八ヶ岳 阿弥陀岳(硫黄岳〜赤岳〜阿弥陀岳変更)
2010年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
メンバー:小野寺、長坂

日程:2010年11月22、23日

11/22 茅野駅〜美濃戸口〜赤岳鉱泉
茅野駅 10時頃集合
Week dayなので小野寺は混雑する通勤時間帯を避け7時新宿発で9時08分着、長坂は実家からで10時05分着。22日の予報は雨、この頃から降って来たが23日の予報は晴れる方向ということで入山する。
10時25分〜11時 バスにて茅野〜美濃戸口
11時15分〜14時40分、雨の中、汗と雨に濡れながら赤岳鉱泉着。 小野寺は通常は行者小屋方向が多く、久しぶりの北沢通過になるが結構橋が多い、また上部はところどころ地面が凍っていた。

先客のうちの2名1パーティが2泊予定でテント代を支払っているが、1泊を残して下山するので権利をくれる(要するに無料になるはず)とのこと。そうは言っても後で見回りに来られて問題になるのもいやなので念のため小屋に届ける。そうしたら本来はNGであるが今回は特別に許可するとのこと。ついでに濡れた衣類を小屋で乾かしたいと申し出たら何か注文すれば中のストーブの前で乾かしてもよいとのこと。お客は殆どいなかったが300円のコーヒーを注文して乾かすことになる。雨の中、小屋の周りの板の上に設置する。テント泊は他に2パーティ。 夕方から霙になる。
20時就寝

11/23 赤岳鉱泉〜行者小屋〜阿弥陀岳途中〜行者小屋〜美濃戸口〜茅野
一晩中雨(あるいは霙)の音。5時半 起床。この頃やっと止むが周りはガスっている。
小屋番の話だと、いったん晴れるが午後は雨とのこと。少し待ったらかなり晴れて来て、本当に午後は雨かどうか疑問になったが、とにかく当初予定は時間的にきつくなったので行者小屋から阿弥陀岳に行くことにする。
(撤収前のテント)

7時半出発、中山乗越〜行者小屋、8時40分ザックをデポしアタックザックで出発、ハーネス、アイゼン、補助ロープ、ツェルト持参。中山乗越のこちら側は積雪が多い感じだった。
(朝は晴れていた)

9時 赤岳・阿弥陀岳分岐
確かにラッセルが必要で新雪が積もっている。こんなに積もるとは予想しておらずワカンは持ってこなかった。中岳沢(1982年)とか文三郎尾根上部(1978年)は過去に雪崩の実績があり、樹林帯の阿弥陀岳夏道をラッセルする。
下の方は膝くらいまでの深さ。右に北稜を見て、進行方向に中岳と阿弥陀岳の間のコルが見える場所に着く。積雪の割に道ははっきりしていたが、阿弥陀岳頂上の直下をトラバースしている。進んで行ったら果たして小さいデブリが現われてきた。そこを越していくが上部にはまだ雪が付いている。デブリがまた出てきた。恐らく行きはなんとかなっても戻りが昼頃にかかり気温が上がるとまずいと思い、10時40分、撤退することにする。
(下記がトラパース部分、左写真中央辺りにデブリがある。引き返した直後)

11時40分に行者小屋に戻り、振り返ったら既に赤岳、阿弥陀岳共にガスにすっぽり覆われていた。恐らく引き返して正解だったのかも知れない。
11時55分行者小屋発、道が凍っていると思いアイゼンは着けたままでおりたが、以外にそうでもなくすぐに外す。多分下は雨だったのと思われる。南沢は石の多い道で上部で有効だったプラブーツでは歩きにくかった。 14時、美濃戸山荘前で簡単にザック整理して14時45分美濃戸口に着き、15時のバスで帰る。 下は晴れていたが振り返っての八ヶ岳の姿はまだガスの中だった。

阿弥陀岳には1/2.5万の地形図をみて登ったが、帰路、昭文社の1/5万の地形図の核心部の箇所に、このルートは「積雪期雪崩に注意」とあることを長坂が見つけた。
八ヶ岳は意外と雪崩事故が多いのは記録では知っていたが、ついでもあり、自宅で調べたら、コルと阿弥陀岳頂上の傾斜でも雪崩事故(1961、1990年)が起きていた。
また、我々が到達した地点での事故の記録はなかったが、ここから落ちて中岳沢に入る雪崩もあると思われる。 雪崩ではないが阿弥陀岳南稜を登った後、中岳コル付近で3人が遭難死している。2006年東京アルコウ会の竹内(都岳連で仲良くしていた)以下3名だった。
http://minpo.exblog.jp/4284521/
以上。                                  文責 小野寺