ネパール チュルーウエスト(6,419m)とアンナプルナ周遊トレッキングの記録
2016年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
メンバー中島忠男(79)、錦織良(65)、小柳穂澄(56)、澤田章(76)、山本定男(77)、穂坂嘉彦(70)
山域: ネパール アンナプルナ周遊
期間: 2016年10月16日〜11月13日(28日間)

目的:
 昭和山岳会では、1998年の60周年記念登山であったエヴェレストを最後に記念登山は終了し、以後の海外登山は個人を主体として欧州、中国、米国などへ自由な発想と計画をもって行われてきた。我々OBはすでに還暦を過ぎ、若かりし頃に培った記念登山として海外に向けた夢をもう一度・・・と夢見るも体力の衰えは目を覆うばかりでハードな登山は夢のまた夢。それでも気の合った仲間と楽しくトレッキングと、過日求めた厳しい登山の日々を夢見、6000m級の高山を目指そうということで今回の登山を計画した。すでに社会の第一線を退いた60歳代を中心に立てた計画ではあったが、それぞれにお家の事情もあり当初予定のメンバーから何人か減ってしまった。しかしながら今を逃してはこの先さらに体力の衰えは見えており、ここで広く会員OBに声掛けし隊員を募集して編成した。

記録:
2016.10.16〜2016.10.17 (成田〜バンコック〜カトマンドゥ)
成田では盛大な見送りを受け11:00成田を出発。トランジットによりバンコックの海鮮料理で英気を養い、翌日飛行機から見えるヒマラヤの山々に感激してカトマンドゥへ降り立つ。エージェントの出迎えを受け車で事務所へ行きサーダー、高所ガイド、コック、ポーターとの顔合わせと打合せ、その後ホテルに入る。


成田空港にて                       飛行機からのヒマラヤ山群

2016.10.18 (カツマンドゥ準備)
 トレッキング用に個人装備をスタッフバックに梱包し、昼ごろ再度エージェントの事務所にてレンタル品の選定と打合せをして市内散策をする。


ホテルマナスル(穂坂)                     ダルバート

2016.10.19 (カトマンドゥ〜ベシサハル) チャーター小型バス
 7:50チャーターの小型バス1台にメンバー全員と荷物を積み込み出発。殺人的なカトマンドゥの交通渋滞を抜けてからも交通ルール無用の運転に肝を冷やしながらベシサハルへ15:15到着。


チャーター小型バス                   ベシハサルの街並み(穂坂)

2016.10.20 (ベシサハル〜チヤーメ) チャータージープ
 8:50ジープの屋根に荷物を積み込み、メンバーが乗り込んで出発。ジープはマルシャンディ川右岸の無舗装の道を頻繁にローギアに切り替えてノロノロと走る。おまけに調子が悪いのか対向車から部品の調達をしながらの運転。10:45昼食。対岸には段々畑が広がりトレッキングルートを歩くパーティの姿も見られる。15:40マナスルへの分岐路であるダラパニ着。17:45夕暮れになってやっとチャーメに到着する。


チャータージープ                       対岸の段々畑

2016.10.21 (チャーメ〜ピサン) 歩き
 8:00いよいよ今日からトレッキング開始。行く手にはヒマラヤの雪の山々も望め、マニ車を回すのも楽しい。11:00バラダーンのリンゴ園で昼食とアップルティーを飲み、対岸に大きなスラブが現れると吊り橋を渡って少し登り、道が平坦になると対岸にアッパーピサンの街並みが望める。この街並みの上方がピサンピークとなる。今日のロッジはピンクのモザイク模様が綺麗な建物。屋根の上にはチュルーイーストのピークが見える。


アップルティーがおいしい                   ピサンのロッジ(穂坂)

2016.10.22 (ピサン〜マナン) 歩き
 8:00チュルーイーストを正面に見ながら歩き始める。無風快晴で日の当たるところは暑いくらいだ。昼食に寄ったロッジで地元の人にもらった人参が新鮮で甘くおいしい。左手にアンナプルナV峰、ガンガプルナ、右手にチュルーイースト、後方にピサンピークを見ながら平坦だが埃っぽい道を歩く。ハムデの飛行場を過ぎて川を左岸に渡り、しばらく歩くと15:00マナンのロッジに到着。


