9/28(月)、晴れ
6:00、起床
祈りも虚しく夜中再び霧雨の音がしていたので遅めに起床。朝から晴れてはいるが周りの地面はすっかり濡れている。今日もダメかなと思ったが、錫杖の壁は東面で朝陽が当たっているので一縷の望みにかけて取り付きまで向かってみた。
6:55、錫杖沢出合
錫杖沢の左岸に取り付きへの踏み跡がある。以前来た時よりも赤テープが増えていて分かりやすい。錫杖岩舎への分岐も明瞭で、テープに加えヘルメットやビニール袋の残置があった。軽い雨避けができるとあって今回のような天気の時はベストポジションかもしれない。今回は2人テント1張りあり。
7:30、左方カンテ取り付き
錫杖沢から北沢へ踏み跡を辿ると左方カンテ取り付きの小広場に着く。ここまで登山口から2h弱。日帰りも十分可能だ。
1ルンゼ目指して岩壁基部沿いを歩いていたら、いつの間にかエスケープバンドを登ってしまい、1ルンゼの1P目終了点に出てしまった。本来は小広場から下に続く踏み跡を辿るべきだったがそんなに下るものと思っていなかったので間違えた。せっかくなら最初から登りたいので懸垂1回約50mで本来の取り付きへ下りた。
8:40、1ルンゼ登攀開始
雨の影響でルンゼや日陰は水が流れるほど濡れていたが、幸い陽の当たるフェースの岩は乾いていた。1ルンゼはルンゼと言いつつも内容は明るいフェースクライミングに終始するルートなので登り始めることができた。
奇数ピッチDS、偶数ピッチYKでリード。不要なものは取り付きにデポし、ザックは1つに纏めてフォローが持って登った。装備はカム♯0.5?3を2セットを用意。
1P目(50m、W+?X)、凹角左側から取り付き細かいフェースからスラブ。トポの1、2P目は現在1Pで纏めて登るようになっているようだ。途中に終了点もなかった。カムを決められる箇所も少なくランナウト気味で緊張した。
2P目(50m、W-)、傾斜の落ちたスラブ。V字岩壁の基部付近まで。
3P目(50m、V?W+)、ルンゼからスラブ。30m程でトポ通りの終了点に着いたが、少し上にもビレイポイントが見えたので伸ばした。しかし思いの外怪しい支点で、結果的にはトポ通り切った方が素直だった。
4P目(10m、V)、濡れたルンゼを左に横断し安定した広いバンドテラスのビレイポイントへ移動して仕切り直し。
5P目(40m、W?)、ハーケンが連打された湿った細いフィンガークラックからハングを直上するX、A1の人工ピッチ。アブミは用意していないため核心部はすぐ左の小さなルンゼから巻いてカンテ左のフェースを登った。
6P目(40m、V?)、スラブを左上し頭上に逆三角形ハングがある凹角の途中まで。ハーケンに導かれて正規ルートの左にある凹角沿いから登ってしまった。
7P目(40m、W)、右側のフェースへ復帰しチムニーから草付きの横断バンドへ。
12:50、横断バンド
そこかしこに終了点がありどれを使うか迷った。
登攀時間約4h。後半ルート取りに手間取り時間がかかり過ぎてしまったのは反省。
下降は1ルンゼ沿いに懸垂5回で取り付きへ。最後の最後でルンゼの水流にロープが落ち濡れてしまった。
14:00-14:15、取り付き
15:00-15:15、錫杖沢出合、テント撤収
16:00、中尾高原口バス停駐車場
下山後は平湯の森で日帰り入浴して先週に引き続きみどり湖PAで大盛りのザンギ定食を平らげて帰京。
今回は流石に雨で何もできず敗退かと過ったが、なんとか1本登れて良かった。1ルンゼは錫杖岳初登ルート(1931年)で1度登ってみたいと思っていた。錫杖は岩も硬くアプローチも近く岩の乾きも早く終了点もしっかりしていて、NP主体のとても良いアルパインの岩場だ。フリー化されているルートも多いのでまた登りに行きたい。
9月は色々アルパインフリーを楽しませて頂きパートナーに感謝。次は10月の明星山。次こそ好天に恵まれますように。