらず青梅線は登山専用列車の様相であった。平成最後の越沢バットレスへと歩を進める。以前、通るとおじさんに怒られた道は今どうなっているだろうかなんて話をしながらうろ覚えの道を行く。ガーデンキャンプの入口を潜り、案内表示に従って歩くこと約20分。8:45取り付きの東屋に到着。おじさんの私道の境には柵があって入り込まないようになっており、キャンプ場の裏手から回り込まずとも最短ルートでちゃんと取り付きまで行くことができるようになっていた。一安心。

取り付きでは既に何名か登攀の準備をしていた。後からも続々と集まり最終的に今日の越沢は約15名。講習会の準備やボルトの整備をしにきたパーティもいるようだ。順番待ちでいきなり待ちたくなかったのでそそくさと準備を済ませ一番乗りで9:00に登攀開始。一応今回の目標は4周くらい回って計10Pくらいできたらいいなと勝手に考えていた。NNは2周くらいのイメージだったらしいことは後で知る。

まずは一番右壁の「右ルート」W+、3P。リードは奇数ピッチDS、偶数ピッチNN。 我々が「右ルート」へ行くのを見て「第2スラブルート」側へ人が流れてくれることを若干期待したが思惑は大ハズレ、半分以上のパーティが「右ルート」から登り始めた。後続のプレッシャーを感じつつ登攀開始。変わらない古いリングボルトやハーケンに不安を感じつつツルツルの右の滑り台を緊張しながら登った。下降は50mダブルで懸垂1Pと約5mのクライムダウン。

即座に移動し「第2スラブルート」W+、3P。毎回登っているルートなので快調にロープを伸ばしていく。隣で「第1スラブルート」を登っているパーティを見て登高意欲が湧いた。垂壁でランナウト気味のYなので結構難しそう。安全に登れる技術を身に付けていつかまた登りたい。
降りた頃には12:00近くなり昼飯時であったが、今日は人が多いので敢えて時間を外し小休憩だけ取り継続して登ることにした。

次は「鋸ルート」Y-、2P。1P目はNNリード、「右ルート」と同じラインを辿る。2P目からDSリード、トラバース気味に左上し「鋸ルート」に入っていく。鋸ルートは個人的に結構好きなルート。ガバガバの垂壁から身体が乗り出す感じが高度感もあって楽しい。
途中微妙なところでピッチを切った先行パーティに追いついてしまい暫しセミ。ロープの流れ的には同じ場所でピッチを切っても良かったが上まで抜けられることを知っていたのと後続パーティも待っていたため上まで抜けてしまった。フォローのNNは結構苦戦したらしく後続パーティにアドバイスを貰いながら登ったようだ。

懸垂下降後少し休憩を取り、次は「左ルート」V、2P。1P目はNNリード、「第2スラブルート」と同ルート。2P目からDSリードで「左ルート」へ。左足がツルツルで殆どないのでレイバックで左上。楽しい。カムが使えるなぁと登りながら思ったが後の祭り、取り付きに忘れてきてしまった。フォローのNNはパンプ気味だったらしく声を出しながら登っていた。

これでとりあえず目標10Pは終わったのだがまだ15:30くらい。もう1Pだけ!とNNにビレイをお願いした。天狗の肩へ正面から抜ける若干かぶり気味のV?のルートを1Pだけ登った。この時間になってくると越沢も貸切状態だったのでNNにもフォローで登るよう勧めてみた。結果、出し切ったようだった。

16:55取り付き出発、17:15鳩ノ巣駅到着。
駅前のいつも越沢へ来るとちょい飲みをするお店の内装が綺麗になっていた。美味しそうなおでんの匂いに釣られやっぱり今回も少しだけ立ち寄ってから家路に着いた。

今回色々わがままに付き合って最後まで登ってくれたパートナーに感謝です。