剱岳・源次郎尾根
2017年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
メンバー結城、阪辻、高橋、中山
期間:2017年5月3日〜5日

5/3 晴れ
室堂(8:50)→剱御前小屋(10:50)→剱沢ベース(11:20)

前夜のうちに扇沢に入り、朝一番のトロリーバスで室堂へ向かった。GW後半の初日とあって、アルペンルートは大変混み合っていた。室堂で身支度をして出発し、2時間半ほどで剱沢のキャンプ地に到着。昨年のGWは強風に阻まれ、雷鳥沢キャンプ場から少し登ったところであっけなく敗退していたが、今年は穏やかな天気で風もなく暑いくらい。あまりにも順調に初日の行動が終わってしまい時間もあるので、幕営作業を済ませた後は、手製の雪のテーブルを囲んで剱岳を眺めながらのんびり宴会をして過ごした。

5/4 晴れ
剱沢ベース(4:05)→源次郎尾根取り付き(4:40)→1峰(8:30)→2峰(9:20)→懸垂下降後のコル(9:40)→山頂(10:40-11:00)→剱沢ベース(13:30)

2時半に起床し、4時過ぎにキャンプ地を出発。剱沢を30分ほど下ると、源次郎尾根の取り付きに着いた。我々よりも先に剱沢のベースを出て行った人たちがいたが、源次郎尾根のルンゼに取り付いているパーティはなかった。長次郎谷の出合には何パーティか見えた。
雪面にうっすらと付いたトレースに沿って、ルンゼの急斜面を登っていく。早朝なので雪が締まっていて、アイゼンの前爪とアックスがよく効いた。尾根に出る手前の岩が露出したところで念のためロープを出した。尾根上で休憩していると、長次郎谷から二人組のパーティが登ってきた。源次郎尾根は人気の初級バリエーションルートなのでGWは大渋滞するのだろうと覚悟していたが、結局この日はこのパーティ以外は一緒にならなかった。
1峰までは急な雪壁だ。日が昇ってくると途端に雪がグズグズになり登りにくくなった。途中、雪が割れて空洞になっている箇所は、ブッシュをうまく使って切り抜けた。1峰から2峰までは高度感のあるスノーリッジが続く。クライムダウンやトラバースなど緊張する箇所もあり、一部ロープを出して通過した。2峰からの懸垂下降を終えると、あとは雪壁を登るのみ。平蔵谷から上がってきたスキーヤーたちを追い越して、頂上を目指した。
山頂の祠はまだ大部分が雪の下に隠れていた。本当によく晴れていて、空の青がまぶしい。気持ちがよいほど遠くの山々まで見渡せた。記念撮影をし、周囲の景色を楽しんだ後、別山尾根から下山した。別山尾根も、鎖が備え付けられているとはいえ一般登山道とは思えないような危険な箇所が多い。剱沢のベースが見える場所まで下りてきて、やっとほっとすることができた。
テント場からは源次郎尾根がよく見えた。祝杯を挙げながら、今日辿ったルートを振り返った。

5/5 曇り時々晴れ
剱沢ベース(6:40)→室堂(9:20)

5時起床。天気が下り坂ということもあり、早々に撤収。この日は何度も雷鳥を見かけた。冬毛から夏毛に変わり始める時期らしく、所々黒い羽毛が残雪期の斜面によく溶け込んでいた。警戒心が薄く、登山者のすぐ近くを歩き回るので、我々にはバレバレなのであるが。疲れが残っているためか、やたらと長く感じる道のりを戻り、相変わらず混雑している室堂からアルペンルートで扇沢に戻った。

以上

源次郎尾根取り付きからルンゼを登る

尾根に上がったところ

1〜2峰のリッジ。最高の眺めでした

2峰から剱岳山頂方面。スノーリッジではロープを出した

2峰スノーリッジ通過。クライムダウンの箇所が少し緊張

2峰からの懸垂下降

剱岳山頂にて