アンナプルナV峰                      チュルーイースト

2016.10.23 (マナン) 高度順化
 ここは3,540mと富士山の八合目程だろうか、朝は洗濯物が凍る寒さだがロッジからは朝日に染まるアンナプルナV峰、ガンガプルナが見える。今日は高度順化を兼ねて対岸の丘まで1時間ほどのハイキングに出かける。途中には湖があり、丘の上からはガンガプルナの懸垂氷河もすぐ目の前に見られる。また谷の奥にはティリチョピークが望めるいいところだ。


ガンガプルナと懸垂氷河                 ティリチョピーク方面

2016.10.24 (マナン〜レダー) 歩き
 マナンからは、ティリチョ湖を通ってジョムソンへ抜ける左の谷と、トロンパスへの右の谷へ分かれる。我々は右への谷へ入り山肌をトラバースして行く。通りすがりの池は凍っているが日差しは暖かい。ガンガプルナを見送り、ヤクカルカの街に近づくと待望のチュルーウェストが見えてきた。16:00レダーのロッジに到着。高度は4,200mあり、少し高度障害の症状が出始める。


マナンの街並み(穂坂)                     チュルーウェスト遠景

2016.10.25 (レダー) 高度順化
 今日は2回目の停滞と高度順化のためBCへの途中の丘までハイキング。ロッジへ戻って登山活動へ向けての装備の仕分けをする。同じチュルーウェストに登る外国登山隊(スロバキア隊・・?)はBCへ向けて出発した。


出発する外国隊                  チュルーウェストをバックに丘の上で

2016.10.26 (レダー〜BC) 歩き
 BCへ向けて出発。前日に登った丘を越え、登るに従い後方にアンナプルナT峰からV峰の峰が見え、前方にはチュルーウェストが登るルートの全容を現す。最後は荒涼とした広い谷を登ってゆくとBCに到着。ポーターたちは先に到着しており、すでにテントを設営していてくれた。前日の外国隊のテントもあり荒涼とした谷はなんとなく華やかな雰囲気が漂うが、高度は4,840mをこえ超え人によって頭痛や下痢などの高度障害があらわれてきた。


左からアンナプルナV峰〜T峰         ベースキャンプから望むチュルーウェスト

2016.10.27 (BC) 高度順化
 昨日の夕方からガスに覆われたBCは5mmほどの雪に覆われた朝を迎えた。早速、サーダーのキルキンと高所ガイドのミンはルート工作のため上に登り、我々は高度順化のため右手のモレーンに登る。モレーンの上からはチュルーウェストが圧倒的は迫力で迫り、アンナプルナの峰々が美しい。夕刻になると昨日同様に雪がチラつくが積もる気配はない。外国隊は、隊員9名高所ガイド4名、HCまでの雪の状態が悪く途中から引き返したとの情報を得る。


モレーンの上からのチュルーウェスト             アンナプルナT峰

2016.10.28 (BC〜HC) 登山活動
 いつも通り快晴の朝を迎える。BCから見えるコルはHCのかなり下ではあるが、ここまで全員で登る予定であった。しかしながら澤田さん、穂坂さんは体調悪くBCで停滞。中島さん、山本さんはコルまでは登るがその後の上部はあきらめ、今日中にBCへ引き返すことで予定を立てる。サーダーのキルキンも体調不良で代わりにコックのカジが上部へ行くことになる。10:00出発。急な登りを2時間でコルに到着。北東側の視界が開けトロンパスが望める。ここからは、ガレ場を登りHCへ登ることになるが、今日はこのコルにテントを張る。14:30中島さん、山本さんはポーターとともにBCへ下る。


BCからのコルへの登り               コルからはトロンパスが望める

2016.10.29 (コル〜チュルーウェスト) 登山活動
 4:00テントを出発。今日中に山頂を往復の予定だが、HCまで届いていない状況では難しく、行けるところまで行くことにする。錦織は30分ほど登るが昨日からの体調不良で体がふらつき足も上がらない。登りを断念し一人コルに戻り、良好な小柳さんは高所ガイドのミンとコックのカジの3人で登攀を続行する。

