谷川岳一の倉沢中央稜
2015年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
メンバー植田、西野(記録)
日程:2015年6月24日

23日夜、水上駅からタクシーで谷川岳登山指導センターに入る。平日なので他に人はおらず、奥の小上がりで仮眠をとることができた。

3:50指導センター…4:30一の倉沢出合…5:45中央稜取付→6:20登攀開始…10:30終了点→11:00北稜下降開始…16:00一の倉沢出合…16:50指導センター

24日3:30起床、3:50に指導センター出発。
一の倉沢出合から右岸の踏み跡をたどり、すぐに雪渓に出る。まだテールリッジまで雪渓通しで行けるのが有り難い。前夜に雨はあまり降らなかったのか、テールリッジはまあまあ乾いていた。フィックスロープも比較的新しいものが架け替えられていた(5月末に訪れたときはボロボロのロープしかついてなかった)。

奇数ピッチ西野、偶数ピッチ植田。1ピッチ目は階段状に、取り付きから見えている左上のビレイポイントまで。2ピッチ目、左に壁を回り込んで泥っぽい凹角。3ピッチ目、少し下るようにしながら右にトラバースし、フェースを登る。はじめのトラバースが怖い。核心の4ピッチ目、最後のチムニーで植田奮闘。フォローでも難儀した。5ピッチ目、濡れ濡れの凹角。6ピッチ目、明るく快適なフェース。7ピッチ目、もろい階段状の岩場。8ピッチ目、再び濡れた凹角。9ピッチ目は以前はまった左のフェースではなく、右の階段状の凹角を登り詰め、終了点。

今回の核心は、中央稜の登攀…ではなく、下降の北稜。
顕著な踏み跡をたどるとすぐに、岩壁にぴっかぴかのチェーンアンカーがつけられている。ここで合っているか少しあちこち見て回り、ここしかないであろうと懸垂セット。
1ピッチ目は40m。2ピッチ目は木にいくつもスリングがセットされ、カラビナも2枚。まっすぐおりて40m。3ピッチ目は岩場に支点。40m、まっすぐルンゼを降りていくが、下のほうは深い笹薮。4ピッチ目はブッシュの中、太めの木に支点がある。笹薮の中を降りていくが、分かりづらい。踏み跡らしきものが下方向と左下方向にうっすらついている。左下方向に進んだものの、下降する方向を間違えて、4ピッチ目途中の木の支点まで登り返した。このとき、後続の知人パーティーにかなり助けてもらった。4.5ピッチ目、30mくらい。正しいルートに戻り、笹薮、ルンゼを下る。ロープがかなり屈曲するので流れが悪く、引くのに難儀した(が、スタックはしなかった)。5ピッチ目、途中から空中懸垂。岩壁を水が流れていて、濡れる。6ピッチ目、20mほど懸垂で、ピナクル付近まで下る。下って来た北稜、コップ状岩壁などを見てため息。

 ピナクルから顕著な踏み跡をたどり、小さな雪渓を横切り、衝立前沢へ。衝立前沢は小さな枯れ沢。下っていくうちに水量が多少多くなり、少し雪渓が残って嫌らしいところもある。沢沿いに踏み跡が付けられたところもあり、慎重に下っていく。最後に10mほどの滝が現れ、懸垂下降。それなりに水量があり、しかも降りる壁はぬめっていて足が滑り怖い。濡れたロープを回収し、慎重に雪渓に踏み込み、一気に一の倉沢出合まで下山。心底ほっとした。


一の倉沢出合


3ピッチ目を登る西野


6ピッチ目を登る植田


北稜下降点、1ピッチ目のキラキラアンカー