屋久島縦走
2023年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
メンバーSM, SY, NK(記録)
日程:令和5年10月23日〜10月25日


記録
 飲みながらの話の中で行きたい所は沢山あるけど、南の方にはなかなか行けないので九州の最高峰屋久島宮之浦岳へ行こうとの話になった。霧島連山との継続登山も考えたが時期が合わずなるべく雨の少ない時期の10月〜11月で計画を立てた。

R5.10,23(曇り)
淀川登山口10:30〜淀川小屋12:00〜花之江河13:45〜石塚小屋15:10
 前日に屋久島の安房港まで入り、素泊まり宿の近くから紀元杉行の定期バスに乗り込む。乗客は我々のほか4人ほどしかおらず登山客は我々のみ。紀元杉で下車し淀川登山口まで30分ほど車道を歩く、途中には川上杉などの巨木があり流石屋久島と思わされる。登山口で山小屋使用料2000円を無人の料金箱に入れ登山道を歩き始める。登山道はしっかりしており迷うことは無い、天気はまあまあだが視界は利かず緩い登りの林の中をひたすら登る。1時間ほどで淀川小屋に着く、時間も早いことから予定通り石塚小屋迄足を延ばすことにする。途中の高盤岳展望所からは鬱蒼とした屋久島の山肌にチラホラ紅葉が見られた。花之江河(ハナノエゴウ)の分岐から石塚小屋へルートを取るが、携帯トイレ使用小屋の先には立ち入り禁止の規制テープが張られている?ほかにルートは無く規制テープを越えて先へ進むとルートは間違いないようだ。石塚小屋はあまり使用者が無いらしく、どの小屋もそうだが鬱蒼とした樹林の中でコケに埋もれている。誰も居ない小屋でゆっくりと入山祝いをした。

R5.10.24(曇りのち雨)
石塚小屋6:00〜花之江河6:40〜投石平7:45〜宮之浦岳9:40〜焼野三差路10:20〜平石岩屋11:00〜新高塚小屋13:10
 夜トイレに起きた時には星が見えていたが歩き始めるとどうやらガスの中、もっともルートは樹林の中ヘッドランプを付けての歩行で、気が付いたのはしばらく歩いてからだ。花之江河まで戻り、宮之浦岳を目指す。30分ほど歩くと黒味岳への分岐、黒味岳からはいい眺めになると聞いていたが霧雨の中ガスで展望は利かないのでパスすることにした。投石平は岩盤の上を歩くコースなので、晴れていれば眺めは良さそうだがガスの中黙々と歩く。宮之浦岳への最後の登りは急な登りになり山頂へ出た。雨の中展望も利かないので早々に退散し、笹が足元を濡らすので雨具のズボンも着用。焼野三差路から永田岳への分岐となるが展望もない雨の中を往復2時間歩くのは嫌なのでこれもパスすることにして新高塚小屋へ向かう。平石岩屋からは視界が良くなってきたが宮之浦岳と永田岳は雲の中。それでも山肌を覆う笹原と点在する巨岩は本州の山との違いを感じる。平石岩屋でゆっくりお茶を沸かし休息、その後第2展望台第1展望台を過ぎるにしたがって雨具は不要となり時折青空も見えるようになってきた。新高塚小屋には1時過ぎに到着。天幕場も木道の広場に張れて快適そうだ、さすがに登山客も多く小屋は大きく中も中二階となっていて広い、この日は6〜7パーティーが入った。残り少なくなった酒をチビチビ飲み早めに就寝。

R5.10.25(晴れ)
新高塚小屋6:00〜縄文杉7:00〜夫婦杉・大王杉7:20〜ウィルソン株8:00〜大株歩道入り口8:40〜楠川分かれ8:30〜辻峠10:50〜太鼓岩11:10〜白谷雲水峡登山口12:30
 夜は満天の星空、昨日よりも天気は良さそうだ、昨日同様にヘッドランプを付けながら歩き始める。木間越しに日の出がまぶしい。高塚小屋を過ぎるとルートのほとんどが木道の階段を歩くことになる。杉の巨木の森を降りて行くと縄文杉に出会う、朝日に照らされた縄文杉はやはり風格と威厳に満ちていた。その後は夫婦杉・大王杉・ウィルソン株などを経て大株歩道入り口に到着。ウィルソン株付近からは小杉谷方面からの大勢の登山客とすれ違うことになり、ルートを譲り合うのに苦労する。大株歩道入り口からはトロッコ軌道跡を歩くことになり楠川分かれの分岐に到着。分岐からは辻峠に向けて約1時間の登りになる。緩い登り道で途中屋久鹿と出会う、人慣れしていると見えて全く逃げない。辻峠には観光客がかなりいて白谷雲水峡から散策に来ていた。辻峠から太鼓岩の展望所迄約15分の登り。昨日とは違い青空に浮かぶ宮之浦岳が美しい。峠からはもののけの森を経て白谷雲水峡登山口に到着。定期バスにて宮之浦へ下山した。
(錦織:記)


杉の巨木                            屋久猿


高盤展望所                           花之江河


宮之浦岳への登り                        宮之浦岳山頂


宮之浦岳からの下り                      雲の中の宮之浦岳山頂


新高塚小屋                           縄文杉


屋久鹿


太鼓岩からの宮之浦岳