10mを楽しく登るとまたすぐ滝がでて来ました。試行錯誤して登るとまた滝が出てくる。。高度はぜんぜん上がらないのに滝は次々でてきます。
大滝や悪い巻き、切り立ったゴルジュに大高巻き、雪渓のゴミで滑る岩、、
いい加減疲れてきた所で、彼は滝を直登し『悪いから巻け』と指示。こんな悪い所で自分でルートを見つけ進むのは怖いし、待たれているので焦る。
枯草や砂が乗っている岩を掃除しながら慎重にへつる。
私は焦っていたのだ。
砂で滑るのはわかっていたのに、ガバもないのに勢いで行ってしまおうと掃除もそこそこに乗ってしまった。。
4mほどの落下で済んだがこんなにちゃんと落ちたのは初めてでした。
震えが止まらない。
見た目は大したことないのであろう『行くよ』と声が掛かる。震えながら行くが怖くてへつりも登りもできない。
彼も気を使ってロープを頻繁にだしてくれるが支点が取れないので肩がらみの状況でのロープ。ほぼ頼れない。。
ペースは極端に落ちたであろう、15時970m辺りで敗退を宣言される。
自分の不甲斐なさと、先の見えない沢をもう行かなくていい安心感で涙が止まらない。
私がもっと強ければ、もっと慎重にへつっていれば、、
水を汲み尾根に上がることにしたが、そこも登れない。レベル的には5.8、いつもなら登れるのに登れない。。
彼は40m上、ロープをもっと引いてもらおうと声を出しても届かない。何度も落ち、自己脱出のシステムを試みるも混乱してうまく作れない。。そうしているうち迎えに来てくれた。
ザックを背負ってもらうと嘘のように登れる。
始めからザックを外して登れば良かったのだ。。1時間のロス。
日暮れぎりぎりで急な斜面に奇跡的にもテントの張れる平地を発見!
でも直径20cmほどの熊糞が、、
焚き火もできナラダケもあり風も当たらないので快適なテンバでした。
次の日。ここは1000m位の地点。尾根を行き595m地点の中ノ沢と檜倉沢の出合をめざす。
地形図には微妙な谷が2つありその向こうの幅広い尾根を南西に下れば、、と思った。
実際は地形図にはない沢筋が次から次へとできて、どれが谷なのかわからなくなった。対岸や回りを見て磁石を使い、地形図と合わせて進まなくてはいけないのだが、草木を掴むのに必死で磁石や地図が出せない『ちゃんと磁石をみろ』と言われたが着いていくのが精一杯だった。
2時間程で懸垂も登り返しもなく目的地到着。
緊張が解れ、溜め息と言う深呼吸が何度も出た。トラバース中緊張で呼吸が浅くなり『下っているだけなのにそんなにハーハー言っていたら過呼吸になるよ』と言われたが、その事がよく分った。
詳しい沢の情報は彼のホームページに載っているので観ていただければと思う。
http://sonosoranoshitade.web.fc2.com/sonosoranoshitade9/newpage15.html
今回で自分の弱さが苦しいほど分かり反省点しか出て来ないが『落ちてからが勝負だ』『次はもっと強くなっているよ』と言葉を頂き、来シーズンも頑張ってみようと思う。