**小柳さん記録**
 フィックスロープを頼りに岩場を越えるとなだらかな雪面となる。地図にも記載された本来のHCである5,530mでアイゼンを装着し、ミンとカジと私3人でロープを結ぶ。ミンは昨日デポしたフィックス用ロープとスノーバーをザックに詰める。雪面には昨日入った別のパーティがつけたトレースがしっかりと残っている。クレバスを避けながらルートをとり5,775m付近でトレースが消え、ここが問題の個所なのだなとわかる。
痩せたリッジで左側は切れ落ち、右側はすぐ下にクレバスが開いている。ミンはスノーバーを取り出し新雪が残るサラサラの雪面に刺し、アンカーが取れない雪の状況を私に理解させようとしている。そして昨日のアタック隊もここで引き返したのだとたたみかける。このリッジの他に取れるルートはなさそうだ。15メートル位の痩せたリッジから急な雪面となっているこの部分を超えて左に出たら、あとは山頂までのなだらかな長い雪面が続くらしい。残念ながら引き返すことにする。フィックスの岩場を懸垂下降し、しばらく急なガレ場を下ると、HCテント場の近くに錦織さんが見えた。


引き返し点の小柳(写真:小柳)             山頂方面(写真:小柳)

10:00テントの外に出ると風が出てきたようだ。チュルーウェストの稜線には雪煙が上がり、アンアプルナ方面にも雲が湧いてきた。11:00小柳さん一向がコルに帰って来た。外国隊と同様の場所から上部への登攀はできなかった様子。昼食を採り荷物を撤収してBCへ戻る。登山はあっけない幕切れとなってしまった。


雪煙の上がる稜線                       小柳さん帰還

2016.10.30 (BC〜レダー) 下山
 前夜のミーティングで登攀の予備日2日間は後半のトレッキングに回すこととして登山は終了することとした。午前中荷物の整理、昼食後集合写真を撮り下山を開始する。15:15レダー着。登山用品とこれからのトレッキングに必要なものとを分け、登山用品はコックとポーターに持たせて翌日往路をカトマンドゥへと帰す。気持ちを切り替え明日からのトレッキングに備える。


チュルーウェストをバックに記念撮影           レダーを目指して下る

2016.10.31 (レダー〜トロンハイキャンプ) 歩き
 9:20出発。ロッジの前をトロンパスへ向かう大勢のハイカーが通って行く。谷を遡るに従い高い木はなくなり人の住む気配もなくなる。後方にはアンナプルナV峰、前方には行く手を阻むように大きな岸壁が現れトロンフェディのロッジとなる。本流は岸壁の間に吸い込まれ、ルートはトロンフェディから左上の急な道を上る。1時間ほど登るとトロンハイキャンプのロッジに到着。ロッジはハイカーで混雑し、食堂は夜に寝床へと変わった。


カラフルなトロンフェディ               トロンハイキャンプへの急な登り

2016.11.1 (トロンハイキャンプ〜ムクティナート) 歩き
 朝は寒く、トイレの水も凍っている。今日の行動は長いのでヘッドランプを点けて6:00出発。草木は無くなり荒涼とした砕石地帯に輝くような雪山と青い空の下を緩い登りが続く。高度の影響もあり休みが多くなる。10:00やっとトロンパスに到着。背中に見えていたチュルーウェストに別れを告げムクティナートへと下って行く。トロンパスまでの風景とは心なしか違って見え、しばらく下るとダウラギリが見えてくる。ムクティナートは遠く遥か彼方に見えていたがそれでも夕方の6:00にはやっと到着。ロッジにて久しぶりにビールで乾杯!


