明星山南壁フリースピリッツ
2009年度山行報告 (C) 昭和山岳会(東京都山岳連盟)
メンバー:米田、牛山

日程:2009年9月22日

21日(月)
現地偵察(牛山)、22時40分 糸魚川駅で米田と合流、ヒスイ峡キャンプ場泊

取りつき点、徒渉点等を偵察。徒渉点は、沢に下りてからフリースピリッツ取りつき付近まで沢を下ったところの大岩に、チロリアンブリッジのロープがかかっているところを利用。チロリアンをしなくても、ロープを頼って飛び移れば渡れた。前日フリースピリッツを登ったパーティから、情報を得る。取りつきは新しいリングボルトが1本ある、がれ場を3mくらい登ったところ。さらにガレ場を登るとリングボルト2本付いたビレイ点があるが、こちらは違うようだ。
この日は、左岩稜2パーティ、フリースピリッツ1パーティが登っていた。

22日(火)
天気:曇り
4時半起床、5時過ぎ展望台横の駐車場発
5時45分登攀開始
10時中央バンド
12時45分登攀終了
15時駐車場

天気予報では、気圧の谷の影響で午後から崩れるということであった。石灰岩なので濡れたら全く登れなくなる。天気がもつことを祈って取りつく。
ザックは一つにまとめ、セカンドが持つことにした。キャメロット0.5〜1とエイリアン赤、黄、緑。ロープは9mm50m×2、シューズは米田がアナサジレースアップ、牛山がミウラ。

1ピッチ目:米田(以下奇数ピッチ)、ブッシュに覆われた階段状からバンド、やや短く切って30m。
2ピッチ目:牛山(以下偶数ピッチ)、バンドから1段上がり、凹角の下まで、30m。
3ピッチ目:凹角クラックをカムを決めながら上がる、30m。
4ピッチ目:ランぺを一度上がってから下がり、ハング下まで。30m。
5ピッチ目:ハング下を左上、急な凹角クラックから梅干し岩の左を回りこんで、右に下りトラバース、スタンスが見えないところを下りトラバースする怖いピッチ。35m。
6ピッチ目:カンテ左の垂壁の凹角からカンテを右に越え、易しいフェースを直上。30m。
7ピッチ目:ハングの切れ目の凹角を越え、緩傾斜のスラブ。40m。
8ピッチ目:ハングの間のカンテ裏の凹角をクラックから越し、緩傾斜帯〜中央バンドを50mいっぱい登る。岩角でビレイ。
9ピッチ目:中央バンドを横切り、ランペの取りつきまで20m。20分休憩し、初めて水を飲んだり行動食を食べたり。
10ピッチ目:ランペを右上、ペツルボルト2本のビレイ点で切る。45m。左上を見ると、ペツルボルトが連続して左上していた。黒い垂壁を通り越してしまったのかもしれない。
11ピッチ目:左上。20m。
12ピッチ目:少し上がり、情報通り肌色の岩肌のあたりから、パノラマトラバースに入る。情報通り、下がすっぱり切れたところをトラバース。ホールドが時々ぼろぼろで怖い。古いハーケン5本くらいのビレイ点で切る。30m。
13ピッチ目:スラブからフェース、最難ピッチ。ホールドがちょっと細かい。ピンはいっぱいあった。上は階段状、40m。
14ピッチ目:階段状〜草付き〜ガレたルンゼ、50m。
15ピッチ目:凹角を登り、南山稜へ抜けたと思われた点で終了。30m。

下降は、南山稜通しを何となく踏み跡っぽいところを下る。ちょっと怖いので、ロープを3ピッチ出す。すると上から単独行者が下ってきた。左岩稜を単独で登ってきた、新潟のクライマーだった。この方に下山ルートを教わりながら、迷うことなく下る。赤テープがある灌木の横の松の木でロープをたたむ。あとは、右下へ右下へと踏み跡を下る。踏み跡は、外さない限りは明瞭で、時々赤や黄色テープがついている。しかし、自分たちだけだったら途中で外してしまったかもしれない。詳しい案内人と一緒に下りたおかげでタイムロスすることもなく、無事林道に出て、最後は鉄管の橋を渡って道路に戻る。


登攀ルート


3ピッチ目


4ピッチ目ランペを右上


4ピッチ目一旦下ってさらにランペを右上


5ピッチ目ハング下を左上


5ピッチ目うめぼし岩に差しかかる


5ピッチ目 うめぼし岩を回り込んで越えたところ


5ピッチ目終了点から下を見たところ


6ピッチ目


9ピッチ目終了点から、中央バンドを俯瞰


12ピッチ目


12ピッチ目終了点から、パノラマトラバース後半


13ピッチ目


13ピッチ目続き


登攀終了


登攀終了