鹿島槍東尾根
2003年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
2003年5月3日〜4日
メンバー 牛山、加藤(会員外)

2日午後10時過ぎ横須賀を出発、相模湖から中央道に乗り、順調に走り、車が50台以上は とまっている大谷原に4時着、車の中で少し寝る。

3日天気 快晴
6時頃、周りの人々が動き始る中起き、大谷原8時前に出発。最初林道を歩き、東尾根の 取り付きを探すが、資料には赤布があると書いてあったところが見つからない。適当に尾根を めざしてやぶを登る。途中カモシカを見た。カタクリの花がきれい。少し登ったら、 正規ルートに出た。東尾根に出たところから、雪が出始める。一の沢の頭に11時頃。 二の沢の頭12時半着。結構疲れたし、今回スコップを持ってこなかったため、上に行っても いい天場が見つかるかどうかわからず、二の沢の頭にいい天場跡があったので、ここで 泊まることにする。少なくとも、3パーティーくらいはそのまま先に進み、中には第2岩峰も 越えていったパーティーもあった。二の沢の頭には、テント7張りくらいのパーティーが 泊まった。天気は微風快晴、いうことなし。景色も良し。18時過ぎには寝る。

4日天気 快晴、後晴れ、午後うす曇。微風。
2時前に起床、3時10分には出発の準備が整うが、ヘッドランプ故障のため、3時50分に出発。 天の川がくっきり見える星空の下、しまった雪面をアイゼンを効かせて進む。最初の雪壁は 問題なく通過。第1岩峰に5時半頃着、今日最初の1パーティーが、フィックスロープの垂れる 正規ルートに登る準備に入っていた。その隣の小さなルンゼ状が簡単に行けそうなので、 ノーザイルで10mほど登る。その場所からロープを出し、1ピッチで第1岩峰を抜ける。 途中全部で4パーティーが交錯して登って、何かとたいへん。ロープをしまった後は、 ハイマツ帯を登り、ちょっとスノーリッジを行ったところで第2岩峰に6時30分着く。 最初に取り付いたのは、4人の学生パーティーだった。次に茅野労山の3人パーティー、 3番目が我々だ。最初の学生パーティーは、なんとチムニーの方に行かず、右側のフェース に取り付いていた。大勢のギャラリーが見守る中、残置シュリンゲを使ったA0を交えながら、 ついにリードの青年は登りきった。かなりかっこいい。しかし、あとの3人も含めかなり苦労 していたので、右のフェースルートは結構難しそうだった。2番手の茅野労山パーティー以降は、 正規ルートのチムニーを登っていた。茅野労山のリードは、私と同じ名前の牛山さん。 順調に登っていた。チムニーはIV級ということだったが、ザックを背負ってアイゼンでも、 ガバをつかんでガバガバっと行けば問題なし。フィックスシュリンゲもたくさん垂れている。 登攀開始7時40分頃、終了8時半?ここは、落石が怖いが、前のパーティーのセカンドのすぐ 後ろを次のパーティーのトップが追いかけるといった格好で、登っていた。 その後は、雪面を行き、荒沢の頭を過ぎて、雪稜を進むと北峰に9時30分着。南峰11時頃、 冷池の小屋12時、かなり疲れているが、泊まる意味もないので、そのまま赤岩尾根を下りる。 下り口の急な雪壁では、コンテで下る。20分くらい下ったところで、西沢へ下りているトレース を見つけ、雪崩の音も今日は聞いていないので、西沢へ下りることにする。急な部分だけロープ 使用。あとは、グリセードで一気に高度を下げ、14時半に出会い着、20人以上が我々の後この 西沢を下ってきた。15時半大谷原着、終了。天気もよくて最高だった。
(記 牛山)

東尾根下部から見た鹿島槍ヶ岳

第1岩峰

第2岩峰