トロンパスへの長い道                     トロンパス


ダウラギリ                       もうすぐムクティナート

2016.11.2 (ムクティナート〜ジョムソン) 乗り合いバス
 乗り合いバスの出発まで時間があるので、チベット仏教寺院(ジョラムキ・ゴンパ)を見学。11:20バス出発。埃だらけの道を約1時間30分でジョムソンへ到着。バス停からは30分ほど歩いてロッジに到着。


仏教寺院からダウラギリ               ジョムソン空港からニルギリ

2016.11.3 (ジョムソン〜タトパニ) チャータージープ
 サーダーが何とかジープをチャーターしてくれたが、定員オーバーのすしづめ状態での出発。ジープはカリガンダギ川の右岸に沿って下って行く、下るに従い樹木も豊富になり気温も高くなってくる。15:30タトパニ着。ビールでのどを潤してから温泉へ入りに行く。共同浴場は混浴の水着着用で気分は出ないが、それでも首までお湯につかれるのは気持ちがいい。


定員オーバーの車内(穂坂)              タトパニからのニルギリ

2016.11.4 (タトパニ〜シーカ) 歩き
 当初は車をチャーターする予定であったが道が悪いため歩くこととなった。カリガンダキの流れと別れ、農村風景の山腹を登ってゆく。途中でサーダーが買ったミカンは甘くておいしかった。日本の田舎道のような長い登りの末14:50シーカのロッジに到着。ダウラギリ、ツクチェピーク、ダンプスピークがよく見える。


ダウラギリ、ツクチェピーク、ダンプスピーク       長い登りの末シーカに到着

2016.11.5 (シーカ〜ゴレパニ) 歩き
 朝日に染まるダウラギリをロッジのトイレから見て8:00出発。石畳の階段が続く田舎道を登ってゆく。穀物や家畜、子供や洗濯する女性などネパールの農村風景に触れながら歩いてゆくと、ダウラギリの顕著なサウスピラーが美しい。昼食に2時間程取り14:00ゴレパニに到着。山の上の観光地で新しいロッジがたくさん見られた。時間があったので明日朝のプーンヒル下見に小柳さんと錦織で行ってくる。


ロッジの通路から朝日に染まるダウラギリ     農村道路のどこからでもダウラギリが見える。

2016.11.6 (ゴレパニ〜ヒレ) 歩き
 4:45ロッジを出てプーンヒルへ登る。ゴレパニの宿泊者のほぼ全員が早朝のヒマラヤを見ようと集まって来ている。山が朝日に輝くまで寒さに震えながら写真を構えるも、思ったほどの写真は撮れない。ロッジに戻り8:30朝食を採ってから出発。長い石楠花の大木の中の道を下ってゆく。15:40ヒレに到着。段々畑の連なる農村のロッジ。


早朝のダウラギリ               朝焼けのアンナプルナT峰とアンナプルナサウス

2016.11.7 (ヒレ〜ナヤプール〜ポカラ) 歩き&チャーター車
 8:30出発。農村を川に沿って緩やかに下ると11:00ナヤプールの町。ここは幹線道路があり賑やかな町だ。ここからはチャーター車でポカラへと走り、12:00ホテルへ到着。昼食後は町中の土産物屋を散策する。


農村地帯を歩く                  ナヤプールからバナナの木とマチャプチャレ

2016.11.8 (ポカラ観光) 
 ポカラの町を観光。車をチャーターしてフェワ湖の南側丘陵にある日本山妙法寺に上る。フェワ湖とサランコットの丘とアンナプルナ、マチャプチャレがよく見える。その後国際山岳博物館を見学し、午後は町中を散策する。


フェワ湖、アンナプルナ、マチャプチャレ     アンナプルナサウス、T峰、マチャプチャレ

2016.11.9 (ポカラ〜カトマンドゥ) 飛行機
 ホテルの屋上では朝日に染まる山を見ることができた。ポカラの飛行場からはプロペラ機でカトマンドゥへ飛ぶ。途中のヒマラヤ山脈は圧巻。カトマンドゥではマナスルホテルで預け品を、エージェントの事務所で登山用品を回収し、タメル地区にあるフジホテルに到着。


朝日に染まるアンナプルナサウス             ポカラからの飛行機

2016.11.10 (カトマンドゥ) 
 エージェントの新事務所を訪問し、今回のトレッキングと登山についての問題点についての報告と疑問点についての確認をする。午後タメル地区の散策。

2016.11.11 (カトマンドゥ観光)
 昨日カトマンドゥ観光についてエージェントに相談したところ、車などの手配をしていただき、パシュパティナート、ボダナート、スワヤンプナート、ダルバール広場を観光する。また夕食をエージェント宅にてご馳走になる。

