東北・葛根田川〜大石沢
2014年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
メンバー西野(記録)、浦西、他2名
日程:2014年10月11日〜12日

岩手山から秋田駒ヶ岳へつながる稜線に囲まれた、東北の名渓のひとつ、葛根田川。北ノ又沢へ継続し、明通沢を下降する2泊3日の行程が比較的歩かれているが、今回は紅葉と温泉狙いで、葛根田川から大石沢を遡行し、乳頭温泉に下山する行程とした。

10月11日(晴れ)
滝の上温泉11:20…入渓点12:00…大石沢出合15:00
新幹線を乗り継ぎ、JR田沢湖線雫石駅からタクシーで40分ほど、滝の上温泉へ。トイレもあるきれいな休憩舎で身支度を済ませる。地熱発電所の建物を眺めつつ、川沿いの舗装道路を進む。すでに紅葉が綺麗でテンションが上がる。舗装道路から砂利道に変わると、すぐに河原に出る踏み跡があった。河原で沢装備に替えてスタート。
 はじめはずうっと広い川。歩きやすいところを渡渉しながら進む。途中、丸い岩をなめるように流れる小滝(どくろ滝)を左岸に眺める。見頃を迎えた紅葉が美しく、感激しながら歩く。しばらく進むと、「お函」と呼ばれるU字型のゴルジュが現れる。青白い水が美しいが、深い釜をへつりながら進むのでやや緊張する。1カ所、右岸を進むのに足場が非常に悪く、フィックスロープやスリングが付けられている箇所があった。フィックスロープがなければ、ロープを出したほうがよいだろう。
 さらに進み、大石沢出合に到着。出合の高くなったところにテントを張り、河原で焚き火宴会。夜もよく晴れていて、天の川まで眺められた。

10月12日(晴れ)
大石沢出合7:20…戸繋沢出合7:40…田代平13:00(13:20出発)…大釜温泉15:00
5:00起床、焚き火で暖まりながら朝食をとり、身支度をしてスタート。歩き始めてすぐに戸繋沢出合を過ぎる。紅葉した樹林のなか、きれいなナメが続いている。小滝もなく、緩やかに標高を上げて行く。標高1000mを過ぎると、大岩がゴロゴロと連なり始め、合間をぬうように進んでいく。1100m地点の二俣には、右俣にピンク色のテープがつけられていた。迷うかもしれないところだと思っていたので有り難いのだが、正直なところ興ざめだ。その後も忠実に沢型を詰め、最後、約5分ほどの激しい笹薮こぎで、広々とした草原に出た(田代平の一角だったらしい)。草原の先に登山道が見えたので、草原を突っ切って登山道に出る。
 登山道の広いところで沢装備を解除。快適な登山道を歩いて乳頭温泉に下山した。下山口に建つ大釜温泉に立ち寄り、汗を流した。

● 登山メモ
・ 雫石駅?滝の上温泉は路線バスなし。タクシーで40分程度(約7000円)。
・ 幕場適地は大石沢出合のほか、戸繋沢出合にもあり。
・ 大釜温泉は日帰り入浴可能。510円。17時まで(受付終了は16:30)。
・ 休暇村乳頭温泉郷の付帯施設として、乳頭キャンプ場あり。休暇村から車で5分(歩くと30分程度)。利用料は1人410円+テント1張り1000円。広くて快適、焚き火可能。コインランドリーやシャワーあり。ただしハイシーズン以外は売店が営業していない可能性高。
・ 乳頭温泉からは田沢湖駅へ路線バスあり。1時間に1本程度の運行。


どくろ岩


お函、フィックスロープで岩場を通過


紅葉した樹林のなか、ナメが続く


田代平に到着