赤岳天狗尾根〜真教寺尾根
2017年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
メンバー結城、牛山、高橋ル、中山、阪辻、松邨
期間:2017年4月22日〜23日

GW剱岳源次郎尾根合宿に向けた訓練山行。GW合宿参加メンバーを中心に、登山+雪上確保の練習を組み合わせた計画。

4/22 晴れ
美し森駐車場(10:00)〜地獄谷出合(12:00)〜2400m付近(15:00)

朝10時、美し森を出発。雪のない林道をだらだら歩いていく。天気は晴れで風もなく暖かい。途中、徒渉時に高橋、中山がワーキャー言っている。出合小屋の手前から雪が出てきて、ロングスパッツを装着したりピッケルを出したり、なんとなく身支度を整え、赤岳沢を詰めていく。天狗尾根への取り付きは雪が少なく、ところどころ氷化して登りづらい。尾根上には赤テープが所々にあるうえ、先行者の踏み跡もあったので悩まずに登っていけた。樹林帯を2時間ほど登ってきたあたりの平坦地で牛山さんが「幕営適地」とつぶやくも、結城さんから無視され、さらに登り続ける。2400mを少し超えたあたりに先行者のテントがあり、我々もその少し下で幕営することに。テントを設営後、ヘルメットやハーネス、ギア類を身に付け、スタンディングアックスビレイなどの練習をする。阪辻は、高橋さんに疑似滑落してもらいビレイの練習をしたが、個人的には谷足でアックスを踏んだ方が踏ん張りやすいと感じた。他のメンバーもそれぞれやりやすい方法を探しているようだった。その後滑落停止姿勢などを確認し、幕営地に戻る。
テントに入ってからは、牛山さんによる「よさほい節」「ジンギスカン」、結城さんによる昭和山岳会の歌など、歌唱タイムで大いに盛り上がる。今回は訓練山行だが、合宿みたいで楽しいな、と思った。

4/23 晴れ
2400M付近(4:50)〜大天狗(6:50)〜真教寺尾根分岐(8:10)〜牛首山の標識があるピーク(10:35)〜賽の河原(11:25)〜大門沢林道〜美し森駐車場(12:45)

3時に起床し、5時前に出発する。初めはヘッドランプを付けて歩き出すが、すぐに明るくなってきた。相変わらず積雪は少なくて、日当たりのよい部分ではほとんどない。しばらくするとカニのハサミと呼ばれる岩峰が見えてきた。足元の切れたトラバースを超えるとフィックスロープの張られた岩壁が現われる。ロープを出してフィックスロープをセットしてと指示され、阪辻が先行しロープを張る。その後も雪のあまりない尾根を進んでいく。大天狗手前で先行パーティが見えたので、何も考えずその後についていき大天狗を左から巻くルートに進もうとするが、後ろから結城さんにルート間違いを指摘される。相変わらずルートファインディング力が低い。右から巻くルートは、岩壁基部を7mほどのトラバースした後、2mくらいの岩を乗っ越す。この乗り越える部分が少し膨らんでいて登りづらく感じたが、手、足ともホールドはあるのでしっかり目視しながら登る。ロープを固定し皆が登ってくる間、ぼんやりと景色を楽しむ。小天狗の下にカモシカが歩いていた。大天狗を越えると稜線上の一般登山道が見えた。登山道に出て、赤岳頂上には登らず真教寺尾根を下る。下り始めが雪壁のような急斜面で怖く、クライムダウンで下りる。斜度が緩くなってくると今度は柔らかい雪で歩きづらい。牛山さんの尻セードを皮切りに阪辻、高橋が滑り下りていく。堅実派の結城さんと中山さんはしっかり歩きで下っていく。牛首山の看板のあるピークを越え、スキー場上部の犀の河原で休憩しているとき、牛山さんから大門沢林道へ下るルートに行こうと提案があった。山と高原地図に記載のないルートだったが、ざっと下っていくと林道に出て楽だということで、そのルートを進むことになった。しかし下ってみるとけっこうワイルドな感じで踏み跡も少なく、松邨さんと「なんだか思っていたのと違いますね」と話す。しばらくすると大門沢に到着し、ほどなく林道にたどり着いた。後はだらだらと美し森駐車場へ向かった。


雪のない天狗尾根。奥に見えるのは赤岳竜頭峰


天狗尾根の核心部をフィックスロープで登る。牛山さん(上の人)の下あたりがちょっと難しい


真教寺尾根の下り口。急斜面をクライムダウンする。すこし怖かった