唐沢岳幕岩
2001年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
L 牛山(記)、M堀内


4月29日
 松本   800
 七倉   1000-1020
 高瀬ダム 1130-1200
 金時の滝 1300
 大町の宿 1600

天候は晴れから高曇り、昨年より雪は少ない。大町の宿について夕食を食べて いたら、雨が降り出す。

4月30日
起床 1100
寝る 2000

雨のため停滞

5月1日
起床        400
大町の宿発      530
登攀開始      630
 中央バンド      1200
 上部チムニー登り始め 1400
 右稜の頭着 1630-1820
 下降開始       1900
 大町の宿着       130
 就寝          300

今日は天気が良いとのことで、4時に起きて出発。
第1ピッチ堀内リード。凹角に入るところが怖いのと、凹角の途中でフレンズ にあぶみをかけて越す人工あり(写真)。ここは、セカンドの私はフレンズを 抜いたら、乗るところがなくなってしまったので、スカイフックをかけてあぶみ に乗ってしまった。ほぼ人工でテラスまで。
第2ピッチ牛山。簡単なフリー。
第3ピッチ堀内。洞穴テラスから洞穴を越えて右に上がる。冬に来たときには、 ボサテラスから左へのトラバースが悪かったとのことだが、今回はそうでも なかったらしい。ボサテラスを通り越して、凹角の下まで。
第4ピッチ牛山。凹角を越えて大テラスまでフリー。天気がいいせいか快調。 第5ピッチ堀内。ブッシュ交じりの草つきを登る。
第6ピッチ牛山。ブッシュ交じりの林を登る。ちょっと登りすぎて、フェースの 途中まであがってしまう。
第7ピッチ堀内。小さいリッジを回り込んで、フェースの下に出る。10mくらいで、 交代。
第8ピッチ牛山。左にランペをたどって、チムニーに入り...とガイドブックに かかれている部分。ランペ部分から水がかなり滴り、雨の中を登る。気分的に とても憂鬱。ランペは残置スリングをつかって這い上がるが、そのうえにいい ホールドが無く、見つかったハーケンにスリングをかけて、休む。それからは、 フレンズを駆使してなんとか越える。私はここが一番怖かった。上記のハーケ ンはセカンドの堀内が体重をかけたら抜けてしまい、かなり登るのに苦労した ようだ。それより上は、ボルトラダーなどで、特に問題はなかったように思うが、 とにかく水がしたたって、濡れるのでいやになる。ザイルをいっぱいまで伸ば して、右稜の頭に抜ける。このピッチだけで、4時間半もかかってしまった。

下降は、右稜の頭からふみあとを30mくらい下ったところの支点から懸垂をはじ める。最初は空中ぎみ。次の懸垂で、ザイルが引っかかって回収できなくなる。 いくら引いても来ないので、ユマーリングで登り返して回収する。結び目が岩の 割れ目にうまい具合に引っかかっていた。再び懸垂しているところで、10cmくら いの石が私の右ひざを直撃した。痛い。(10日以上たった今でも痛い)そんな ことをしているうちにどんどん時間は過ぎていく。もう完全に真っ暗。そのあと 2回の懸垂で、やや平らなところにでる。ガイドブックではクライムダウンとなっ ているが、ここも懸垂で下る。これが間違いだったのか、1本となりの沢に下って しまったようだ。さらに2回の懸垂でかなり急な斜面にでて、もう1回懸垂。 雪面にでて、あとは歩いて下る。すると、鷲の滝の音が聞こえてくる。鷲の滝の 横を登り、大町の宿の方へ行く沢に入り、ようやくテントに帰る。1時20分。
そのあと、酒飲んで飯食って、寝る。3時。いやー、疲れた。

5月2日
起床  午後1時ころ
 就寝    午後8時ころ

昨日の疲れのため休む。

5月3日
起床 10時ころ
 就寝    7時半ころ

朝4時に外を見ると、雪が3cmくらい積もっていた。条件が悪いため寝る。 雨も降った。

5月4日
起床 400
大町の宿発 600
 大洞穴ハング  630-730
大町の宿発  1100
 高瀬ダム下 1430
 七倉 1535

今日こそ晴れだ。4時に起きて大洞穴ハングへ向かう。5日が下山予定なので、 広島ルートを登れるだけ登ろうということで行ったが、洞穴ハングは張り 出しがかなり大きく、下は切れているため、一度登ったら途中から降りてこら れるような感じではない。それで、これは無理だということで偵察だけして、 帰る。8時ころ大町の宿のテントに帰るが、堀内さんがあぶみを忘れてきたので、 1度取りに戻る。それからテントをたたんで、下る。金時の滝は懸垂2ピッチで 下るが、落石がいつ来るかわからず、非常にいやなところだ。はしごつきの堰堤 のところも怖い。さらに下の、壊れそうなはしごがあるところでは、堀内さんが 乗ったら、はしごの段がひとつ壊れた。七倉〜高瀬ダムの間は、タクシーや東電の マイクロバスが観光客を乗せて何度も往復していた。われわれは歩いて、七倉まで くだり、大町で焼肉を飽食して、それぞれ松本と茅野の実家へと帰っていったの であった。
1ピッチ目を登る堀内。

1ピッチ目を登る堀内。(つづき)

3ピッチ目。

大洞穴ハング