2016.11.12〜2016.11.13 (カトマンドゥ〜バンコック〜成田)
 カトマンドゥからはバンコック経由成田へ到着。山仲間が出迎えに来ており暫し歓談。ありがとうございました。

(記、写真:錦織)

隊リーダー中島忠男雑感
われわれOB 6名のチュルーウェスト、アンナプルナ トレッキングツアーに際し皆様から暖かい励ましといろいろとご配慮を頂き有難うございました。心より感謝申し上げます。
雪の状態や体力等のためチュルーウェスト登頂はできませんでしたが29日間事故もなく無事に歩き通すことが出来ましたのは皆様のお蔭と思っております。ご支援ありがとうございました。

帰国後 既に3ヶ月も経ってしまいましたが TREKKING 雑感です。
《酸素濃度》
出発前に 高度順応の訓練ため東京千駄ヶ谷にある三浦雄一郎氏の「ミウラドルフィンズ」に数回通った。
そこで血中の酸素濃度を増大させる呼吸法などを訓練した。これは大変に役に立ったと実感しているのは私だけではないと思う。今回越えたトロンパス(5416m)は奇しくも大気圧が丁度海水面の半分になる高度である。すなわち大気中の酸素の量が平地の1/2しか無い過酷な環境である。ミウラドルフィンズでは 呼気の酸素量を半分にした環境でステップの昇り降りなどの訓練をした。トロンパスを越えて道が下りになって5分も経たないうちに空気が濃くなったと感じたのは私だけでは無い筈である。
《食事》
チュルーウェスト登山期間、カトマンズ、ポカラ滞在期間を除いた宿泊はロッヂ(バッティ)であった。値段は多少異なっていても メニューはどこでも一緒であった。焼ソバ、汁めん、スパゲティー、卵焼き(おむれつ)、ゆで卵、蒸かしポテト等等。ネパールの国民食 「ダルバート・タルカリ」を毎食々々食べ続けたツワモノがいた。「とても美味しい」との御宣託であったが私は時々美味しいと思った。
メニューを見て注文してから料理が出てくるまでには最短で1時間余は要し、食べるのに30分余、食事には2時間を要する。ネパールではすべて「ピスターリ、ピスターリ」である。食堂のメニューに宿代が印刷されていた。素泊まりと2食付きなどの区別があった。宿泊代が記載されているメニューに出会ったのは初めての経験であった。
トレッキング始めの小さな町の酒屋で最上級のネパールウイスキーを購入した者がいた。その味は「!!??」。他の者は免税のスコッチをチビチビやって居たが彼は独り黙々と毎晩ネパールを舐めていた。トレッキングの後半になってロッヂで売っている「ラム酒」が安くて美味しいことを発見した。ラムに浸した持参のカステラはトビキリ美味しかった。ビールは概して美味しかった。我々のお気に入りは「エヴェレスト」だった。ネパールなのに銘柄名がなぜ「サガルマータ」ではないのか?疑問に思った。数年後にネパール再訪したら『サガルマータ』になっていたら良いなと思う。
《ばふんかぜ》 
トレッキング後半になって痰と咳に悩まされた。歩く道は住民の生活道路であるから荷物を運ぶ馬も通る。生活道路とは云え前の人の脚が気になる様な急な箇所も多々ある。荷駄を積んだ馬も我々同様 踏ん張って登る。急な坂道で「フンバル」ので脱糞が起きるのは無理もない。このような箇所には馬糞が多いい。これが乾期盛りの風で舞い上がり上り坂で顔が地面により近い状態で吸う破目になり咳、痰になる。同室の相棒には夜を通じて迷惑をかけてしまった。私はこれを『ばふんかぜ』と名付けた。喉のいがらっぽさは帰宅後暫くして治った。
(記、中島忠男)

会計
支払項目 6人分合計
エージェント支払 2,410,000
ムクチナート〜ジョムソン 乗合いバス代 9,000
トレッキングスタッフ チップ 58,000
バンコック宿泊食事代 34,000
ビザ取得代 30,000
成田〜カトマンドゥ往復航空チケット代 475,000
旅行保険料 209,000
薬品代 27,000
打合せ会場費 5,000
土産その他 12,000
合計 3,239,000
寄付金及びエージェント返金 △106,000
1人当たり単価 527,000
(報告:澤田章)